2015/04/07 業界コラム 松浦 謙一郎 現在の3Dプリンタの動向と未来 株式会社 ジェービーエム 関東支社 特需営業部 課長 松浦 謙一郎 工業工業高等学校向け冊子「工業教育」・「教育現場における3D...もっと見る 工業工業高等学校向け冊子「工業教育」・「教育現場における3Dプリンタに求められる性能」 2015年1月 第10回「紙メディア」シンポジウム 2014年2月28日 日本印刷学会 紙メティア研究委員会 印刷雑誌「未来へ進化する技術と企業 2次元から3次元へ 紙で作るフルカラー3Dプリンタ技術」 2014年1月15日 JGAS 日本印刷学界基調講演 「3Dプリンタの可能性」 2013年 ほか多数。 1年~2年ほど前に3Dプリンタが大きな話題となり、テレビを初めとしたメディアに登場しない日は無い、と言っても過言ではないブームのような盛り上がりをしたことは未だ記憶に新しいと思う。 展示会に出展すれば黒山の人だかり、「3Dプリンタ」という表題の入ったセミナーはいつも満席状態で、販売をしている立場の我々もどこに向かって行くのか困惑した覚えがある。 一過性のブームを終えた3Dプリンタ ??紙が材料のエムコア社IRISそれから間もなくブームは去り、メディアへの露出もほとんど無くなってしまったし、展示会等に出展をしてもおかしな言い方だが平穏な状況が1年近く続き、もしかすると一過性のブームでこのまま終わってしまうのではないかと不安さえ覚えた時期もあった。 この時のブームは業界内では3回目と言われていて、その前の2回は文字通りブームで終わってしまった過去もあっただけに、このまま収束してしまうのではないかと販売する側の人間として昨年末ぐらいまで一抹の不安を感じていた。 しかしながら年が変わって年度末を控えた最近になって、胎動と言った感じだが間違いのない確かな動きが出てきている。 問い合わせの件数や展示会等の集客数も増加しているが、何より問い合わせの中身の濃さがブームの時とは全く違う。 明確な使用目的を決め、それに合った製品はどれだろうか、また3Dプリンタの特性を理解した上で、このような応用はできないだろうかと言ったご相談がほとんどになってきた。 ものづくりに組み込まれた3Dプリンタ少し前に導入されたお客様は研究が目的であったり、学校等、具体的な事業に直結されていないケースも少なくなかったが、現在はきちんと物作りの一連の流れの中に組み込まれはじめている。 これは、ブームの時は3Dプリンタで作った物をそのまま販売する事を考え、従来品にそのまま置き換えようという考え方が多かったように思うが、現在は物を作り出すための流れの中のツールの一つとして使われ始めているからである。 それも、現在の3Dプリンタの生産性やコスト、どういった物を製作するのに向いているのかが理解され始めたからに他ならない。 以前行った講演でインターネットの発展に例えて3Dプリンタの立ち位置をご説明したりもしたが、10年~15年前にインターネットの恩恵を受けていた人は僅かであったが、現在は携帯電話や銀行等誰もが使う製品やインフラはインターネット無しには成り立たなくなっており、直接間接を意識せずにその恩恵を受けているのと同じように、3Dプリンタも少しずつではあるが、誰でも知らないうちにその恩恵を受けていくようになるのではないかと考えている。 お客様とお話しをしている中でも、「それは3Dプリンタで作ってしまえば良いのではないか」といった会話が取引先との間で普通に使われ始めているという話を聞くようになり、確実に実際の仕事の中に当たり前のツールとして市民権を得始めていることを感じる今日この頃である。 新しい発想が3Dプリンタの未来を創る現在の3Dプリンタは、確かに未だ「本物」を作るには生産性、品質、精度、強度、コスト等の様々な課題が残っているが、従来の物づくりの行程の中に溶け込み始めており、行程の短縮や効率化等に貢献し始めているのは間違いなく、結果として最終製品の生産性向上、コスト削減等の戦力として使い始められている。 物づくりだけでなく、GIS※、医療、芸術、デザイン、文化財保存、エンターテイメントや思いもよらない分野で新しい発想での使い方も次々と考案されており今までに無かったサービスや用途が生み出されている。 ※GIS:地理情報システム (geographic information system(s)) この2月には、国土交通省 国土地理院様でも弊社の製品を防災、災害発生時に使う立体地図を製作する為に正式採用いただいた。 今後は3Dプリンタの肝と言っても良いデータ作りの新しいツールも次々と考案されてきており、写真感覚で3Dデータを一般の人が作る、入手できるようになるのも時間の問題である。 3Dプリンタ自体もこれから益々進化し「本物」を作れる製品の登場もそんなに時間はかからないのではないかと考える。 以上のように現在の3Dプリンタは未だ過渡期にあり色々な意味で未成熟なのは否めないが、発展する為のインフラはすでに一定の完成をしており、インターネットが我々の生活に溶け込むのにかかった時間よりはるかに速く3Dプリンタが生活の中で当たり前の存在になるのもそんなに遠い未来の話ではないのではないだろうか。 関連資料紙ベースの3Dプリントが優れている10の理由(2015年4月16日)Mcor IRIS Case Studies No-01 (2015年2月19日 JBM特需営業部翻訳)Mcor Press Release No.003 (2014年10月8日 JBM特需営業部翻訳)Mcor Press Release No.002 (2014年1月20日 JBM特需営業部翻訳) この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 株式会社 ジェービーエム 関東支社 特需営業部 課長 松浦 謙一郎さんのその他の記事 2015/04/07 業界コラム 現在の3Dプリンタの動向と未来 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月