TIIS国内防爆検定を取得した本質安全防爆放射温度計です。
危険場所 Zone 0、1 及び 2(特別危険箇所、第一類危険箇所及び第二類危険箇所)で使用可能です。
耐圧防爆品、サーモパイル方式や補償導線を使用した防爆放射温度計などと異なり、4-20mA の計装ケーブルによるスケーリング、放射率設定などがアダプター経由でコンピュータから簡単に出来る点です。

TIIS国内防爆検定取得済 本質安全防爆形放射温度計 ExTempシリーズ
  • 危険場所 Zone 0、1 及び 2(特別危険箇所、第一類危険箇所及び第二類危険箇所)で使用可
  • 測定温度範囲:- 20℃ ~ + 1000℃(この範囲内で設定可)
  • 2 線式、4-20mA 出力(安価な計装ケーブル使用可)
  • 本質安全防爆絶縁バリヤと組み合わせ使用
  • オプション、PC とUSB(LCT設定器)による放射率、4-20mA スケーリングなど自由設定可
  • 過酷な環境に対応、316 ステンレス容器採用
  • 保護等級 IP65

Calex Electronics Limited(England)

本質安全防爆放射温度計と絶縁バリヤ(本安関連機器)の接続図

LCT:コンフィグレーション ( 設定 ) ユニット

放射温度計の設定について

オプションの USB アダプターと設定ソフトウェア(アダプターに付属)を使用して行えます。
USB アダプターは本質安全防爆機器として認証されていませんので、設定は安全場所側回路において行ってください。
設定するための条件として 4-20mA 回路に 220Ω 以上のインピーダンスが必要です。
設定項目は放射率、4-20mA スケーリング、平均化、ピーク値と谷値のホールド及び反射率です。

本質安全防爆 放射温度計の主な仕様

 電気仕様
 測定温度範囲  -20℃ ~ +1000℃
 出力信号  4-20mA
 精度  ± 1℃ 又は 1%、どちらか大きい方
 繰り返し精度  ± 0.5℃ 又は 0.5%、どちらか大きい方
 放射率設定範囲  0.20 ~ 1.0(工場出荷時の設定:0.95)
 放射率の設定方法  USB インターフェースにより設定可能
 測定波長  8 ~ 14μm
 電源  12 ~ 24VDC ± 5%
 最大消費電流  25mA
 機械及び環境仕様
 容器材質  ステンレス製 SUS316
 サイズ  Ф20 x 150mm
 取付方法  M20 x 1.5mm 、長さ 46mm 、2 本の固定ナット(付属)
 リード線  5m、10m 又は 25m から選択
 重さ  約 475g(5m リード線含む)
 容器の保護等級  IP65(NEMA4)
 精度保証の使用周囲温度  0℃~ +70℃(防爆認証上、使用周囲温度:-20 ~ +70℃)
 相対湿度  最大 95%(結露しないこと)

放射温度計による測定でどうして放射率が重要なのか

放射率とは
全ての物質表面からは赤外線が放射され、その赤外線エネルギー量はその温度と放射率に依存します。
物質表面温度を正確に測定するには、放射温度計が見ているエネルギーがその被測定対象物質自身の温度からのものであり、その表面の反射及び透過エネルギーではないことが重要です。(右図参照)

物質表面の放射率とは、その表面がいかに効率的に赤外エネルギーを放出するかの測定要素です。放射温度計による正確な温度測定には被測定対象物に適合した放射率の設定が大切です。(記)放射率表が公開されています。

透過性物質
大部分の物質は赤外放射エネルギーを透過伝達しないため、放射温度計が検出する全てのエネルギーは放射または反射によるものと考えられますが、赤外を透過する物質は例外です。

どのように放射率を設定するのか
Calex社の各種放射温度計の設定方法は機種ごとにことなります。

PyroMini パイロミニ型:タッチスクリーン、Modbus(モドバス)又はロータリスイッチにて。
PyroEpsilon パイロイプシロン型:4-20mA 信号で。
PyroUSB パイロ USB 型:USB 接続したコンピュータにて。
PyroBus パイロバス型:Modbus(モドバス)マスタから。
PyroSight パイロサイト E 型:2 つのロータリスイッチにて。

ExTemp 本質安全防爆形放射温度計では USB 接続したコンピュータから簡単に設定可能。

「放射率の違いによる物質」

高い放射率の物質
例:塗装された又は汚れた表面、食品、ゴム、厚いプラスチック、紙、接着材、アスファルトなど。
高い放射率の表面温度は、低コスト且つ容易に測定できます。反射による赤外エネルギーは僅かです。
(記)表面の色は放射率には通常影響しません。

最大 1000℃ まで:低価格の 8-14μm 波長の放射温度計、例えばCalex社の本質安全防爆形放射温度計、PyroCouple パイロカップル型又は PyroMini パイロミニ型で十分測定できます。短波長、2.2μm を使用した PyroUSB 2.2 パイロ USB 2.2 型でも 45℃ 以上であれば測定できます。

低放射率の物質
例:鉄と鉄鋼などのきれいな、鏡面性状の金属表面。
反射する表面は低放射率であり、温度を正確に測定するのはより難しくなります。放射率が分かっていれば短波長の放射温度計を使用して金属表面温度が測れます。

もし、その表面を塗装できれば、低コストの 8 ~ 14μm 波長の放射温度計でも測定が可能です。それができなければ、短波長の放射温度計である PyroUSB 2.2 パイロ USB 2.2 又はPyroMini 2.2 パイロミニ 2.2 型を使用します。いくつかの金属、特にアルミと銅の表面測定は非常に難しい対象物です。

透過性物質
例:薄い樹脂フィルム、シリコンなど。

薄い樹脂フィルム及びシリコンなどは赤外エネルギーの 大半の波長を通過させてしまいます。樹脂フィルム厚が 1-2mm より薄い場合、汎用の赤外放射温度計を使用すると透過した背景のエネルギーを検出することになるので注意が必要です。この場合、特別仕様の放射温度計が必要となります。

出典:GMIジャパン株式会社 技術資料 Calex社製品特徴「放射温度計による測定でどうして放射率が重要なのか」

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本質安全防爆 絶縁バリヤ DS5014S

工業用放射温度計製品ガイド