2021/01/12
業界コラム
ロケットエンジンに心臓病を起こしてはならない
現在、運用中の基幹ロケットといえばH-IIAロケットです。このロケットの第1段エンジンはLE-7Aと呼ばれており、スペースシャトルのメインエンジンと同じ“二段燃焼サイクル”という技術的にもっとも難しいサイクルが採用されています。このエンジンの心臓部がターボポンプであり、ロケット飛行中に巨大なタンクから低圧の推進薬を吸い出し、超高圧まで昇圧して燃焼器に送り込む役割を担っています(人間の心臓は生きたポンプです)。...
室蘭工業大学 教授 / 航空宇宙機システム研究センター長
内海 政春