2013/04/09 業界コラム 瀧本 孝治 振動解析と診断 vol.9 ~ 振動解析診断システムの紹介(4) ~ 新川電機株式会社 瀧本 孝治 マーケティング部 ST製品企画室...もっと見る マーケティング部 ST製品企画室 前回のドラッグ&ドロップ機能、グラフ表示切替タブ機能、タイル表示、複数パラメータの重ね描き等の説明に続き、今回もinfiSYS RV-200におけるその他の操作性と描画機能に関して説明したいと思います。 ユーザーフレンドリーな操作性と描画機能(つづき) ドラッグ&ドロップによるグラフ表示操作や、タブ選択によるグラフエリアのページ切り替えなど、直感的に操作可能 infiSYS RV-200は、各グラフに共通した分かりやすい操作性、選択したグラフのCSV形式によるデータエクスポートや画像データとしてクリップボードへの抽出など、多くの特長を有しています。これら全ての特長的な操作性や描画機能を紹介することはできませんが、前回に引き続き今回もいくつか具体例を挙げて「ユーザフレンドリーな操作性と描画機能」に関して説明します。 グラフのレンジと表示範囲の拡大縮小機能各グラフの縦軸のレンジと横軸の時間や回転数範囲の拡大、縮小はグラフウインドウ上のツールバーの上下矢印または左右矢印をクリックして、メニューの「拡大」「縮小」「自動」「手動」を選択することで変更できます。また、次で述べる「右クリックメニュー」から「プロパティ」を選択することでレンジを設定したり、「任意日時」で呼び出しデータの開始時刻と終了時刻を指定することができます。 更に、横軸の拡大、縮小をもっと簡単に感覚的に行う方法を図31に示します。 図31の(a)に示すように、グラフ上の任意の点から左クリックをしたままの状態でマウスを右にスライドさせます。そうすると、スライドした範囲に赤い線が現れ、左クリックを解除すると同時に、(b)に示すように赤い線の範囲を拡大して表示します。次に、(c)に示すように、左クリックしたままの状態でマウスを左にスライドすると青い線が現れ、適当なところで左クリックを解除すると、再び(a)のように元の表示範囲に戻ります。なお、(c)の左へのスライドする範囲(青い線の長さ)には関係なく元の表示範囲に戻ります。 図31. マウスのスライド範囲の拡大右クリックメニューグラフ上でマウスの右側をクリックすると、図32に示すようなメニューが現れますが、これを右クリックメニューと呼びます。 <時間選択>図32で示すように右クリックメニューの「時間選択」を選択すると、更に「トランジェント履歴」「警報履歴」「任意日時」というメニューが現れ、それぞれに対応したデータを呼び出してグラフに表示することができます。 図32. 右クリックメニュー<プロパティ>右クリックメニューの「プロパティ」を選択すると、図33に示すようなレンジ範囲や破線数を設定するためのプロパティ画面が現れます。これにより各パラメータのレンジ設定や、横軸(X軸)、縦軸(Y軸)の破線(目盛線)の本数を設定することができます。 プロパティ画面はグラフの種類によって変わります。 図33. トレンドグラフのプロパティ<クリップボードにコピー>右クリックメニューの「クリップボードにコピー」を選択すると、そのグラフの画像をクリップボードにコピーしますので、「ペイント」等の画像ソフトで呼び出して、名前を付けて保存したり、WORDやEXCEL等のソフトに貼り付けたりすることができます。 これにより、報告書に解析グラフを貼り付けたり、関係者にE-mailの添付ファイルとして画像を送ることができます。 <CVS出力>上記の「クリップボードにコピー」機能で、必要な解析グラフの画像を関係者に送ることができますが、画像だけでなく数値データもほしいという場合、右クリックメニューの「CSV出力」を選択することで、CSV形式のデータファイルとして名前を付けて保存することができます。 このファイルも上記の画像データと同様にE-mailに添付して関係者に送ることができますので、受け取ったファイルはEXCELで展開して、必要に応じて表やグラフにすることができます。 図34の「STrend_ロータキット起動停止テスト(CSV出力)」とい名前を付けたCSVファイルは、図32で示すトレンドグラフの「CSV出力」機能で抽出したファイルです。図35には、その「CSV出力」ファイルをEXCELに展開したものです。 図34. 「エクスポート」と「CSV出力」のデータファイル図35. 「CSV出力」ファイルをExcelに展開このデータは、右クリックメニューの「CSV出力」を選択する時にグラフ上に表示されているパラメータのみ抽出したものですので、画像ファイルでは煩雑になるので表示データを絞って「クリップボードにコピー」したとしても、グラフ(画像)に非表示だが数値データとしては抽出しておきたいパラメータがある場合、「CSV出力」実行の前にそのパラメータも選択して表示しておくことが必要です。 例えば、画像データでは振動振幅だけに注目して見てもらえるように、回転数とOA振幅と1X振幅のみ表示するが、数値データとしては、1X位相と0.5Xと2X振幅も抽出しておきたいという場合、「RPM」と「OA」と「1X」ボタンを押した状態にしてから「クリップボードにコピー」の操作を実施、その後さらに、「1Xφ」と「0.5X」と「2X」ボタンも押した状態にしてから「CSV出力」の操作を行う必要があります。 