発電プラント、石油・石油化学、ガスプラントなどの安定稼働に重要な大規模から小規模の回転機械の状態を常時自動データ収集、監視、解析・診断するシステムです。

製品概要

あらゆる回転機械に対応し、安全操業と運転効率向上をサポートする振動解析診断システム

タービン発電機、コンプレッサ、モータ、ファンなどからの振動データを常時連続収集し、対象機械のベアリングの種類(転がり軸受、すべり軸受)に適した振動周波数解析、位相解析により回転機械の異常兆候の早期検知と異常現象の解析診断を行なうシステムです。

導入メリット

  • プラント運転の最適化でお客様の生産性と信頼性向上をサポートします。
  • 微細な振動の変化や特徴から異常兆候を検知。事前対策によって生産停止のリスクを低減します。
  • 精密診断によって、異常原因/部位の推定と内容の詳細な解析を実現。適切で効率的な保全をサポートします。
  • 熟練技術者からの技術継承も、ISO規格などにもとづく振動診断技術、分かりやすいグラフ表示による解析手法の習得によって可能です。

特長

  • 全ての回転機械に対応
    転がり軸受で支持された小形回転機械から、すべり軸受で支持された大型回転機械まで、すべてに対応しています。
  • 無線振動センサ入力にも対応
    昨今、保全のIoT化が進み、無線振動センサの導入が増加しています。当社製無線振動センサ(e-SWiNS)からの振動データも同じシステム内で監視、データ管理が可能です。
    ※920MHz帯無線式センシングシステム e-SWiNS(920MHz)の詳細はこちらからご参照ください。

    ※2.4GHz帯無線式センシングシステム e-SWiNS(ISA100)の詳細はこちらからご参照ください。

  • 高速かつ多様なシステム構成
    高速データ収集や他社製を含む各種状態監視モニタとの組合せが可能で、多様なシステム構成が構築できます。
  • ISO 18436-2 規格認証技術者が使用する高度なデータ解析ツール
    機械の種類や解析したい異常状態に合わせて、振動診断技術者の高度なニーズに応える豊富な解析グラフを展開できます。
  • ユーザーフレンドリーな操作性と描画機能
    ドラッグ&ドロップによるグラフ表示操作や、タブ選択によるグラフエリアのページ切り替えなど、直感的な操作ができます。
  • 当社リモートセンシングルームから遠隔監視サービス
    お客様のプラントに設置されたinfiSYS RV-200と当社リモートセンシングルルームをオンラインで結び、当社のリモート監視員がお客様の解析診断、レポートの作成など監視・保全業務をアシストします。(別途、ご契約によります。)
    ※infiSYS V-Assist 遠隔振動状態監視サービス(オンランサービス)の詳細はこちらからご参照ください。

システム構成図

基本システム

大型回転機械では位相基準と軸振動波形を取り込み、位相解析と周波数解析を行って、各種解析グラフとして表示します。また小型回転機械ではケーシングの加速度振動波形を取り込み、周波数解析をベースに各種解析グラフとして表示します。

大型回転機械で使用する場合のシステム構成例

主に軸振動センサで捕らえた振動波形を基に、定格回転における振動監視、異常解析やスタートアップ/シャットダウン時の軸の挙動解析を行います。

小型回転機械で使用する場合のシステム構成例

主に軸受け箱に設置した加速度センサで捕らえた振動を基に、オーバーオール振動だけでなく、ベアリング異常に起因する特徴周波数毎の振動値の傾向管理と異常診断を行います。

対象機器

  • 蒸気タービン
  • ガスタービン
  • 発電機
  • 給水ポンプ
  • ファン
  • ブロワ
  • コンプレッサ
  • BOP装置 など

データ表示例

ポーラ線図

機械のスタートアップ/シャットダウン時の振動ベクトルを表し、バランスの状態や振動状態・危険速度の把握ができます。
表示データ(切替表示):1X、2X 任意の過去データとの重ね書きも可能です。

ウォーターフォール図

奥行(Z軸)を時刻表示としてスペクトルを時系列に並べて表示した3Dグラフです。
時間変化に対応した周波数成分の変化とその全体像を解析することができます。
奥行(Z軸)を回転数としたカスケートグラフも表示可能で、回転数変化に対応した周波数成分の変化とその全体像を解析することもできます。

トレンドグラフ

横軸を時間軸として測定値や解析データの経時変化を時系列グラフに表示します。
表示データ(複数選択可):回転数、GAP、OA、0.5X振幅、0.5X位相、1X振幅、1X位相、2X振幅、2X位相、Not-1X振幅、nX1~nX4振幅および位相、SmaX振幅、各種警報設定値。

マシントレイン図

3Dでイラスト化された回転機械のイメージ上に回転数表示および測定点の位置と振動振幅値を表示します。

オービット&波形グラフ

X・Y各センサからの信号を合成し、回転中の軸心のダイナミックな振れ回り(軌跡)を表示します。
オービットの形状によりアンバランス、ミスアライメント、オイルホワールやオイルホイップなどの異常状態を推定できます。

ボード線図

横軸を回転数として振幅と位相を別々のグラフで表示します。機械のスタートアップ/シャットダウン時の振動状態・危険速度の把握ができます。
表示データ(切替表示):1X・2X 任意の過去データとの重ね書きも可能です。

異常解析事例

不つりあい振動

回転体の軸中心と回転中心のずれ、あるいは回転体を構成する部品の欠落(飛散)により、不つりあいが存在すると発生する振動です。この振動は、回転同期周波数成分(1X)の振動が発生し、時間的な振動値の変化は少なく再現性があるといった特徴があります。

S-Vグラフ
スペクトル

オイルホワール振動

すべり軸受で支持された回転機械特有の自励的な不安定振動で、すべり軸受の形状や油膜特性などの影響により発生します。この振動は、一次危険速度の2倍以下の回転数で発生し、回転同期の1/2倍周波数成分(0.5X)の振動が発生するといった特徴があります。

S-Vグラフ
スペクトル

ミスアライメント振動

被駆動側回転機械と駆動側回転機械の軸を連結した時に、それぞれの回転軸中心がずれると発生する振動です。この振動は、回転同期周波数成分(1X)の他に高調波数成分 (2X、3X)を含む振動が発生するといった特徴があります。

オービット&波形グラフ
スペクトル
オービット&波形グラフ
スペクトル

ロータ構成部品の欠損

ポーラ線図

回転体を構成する部品が飛散すると同時に不つりあい振動の状態が突然変化します。この時、回転同期周波数成分(1X)の振幅と位相角(振動ベクトル)が突然変化するといった特徴があります。

ユーザーフレンドリーな操作性

infiSYS RV-200は、専門知識の少ない方でも直感的に操作できるユーザーインターフェースを備えています。 導入後、特別なトレーニングなしで誰でもすぐに使えます。

ドラッグ&ドロップ

画面左のツリーから必要なグラフを好きな場所にプロット。

タイル表示

タイル表示された画面から、必要なグラフをすぐにピックアップ。任意の測定点が表示可能。

タブによるページ切り替え

任意のグラフ表示ページをタブで簡単切り替え、新ページ作成も容易。(最大20ページまで)

※DAQpod(登録第5442143号)、infiSYS(登録第5442144号)は新川電機株式会社の登録商標です。

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