株式会社トクヤマ 生産技術部門 生産システムグループ リーダー

西村 昌浩

1987 年徳山曹達(現トクヤマ)入社。以来、徳山製造所(山...もっと見る 1987 年徳山曹達(現トクヤマ)入社。以来、徳山製造所(山口県周南市)に勤務。
計装、主に DCS 実務を担当してきた。近年は MES 領域の業務に軸足を移している。

株式会社トクヤマ様のご好意によるプロセスオートメーション(PA)の基本用語も前回が最終回でした。今月は「メルマガ連載を終えて」と題して、資料公開までの経緯や技術伝承の責務などについて執筆者に語っていただきました。

1)資料完成までの経緯

「Advanced control」についての説明を、一頁の資料としてまとめた時が、本企画のスタート地点となりました。この時に、たまたまアルファベットの Aから始まる用語であったことと、記述が丁度一頁程の分量であったことが、本企画への発案につながりました。本企画で念頭に置いたのは、初級者に対して表面的な通り一遍の説明ではなく、事の本質を焙り出して核心だけを手際よくしっかりと伝えられれば、ということでした。長文にしてしまっては初級者への適切な説明になりませんし、適度な説明を狙って一項目を一頁ずつに書き進めることにしました。

以来 15 年余の歳月が流れましたが、業務に忙しく(他の著作多数に忙しく?)執筆は遅々として進みませんでした。用語の選択からして相当にてこずりました。そうこうして時代が過ぎる内に、新たな基本用語が世の中に現れてきました。実際、当初予定していた用語から入れ替えたものも幾つか出てきました。例えば、Field bus、Soft senser があります。こんな調子では何時になっても仕上がりそうもありませんでした。

そんな中で、弊社内に PSE(プロセスシステムエンジニアリング)組織を発足する、との事態に直面することとなりました。PSE の取組を進めるに当り、メンバーの基礎知識習得が、まずは前提となります。そこで、本資料の執筆を進める優先順位が高まりました。ここに至り、本企画は漸くにして完成に漕ぎ着けることとなりました。

従いまして、公開資料といえども社内資料の書きっぷりを引きずっております。公開に際して一部には手を入れましたが、不適切な点が残ったかも、と一抹の不安を感じております。

2)技術伝承の責務

技術伝承は労力の掛かる取組です。王道や即効性のある特効薬もないでしょう。苦労の絶えることはありません。日々の OJT の積み重ねが効果的といわれますが、しかし OJT に頼るだけでは伝承の効率は上がらないように考えます。そんな中で、効果的な伝承につながるべく、どうしたものかとその一翼を担えるような手立てを考えておりました。先輩諸氏から受け継いで脈々と伝えるべき事、或いは時代の移り変わりと共に変化した事、それらを合わせて次の世代にしっかりと託す仕事は、今を生きる者の責務の一つでしょう。

そんな思い入れから、構想を暖めて「PA用語のABC」なる資料作成の企画に行き着いた訳です。

3)新川電機殿のご活躍

そして、本資料の存在がひょんなことから新川電機西中国支社の営業ご担当者の目に触れたことが、メルマガ連載での公開へとつながりました。西中国支社には、小職組織の営業担当部署があります。足繁く来訪され、また会話の端々から行間を読み取って、営業ネタを鋭く嗅ぎ取る営業マンを多数抱えていらっしゃいます。そんな営業マンが本資料の存在を掴む所となり、それがメルマガ事務局に伝わった、との経緯です。

このような社内外の経緯を経まして、本資料は公開の運びとなりました。メルマガ事務局の皆様には掲載に当って、公開における工夫を多数盛り込んで頂きました。その多大なるご尽力に対しまして、ここに厚く感謝の意を表します。

4)読者へのお願い

果てさて、当初の思惑のどれ程を達成出来ていることでありましょうか? 初級者への技術伝承に役立つ資料に果たして成り得ているでしょう? 或いは、メルマガ読者のご参考足り得ているのでしょうか? 本資料の公開にどれ程の価値や意義を伴うものか、著者自身としては計りかねている所です。読者の皆様から、ご感想やご意見を賜り、今後の糧にさせて戴ければと考えております。万が一、好評ということにでもなりましたら、新たな連載依頼が新川電機殿より舞い込むかも、と淡い期待を抱いている次第であります。

メルマガ読者の皆様には、今後ともご活用の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

以上。

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