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新川タイムズ

安藤 繁

2011/02/08 業界コラム

理解と工夫から新しい創造を No.3
力を集める波と力を分解する波

私の住んでいる千葉市の郊外でも、いつも通りのおだやかな新年を迎えました。私が千葉に住むようになったのは20年ちょっと前。谷津(やつ)の風景(うねうねとした台地に広がる森と谷に広がる水田の繰り返し)が、そこここに広がっています。例年、初詣には、家のすぐそばの小さな神社と、平山薬師というこのあたりではわりと有名なお寺にでかけます。昔はそうでもなかったのですが、このところ急速に住宅が増えてきて、初詣もかなりにぎやかになり、参拝も長い行列ができるようになりました。お寺なので、鈴ではなく、長い緒の先にあるドラ(鰐口)を鳴らすようになっています。順番待ちをしながら前の人たちを眺めていると、これが鈴のようにはうまく鳴らせなくて皆苦労しています。緒の上端に近い部分のふくらんだ玉のような部分でドラの中心をたたけばよいのですが、神社の鈴のようにゆするのでは、緒が傾いたりドラがゆれるだけで音は出ません。「そのやり方は違うな~」などと内心にやにやしながら、自分の番が来たときは、私の思うやりかたでひょいっと緒を操作し、「ボーン」と心地よい響きで鳴らすことができて、ちょっと優越感にひたりました。...

東京大学 情報理工学系研究科 システム情報学専攻 教
安藤 繁