新川電機株式会社は、福岡市が民間事業者の先進的なアイデアやAI・IoTなどの革新的技術を活用して社会課題の解決などを促進するワンストップ窓口『mirai@』(ミライアット)による「業務効率化・市民サービス向上実証プロジェクト」で水道設備の保全業務の効率化を図る共同研究に参画することとなりましたのでお知らせいたします。

本件は、ワイヤレス振動センサ『e-SWiNS』を用いたIoT化による保全業務の効率化として、ポンプや電動機などの回転機器の傾向管理(見える化)を行い、振動法による閾値を設けて状態監視保全(CBM)を行います。
また、振動の周波数解析を行うことで軸受や構造体としての【故障の兆し】を確認し、予知保全につながることを検証するため福岡市水道局番托取水場において令和2年7月28日~令和3年3月31日の期間で実証を行うものです。

研究内容・実施方法

  1. ワイヤレス振動センサ『e-SWiNS』の活用
    2台の取水ポンプの各4ヶ所に振動センサを設置し、振動データ(振動振幅・振動周波数)取込みによる状態監視保全の有効性を検証。
  2. 周波数解析の実施
    振動センサから振動信号を取込み、振動振幅と振動周波数から傾向管理に有効なデータを自動取得。
    周波数解析による予知保全、故障要因の特定、劣化状態等の傾向管理を実証。

システム構成

水道局などでは送水ポンプなどを安全に稼働させるために定期的な点検やオーバーホールを実施しています。
しかし、稼働環境によって大多数のモータやポンプの劣化具合は異なることから時宜を捉えたメンテナンスの難しさが課題となっております。そこで、当社では、簡易に設置可能なワイヤレス振動センサ『e-SWiNS』を設置して、【故障の兆し】を捉えることで、設備の延命化とメンテナンスコストの削減を図ります。

新川電機株式会社は、これまでにタービン、電動機やポンプ等での振動監視・解析で多数の実績があります。その経験を生かして、安全な水の安定供給をできるよう取り組んでいます。

今回使用するe-SWiNS®(Smart Wireless Network Sensor)ワイヤレスデータ収集システムは、無線式センサのメリットでもある機器の配線費用など、監視設備用のコストを抑えられます。
また、建物内の障害物に通信性能が影響を受けにくい、そして、回転機械の異常診断には継続的な監視が必須。
そんな課題を解決するのが920MHz帯域を採用した『e-SWiNS』です。

e-SWiNS®の特長

  • 確かな監視システムの構築をサポート
    データ収集ソフトウェアで振動の傾向管理
  • 定期的に、自動的に機械の状態を監視
    オーバーオール振動値、周波数分析TOP5を伝送
  • 障害物の影響を受けにくい
    ワイヤレスでありながら優れた回析性
  • 追加取付け工事の負担低減
    ケーブル敷設工事費の削減

新川電機のCMS(Condition Monitoring System)について

~振動を究めることで、状態監視を究めて行く~

新川電機は振動解析・診断のスペシャリストです。
回転機械の振動を解析・診断することで安全操業を実現します。
プラント設備の心臓ともいえる回転機械。そこから発生する振動には、さまざまな重要情報が隠されています。
センサ・メーカとして長年、回転機械を見つめてきた新川電機では、この貴重なメッセージを独自の自社開発プログラムによって解析・診断。トラブル時の警報はもちろん、故障や異常兆候の早期検知や異常原因/部位を推定することで、修理や保全のスケジューリングをサポートします。新川電機のCMS(状態監視システム)は、お客様の設備投資、設備管理コスト、リスク管理への適切な判断をお手伝いし、安定・安全操業による経営の効率化を実現します。

世の中のあらゆるシーンを支える、新川電機のセンシング技術

社会の隅々にまで広がる新川電機。活躍するフィールドは、産業分野だけにとどまりません。
新幹線や宇宙へ飛び立つロケット、火力発電所などこの社会のインフラを支えるシーンにおいても、そのセンシング技術が貢献しています。