2014/06/10 業界コラム 坂井 孝博 光ファイバセンシング と モニタリング 株式会社 渡辺製作所 センサ事業部 営業部 部長 坂井 孝博 (NPO法人 光ファイバセンシング振興協会 会員企業)...もっと見る (NPO法人 光ファイバセンシング振興協会 会員企業) 最近、日本ではトンネルの天井構造物、米国では橋梁構造物の崩落が起こり人命が失われています。それぞれの構造物は建設後50年以上の時間が経過しており、モニタリングを行いそれに対応した保守改修が適切に行われていればこれらの事故は防げたと言われています。 老朽化するインフラ経年変化に伴い老朽化が進むわけですが、老朽化の程度はそれぞれの個体の環境により大きく違い、建物、道路、橋梁、トンネルなどの個体のモニタリングが重要な課題として浮かび上がっています。これらのモニタリングを行うことによりこの様な惨事を引き起こす前兆を検知して、保守改修作業を行うことによりライフサイクルを延長する事やその見極めが可能であり注目されています。また、危険検知と言う領域では、水素・メタンをはじめとする防爆性が求められるガス検知の必要性も構造物の周辺環境にて存在しており、これも同様に議論されています。 光ファイバセンサが期待できる領域現在、光ファイバセンサとして製品開発が完了している、あるいは開発が行われている領域としては、温度、湿度、傾斜、加速度、変位、圧力、振動、雨量、水検知、ガス検知などがあり、電気系センシングシステムでは諸条件により適用が難しい環境に主に設置運用がなされています。優位性としては、長距離:センサと測定器との距離を長く出来る、無給電:レーザ光を利用するため電気は不要防爆性:電気不要のため本質完全防爆、多点計測:一つのファイバに複数の異なるセンサ接続可能、対ノイズ性:電磁波や落雷の影響を受けない、安定性:光ファイバは石英から出来ており経年変化に強いなどが挙げられます。 コンクリート構造物のひび割れ監視 金属構造物のひずみ・振動計測 費用対効果を考えてみるとモニタリングを行い、それに対応する保守改修を行って延ばせるライフサイクルとそれに必要な費用を比較する事も重要であり、安全安心も費用対効果での経済合理性が成立しないと確保するのが難しい現実があります。最近、ファイバセンシングシステムも技術革新と量産効果により価格が低下傾向にあり、それに伴い普及が期待されています。 センサネットワーク金属管表面の温度モニタリングTrillion Sensors 、Internet of Things などと言われ始め、センサ数が膨大に拡大し、それを運用する事により社会インフラの状況/状態がリアルタイムで把握出来ると言う事です。前述した様にファイバセンシングは電気センサでは運用環境の制約から使用不能な環境において優位性があり、想定されている環境としては、高磁場環境における温度測定、水中における長距離測定、地中における長距離測定、本質防爆が求められるガス検知、高放射線下における測定、高電気ノイズ下の測定等です。例えば、エネルギー源の多様化が叫ばれている昨今、水素エネルギーの製造、貯蔵、運搬時のモニタリングは危険検知の観点から重要です。また、燃料電池の温度測定も同様と考えて良いでしょう。 センサネットワーク自体はデータネットワーク全体のサブセットであり、エッジネットワークの一つです。従って、センサネットワークの冗長性、またアップリンクでのデータネットワークとの結合などもセンサシステムの計画時に考慮する必要が有ります。特に冗長性はコストと脆弱性低減とのトレードオフであり、設計方針の議論によるところです。実際の構造物ヘルスモニタリングにおけるセンサネットワークは、異なる方式のセンサネットワークを組み合わせ、冗長性などの向上に配慮して設計運用がなされています。 防災減災に向けて今後は、防災減災と言う社会的要求とそれに答えるセンサーネットワークの技術革新が進み、より高度な防災減災システムの構築運用が行われると思います。その中でファイバーセンシングの優位性が生かせる領域ではこの製品技術が多用される可能性が高いと思われます。 関連製品光ファイバセンシング測定器 温度センサ この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 株式会社 渡辺製作所 センサ事業部 営業部 部長 坂井 孝博さんのその他の記事 2014/06/10 業界コラム 光ファイバセンシング と モニタリング 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月