• 事業所一覧
  • お問い合わせ
  • ENGLISH
  • ホーム
  • 取扱商品
  • 事業内容
  • ソリューション事例
  • 会社情報
  • 採用情報
ホーム > WEBマガジン SHINKAWA Times > メカトロニクス技術講座 > メカトロニクス技術講座 巧妙性実現の手段群(12)
掲載日:2016年03月08日

2 巧妙性実現の手段群(12)

2-3 W・T・MACS の他の要素群

制御回路の構成・1 類、2 類、3 類(その 2)

【制御回路 2 類:単純 1 往復(スタート信号で前進 → 前進端センサ信号で後退、原点で停止)】

 

制御回路 2 類には 2A 類「単純往復動作」と、2B 類「一回転停止動作」との 2 種類があります。

PLC ラダー図でわかるとおり、いずれも自己保持回路を 3 組使っています。

例えば 2A 類では、

スタート信号が入ったことを記憶する自己保持と、

前進端まで進んだことを記憶する自己保持と、

原点に戻ったことを記憶する自己保持

とが使われていて、

「前進端まで進んだ後、原点に戻ったことで 1 サイクル終了した」と考え、上から順にリセットされるようになっています。

vol008_no03_info01_22s.jpg

図 2-30A 制御回路 2A 類

また 2B 類では、スタート信号の自己保持後、原点センサが一旦オフになった後にもう一度原点センサがオンしたことで、「一回転して戻ってきたので、1 サイクル終了した」と考え、上から順にリセットされるようになっています。

vol008_no03_info01_33l.jpg

図 2-30B 制御回路 2B 類

【制御回路 3 類:前進 → 信号待ち → 後退(スタート信号で前進 → 前進端センサ信号で中間停止 → 中間スタート信号で後退、原点で停止)】

 

制御回路 3 類にも

3A 類「前進→信号待ち → 後退(スタート信号で前進 → 前進端センサ信号で中間停止 → 中間スタート信号で後退、原点で停止)」と、

3B 類「正転 → 信号待ち → 更に正転(スタート信号で正転→前進端センサ信号で中間停止 → 中間スタート信号で更に正転して、原点で停止)」

の 2 種類があります。 これらも前記と同様に自己保持回路をうまく活用していることがわかります。

vol008_no03_info01_44s.jpg

図 2-31A 制御回路 3A 類

vol008_no03_info01_55l.jpg

図 2-31B 制御回路 3B 類

【応用例:これら 1~3 類の組合せで極めて多くの自動化システムが駆動されます。】

 

1. ロータリテーブルの 1 ピッチ駆動 2B類

2. ベルトコンベアのピッチ送り    2B類

3. ワークのクランプとドリリング   3A類と2A類の組合せ

 (ワーククランプ 3A 類、ドリリングユニットの 1 往復 2A 類)

4. 自動供給ユニット         3A 類 3 個の組合せ

 (チャック開閉 3A 類、チャック上下 3A 類、チャック前後 3A 類)

その他、いろいろな自動化装置の例について考えてみることをお勧めします。

 

制御回路のエラー処理

 

上記 1、2、3 類は、ごく基本的な制御回路の構成ですが、一般の自動化機械の制御にはいくつか問題があります。 その一つが、装置の動作のエラーに関するものです。

これについて詳しく述べるとそれだけで一冊の本になりますが、ここではごく簡単に考え方を述べることにします。

 

たとえば 2A 類の制御ではスタート信号で単純に装置が前進し始めるはずですが、進路に何か異物が挟まっていて進めなかったらどうなるか考えて見ます。

アクチュエータが空気圧シリンダだった場合は、ストロークの途中で止まったままになっているので、まだいいのですが、モータの場合はそのまま強制的に停止させられていると当然過熱して煙が出てきます。

 

「じゃあ装置に煙センサをつけておきましょうか?」ということではいささか困ります。

 

タイマーの利用

 

一般に制御ソフト開発の手段の中にはタイマーがあるのでこれを利用することにします。

つまり、スタートと同時にタイマーを走らせ、スタート後一定時間経っても目的地に来なかったら何かトラブルがあったと考えてエラー信号を発するのです。

この考え方を入れた 2 類・3 類のフローチャートを図 2-32、33 に示します。

お分かりのとおりフローチャートに「タイムアップ」という項目が入って、タイムアップしてしまったらエラー信号を出し、アクチュエータを止めるようにしてあります。

vol008_no03_info01_06.jpg

図 2-32 エラー処理フローチャート 2A 類・3A 類

vol008_no03_info01_07.jpg

図 2-33 エラー処理フローチャート 2B 類・3B 類

たぶんモータから煙が出る前にエラー信号でアクチュエータ駆動命令を取り消すので多くの場合あまり重大なトラブルにはならないかと思われます。

一見これでよさそうな気がしますが、実はまだいろいろ問題があります。それは

 

