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ホーム > WEBマガジン SHINKAWA Times > コラム > 小川 貴弘 > 光ファイバセンサによる防災への提案 その3
掲載日:2016年10月04日

光ファイバセンサによる防災への提案 その3

古河電気工業株式会社
情報通信ソリューション統括部門
ファイテル製品事業部門アクセスネットワーク部
光システム課 課長代理 小川 貴弘

はじめに

 今年の夏は、台風 10 号による東北、北海道地区での河川の氾濫による災害、台風16号による九州での内水氾濫など非常に大きな災害が多数発生しました。日本の国土は 4 分の 3 が山地であるため、台風でもたらされた雨水のほとんどは、川から海へ流れ出ます。今までの気候による雨量であればダム等の治水対策で賄うこともできましたが、地球温暖化等の影響による局地的な豪雨の多発や猛烈な台風では治水対策にも限界があります。そのため、現状の治水対策で限界を超えてしまった場合には、住民への速やかな避難勧告が最大の防災、減災となります。光ファイバセンサは、必要な時に必要な情報をリアルタイムで観測できる防災、減災に最適なシステムです。最終回は、その他の光ファイバセンサについてご紹介いたします。

光ファイバセンサの実用例

ic_H2.jpg 浸水検知センサ

 浸水検知センサは、多量の雨水の流入による道路(アンダーパス)の冠水・浸水検知に利用されています(写真 1 )。ここで使用されている光ファイバセンサは、前回紹介しました光雨量計にも用いられているファラデー型センサを使用しています。

写真 1 浸水検知センサ設置例

 

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共同開発:NTT インフラネット株式会社 GAIA-FITS

 センサの先端がフロート構造になっており、フロートの上部に磁石が埋め込んであります。水が増えてくるとそのフロートがセンサの先端に近づくことで光ファイバセンサが ON になり信号を出力します。その信号でパトライトを点灯させたり、電光掲示板への通行止め表示を行いドライバーへの注意喚起を行います(図 1)。

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図 1 浸水検知センサ 動作原理

 この浸水検知センサもセンサ部には電源や電気部品を一切使用していません。このため設置が電気式センサよりも簡単で壊れにくい、メンテナンスが容易、雷害に強いなど多くのメリットを持っています。

ic_H2.jpg 光ファイバワイヤーセンサ

 光ファイバワイヤーセンサは、光ファイバケーブルが切れた場合に危険を知らせるセンサです(図 2)。

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図 2 光ファイバワイヤーセンサの設置例

 検知装置を監視を行う事務所に設置し、光ファイバケーブルを斜面崩壊や土石流の危険性のある場所に設置します。光ファイバが切れることで光出力の異常を検知し危険を知らせます。このセンサも光ファイバ自体がセンサの役目をするため設置が非常に簡単です。

また 10km 以上の遠隔監視もできるので電源の取りにくい山中などの設置にも適しています。

ic_H2.jpg 光給電カメラシステム

 光給電カメラシステムは、カメラの駆動を光のパワーだけで行っています。

センター装置から約 10km を光ファイバケーブルのみで接続可能です (図 3)。

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図 3 光給電カメラ 構成図

 猛烈な台風時には、停電が発生します。電気式カメラでは停電により監視できなくなってしまいますが、光給電カメラから遠方に設置したセンター装置が停電にならない限り、停電時にも監視が継続できます。カメラで河川や田畑の状況を確認できるので、監視作業員の災害への巻き込まれ防止(減災)にもなり、また避難経路や避難施設の状況確認も行うことができます。

まとめ

 3 回にわたり光ファイバセンサの防災への提案としてご紹介しました。光ファイバセンサは、電気式センサに比べまだまだ認知度も低く設置ヶ所も少ないのが実情です。しかし光ファイバ自体は日本はもちろんのこと世界中に張り巡らされています。皆さんがインターネットで世界中の様々な映像を見たりできるのも、光ファイバが世界中とつながっているからです。この光ファイバを最大限に活かすには、いつ起こるかわからない、そしてすぐにでも災害が起きてしまうようになった地球環境に対して、光ファイバセンサを有効活用することに他なりません。人間の体には手足の末端まで毛細血管や神経が通っています。光ファイバは世界の血管、神経でありその先に光ファイバセンサを取り付けることでより感度の高い防災、減災システムを構築できます。今後、光ファイバセンサが社会全体に普及することを願いコラムの最終回とさせていただきます。

コラムに関するご意見、お問い合わせ:sectimes@shinkawa.co.jp