WEBマガジン SHINKAWA Times

Column

人に優しい設備、パソコンの体に優しい使い方と疲労回復法 No.2
パソコンの体に優しい使い方

 

社団法人 日本伝熱学会 会員
(当社ソリューション本部 所属)

園井 健二


IT社会となって、毎日、画面を見ながら手で操作する時間が長くなっています。また、マウス、キーボードなどの入力機器を使った繰り返し動作が多くなると、指先、手首や肩などに疲労が溜まり、腱鞘炎や肩こりを引き起こす要因となります。パソコンを購入すると注意書きが付いていますが、ともすると読まないで保管してしまいます。


今回更新のパソコンの資料の中に「安心してお使いいただくために」の小冊子があり、2頁使って「使用環境と姿勢」について有益なアドバイスをしています。


健康のために気をつけたいこと
リラックスした姿勢で座る。
  肩や首が疲れないように、・・・マウスなどを正しい位置に置いて下さい。
適度に姿勢を変える。
ときどき立ち上がってストレッチする。
  1日に何度も手首と首を動かしたりのばしたりしてください。
  1時間を超えて連続した作業をしないようにする。
身体の一部に不快感や、痛みを感じたときは、すぐに使用をやめて休息する。
  長時間使い続けると、腕や手首が痛くなることがあります。万が一、休息しても不快感や痛みが取れない場合は、医師の診察を受けてください。

疲労を少なくする方法は、各種メディアでも紹介されていますが、効果は個人差もあり、実際に試してみることが必要です。



毎日のクリック数とタイプ数を計測


下記の計測ソフトを使用し、私の最近1ヶ月のデータを取って見ました。


【 ソフト名 】 タイプ数カウンター

【 作者名 】 taka


条件
休日と出張日を除いた日数で評価
ダブルクリックは2回とカウント
マウスではなく、ペンタブレットを使用

計測結果
@7000クリック/日が最大で、1日平均、4900クリック/日
A7500タイプ/日が最大で、1日平均、3800タイプ/日
@+A合計で、1日平均、8700クリック・タイプ/日
計測結果
作業内容と使用したソフトによる違いは顕著です。
Excelで表を新規に作成する場合は、クリック数が急増しました。
下記グラフは1日の時間別データですが、1日の内でも、クリック数とタイプ数は変動しています。
タイプ数カウンター


マウスへの不満からタブレットPCへ


市販マウスの種類の多さは、顧客ニーズの強さを反映しています。マウスの普及に多大な貢献をしたアップル社から、マウスを使わない iPad が発売され、入力方法に関する状況は一変しました。iPad では、タッチパネルが採用されています。タッチパネルは、以前から計装分野で使用されていて、新技術では有りませんが、2本指でのジェスチャを採用し使い勝手が改良されています。

ホームページ検索ならピンポイント位置決めが不要ですから、指に負担の掛かるマウスよりタッチパネルは好まれます。しかし、ピンポイント位置決めに、指先は太すぎますし、ドラッグを多用する用途では、指先が擦れてしまいます。机上以外の状況での入力機器と考えています。


ペンタブレット


機械製図に CAD が普及し始めた頃は、専用のペンタブレットで、パソコン CAD ではマウスになりました。マウスを移動する時のドラッグ距離の長いことに疲れを感じていました。今は、クリックとドラッグの負荷軽減のため、ペンタブレットを使用しています。

>キーボードとペンタブレット(販売終了品)
キーボードとペンタブレット(販売終了品)

ペンタブレット(市販品、2本指でのジェスチャ機能も搭載)
ペンタブレット(市販品、タッチ機能付きで、2本指ジェスチャも可能)

ピンポイント位置決めには細かな動きが必要で、マウスでは手が硬直し易くなります。デザイナーのグラフィック用途では、ペンタブレットが一般的ですが、そうでなくとも、キーボードのタイプ数よりマウスのクリック数が多い方には、ペンタブレットをお勧めします。但し、ペンでも1日のかなりの時間握っているわけですから、親指も疲れてきます。私は、クッションテープを巻いて絆創膏で止めたり、クッションリングをつけたりしています。


タブレット用ペン

尚、ペンタブレットでも、説明書に健康への注意事項が記載されています。



力を使わなくても、神経は同じ経路で働いている


40年以上前ですが、近くにお住まいの著名作家を、誘われて何人かでお訪ねしたとき、「軽い万年筆でも持つ手が震えて書くのに苦労している。」とお聞きしたことがあります。私も当時は万年筆を多用していましたが、万年筆でも震えるのか?と強く印象に残っています。多作の作家は、口述筆記も多いと聞きます。

負荷の少ない道具を使用しても、脳〜手の間の神経は働きますので、疲労は蓄積します。特定の指の筋肉に作業を集中させないため、道具を時々換えるなど、手の使い方の工夫が必要です。

私の場合は、ペンを持つのに疲れてきたら、マウスを使ったり左手でクリックしたりと、手の使い方を変えています。個人差は有りますが、計測結果から、約1万クリック/日が、一般的な疲労限界ではないかと思います。日々の積み重ねで、1日ではできない作業量も2日以上に分ければ、筋肉と神経が疲労回復できることは多いため、前倒しで、スタートすることが大切と思います。


次回は、肩こりなどの症状を軽くするため、私が試行している「磁石を使った健康法」をご紹介します。

ページトップへ