問題点(1)所定の時間内に目的点まで行けなかった原因が不明

問題点(2)停止した時のアクチュエータ/メカニズム等の状況とその復帰方法が不明

 

であることで、要するにとりあえず止めたけど、何がどうなっているかまったくわからない、ということです。

 

まず{問題点(1)所定の時間内に目的点まで行けなかった原因が不明}については

 

(A)スタート信号でも動き出さなかった場合は、配線の切断・配管の詰まり・メカニズムの緩み・破損など

(B)ある程度進んでいた場合は、異物の侵入・摩擦の変動・ワークの転倒など

(C)前進端直前まで進んでいた場合は、異種ワークの混入・異物の挿入・メカニズムの緩み・破損など

 

のように原因がある程度想像できるかもしれませんが、タイマーだけでは(A)(B)(C)のいずれであるかもわかりません。

 

{問題点(2)停止した時のアクチュエータ/メカニズム等の状況とその復帰方法が不明}については

 

たとえば、

(A)アクチュエータがモータの場合異物を強力に締め付けていてモータ逆転は不能の場合もあり

(B)空気圧シリンダの場合、使われているソレノイドバルブが、シングルコイルなら原位置に戻るが、

(C)ダブルコイルでは、そのまま押し続けているはずで、

(D)3ポジションでは、プレッシャーセンター・エキゾーストセンター・クローズドセンターなど、種類ごとに状況が異なります。

 

したがって、これらのそれぞれの状況に応じてその復帰方法も異なることは当然です。

 

つまりタイマーによるエラー信号出力は制御システムとして最低限の保護手法に過ぎない、ということになりますが、放っておくとモータが焼けるような重大事故になるのを、とりあえず緊急停止で軽事故で済むようにする効果は大きいと言えます。

 

この「重大事故の軽事故への転換」は後日解説予定の「自動化システムのデバッグ理論と最適稼働率」 の章で大変重要なポイントなのです。

次回は、W・T・MACS 要素群のなかの【S】センサによる代替特性検出について説明します。

「生産性向上とメカトロニクス技術講座」バックナンバー

  1. 本講座の目次
  2. 生産設備の構成要素(1)工場はすべて作業ユニットの集合.....
  3. 生産設備の構成要素(2)作業ユニットは W・T・MACS から成り立つ.....
  4. 生産設備の構成要素(3)フィードバック信号をどこから取ったか.....
  5. 巧妙性実現の手段群(1)メカニズムの速度特性の活用と加速度/直進テーブルの往復動作実験.....
  6. 巧妙性実現の手段群(2)メカニズムの速度特性の活用と加速度/物は加速度で動かされる(その1).....
  7. 巧妙性実現の手段群(3)メカニズムの速度特性の活用と加速度/物は加速度で動かされる(その2).....
  8. 巧妙性実現の手段群(4)メカニズムの速度特性の活用と加速度/加速度特性の改善と効果
  9. 巧妙性実現の手段群(5)円と直線の組合せが面白い第1世代・ヒンジとスライドのシステム/自動化システムの 80% は.....
  10. 巧妙性実現の手段群(6)円と直線の組合せが面白い第1世代・ヒンジとスライドのシステム/メカニズムの力特性の活用.....(その1).....
  11. 巧妙性実現の手段群(7)円と直線の組合せが面白い第1世代・ヒンジとスライドのシステム/メカニズムの力特性の活用.....(その2).....
  12. 巧妙性実現の手段群(8)円と直線の組合せが面白い第1世代・ヒンジとスライドのシステム/メカニズムによる力特性の活用法
  13. 巧妙性実現の手段群(9)MACS の要素群/アクチュエータの各種と分類
  14. 巧妙性実現の手段群(10)MACS の要素群/コントローラとインターフェイス
  15. 巧妙性実現の手段群(11)制御回路の構成・1 類、2 類、3 類(その1)
本コラムに関するご意見、お問い合わせ:t-kikaku@shinkawa.co.jp

Creative Commons License

株式会社新興技術研究所 熊谷 卓 による「生産性向上とメカトロニクス技術講座」は、クリエイティブ・コモンズ

表示 - 非営利 - 継承 2.1 ライセンスの下に提供されています。

Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.1 Japan License