さて、上記の「クリップボードにコピー」機能と「CSV出力」機能を使って、例えば出張先の現場でKenjinにより収集した振動解析データを、画像とCSVファイルにして本社の専門家や機械メーカに送って、意見を聞いたり、ある程度の診断をしてもらうことができそうです。 しかし、これらの解析データを受け取った専門家は、「ここのレンジを変えてみたいのに」、「このエリアの時間軸を拡大したいのに」、「この時の別のパラメータもチェックしたいのに」、「この時の他の種類の解析グラフも見てみたいのに」「EXCELに展開できても、グラフにするのが面倒だなあ」、「EXCELでポーラ線図を描かせるのは・・・どうするの?・・・難しそう・・・」などとつぶやくかもしれません。 そこで次回は、そのつぶやきに応えてくれそうな「エクスポート」機能と「インポート」機能について解説する予定です。 本コラム関連製品 infiSYS RV-200infiSYS 3.0Kenjin この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 新川電機株式会社 瀧本 孝治さんのその他の記事 2024/07/09 業界コラム 回転機械の振動と状態監視 ( その 4 ) 2024/07/02 業界コラム 回転機械の振動と状態監視 ( その 3 ) 2024/06/25 業界コラム 回転機械の振動と状態監視 ( その 2 ) 2024/06/17 業界コラム 回転機械の振動と状態監視 ( その 1 ) 2024/02/14 業界コラム 渦電流式変位センサの原理と特徴 2023/11/07 業界コラム 渦電流式変位センサの原理と特徴 2014/09/09 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(13)バランス調整 / 不釣合い修正 2014/08/05 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(12)ハイスポットとヘビースポットの位相角 2014/07/08 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(11)振動ベクトルとポーラ線図 2014/05/13 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(10)同期サンプリングにおける設定 2014/04/08 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(9)非同期サンプリングにおける設定 2014/03/11 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(8)同期サンプリングと非同期サンプリング 2014/02/12 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(7)データ収集間隔 / データ保存間隔 2014/01/14 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(6)サンプリング周波数 2013/12/10 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(5)位相基準信号(フェーズマーカ) 2013/10/08 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(4)軸振動センサのX-Y取付けでできること 2013/09/03 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(3)軸振動センサのX-Y取付け 2013/08/06 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(2)ターゲット、システムケーブル長 2013/07/09 業界コラム 分かりにくい用語とその意味(1)非接触変位センサの精度に関する用語の意味 2013/06/11 業界コラム 振動解析と診断 vol.11 ~ ポータブル振動解析システムKenjin ~ 2013/05/14 業界コラム 振動解析と診断 vol.10 ~ 振動解析診断システムの紹介(5) ~ 2013/04/09 業界コラム 振動解析と診断 vol.9 ~ 振動解析診断システムの紹介(4) ~ 2013/03/12 業界コラム 振動解析と診断 vol.8 ~ 振動解析診断システムの紹介(3) ~ 2013/02/13 業界コラム 振動解析と診断 vol.7 ~ 振動解析診断システムの紹介(2) ~ 2013/01/16 業界コラム 振動解析と診断 vol.6 ~ 振動解析診断システムの紹介(1) ~ 2012/09/04 業界コラム 振動解析と診断 vol.5~ ロータキットによる異常発生時の解析事例(2)~ 2012/08/07 業界コラム 振動解析と診断 vol.4 ~ ロータキットによる異常発生時の解析事例(1)~ 2012/07/10 業界コラム 振動解析と診断 vol.3 ~ オービットとポーラ線図 ~ 2012/06/12 業界コラム 振動解析と診断 vol.2 ~ 解析グラフ ~ 2012/05/15 業界コラム 振動解析と診断 vol.1 ~ 振動解析の概要 ~ 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月