2016/04/05 業界コラム 早川 美由紀 どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.2 株式会社 真経営 代表取締役 女性活用コンサルタント 早川 美由紀 <保有資格> 中小企業診断士/キャリアカウンセ...もっと見る <保有資格> 中小企業診断士/キャリアカウンセラー(CDA)/ワークライフバランス加盟コンサルタント 女性社員の意欲と能力の開発、上司である男性管理職のマネジメントスキルの開発、人それぞれの持ち味を活かす風土づくりをサポートしている。 化学品メーカーのライオンにて、営業・販促企画・人事を経て、妊娠 8 か月の時に中小企業診断士を取得し、独立。2007 年(株)真経営設立。 人材・組織課題で関わった企業は 300 社超。その中で女性の能力を活かしきれない会社、仕事か家庭かに悩み可能性を閉ざしてしまう女性社員、女性社員のマネジメントに戸惑う男性管理職を多数目の当たりにし、会社・女性社員・男性社員の三方よしへのサポートを始める。女性社員活用をトリガーに、誰もが持てる力を発揮でき、過去のやり方や価値観に縛られないイノベーティブな会社を増やしていくことを目指して奔走中。 今回は女性部下のマネジメントについて、何かのヒントになれば幸いです。 では、ご質問を 1 つさせてください。 お友達のご夫婦に、男の子の赤ちゃんが誕生しました。お祝いにベビー服をプレゼントしようと考えています。何色のベビー服をイメージしますか? ここで、「ピンク」とお答えいただいた方は、とてもすごいです。 私は、男の子のお祝いにピンクのベビー服を贈る勇気がありません。 「早川さん、女の子と間違えてるのかしら?」とか 「早川さん、センスがちょっと変かも・・・・」とか思われ、せっかく贈った服を着てもらえない可能性を考えてしまうからです。 知らず知らずのうちに、男の子は青や緑、女の子はピンクや赤という常識のようなものを持っています。 赤ちゃんがもう少し大きくなったら、保育園や幼稚園で、「男なのに、ピンク着てるー!」とか他のお友達からも指摘を受けるかもしれませんね。 私達は無意識のうちに、ジェンダー(社会的につくられる性別)に影響されています。「男らしさ」「女らしさ」のイメージがどう振る舞うべきかを決めていることが多いです。それから逸れると、親から注意をうけたり、周りから指摘されたりすることもあり、従って生きるほうが実は楽なんです。 「男のくせに」とか「女なんだから」とか言われたご経験はありませんか? 私は「女のくせに気が強い」、「女のわりに大食い」なんて言われます(笑) 男性が「男らしさ」から逸れると、女性以上に周囲の目は厳しくて、「女々しい」(歌も流行りましたが・・・)、「女の腐ったの」という言葉すら存在します。 ジェンダー 「女らしさ」・「男らしさ」ところで、男性上司が女性部下のマネジメントが難しいとする理由を脳科学の視点から解き明かす説もあります。男性脳・女性脳といわれるようなものですね。 脳の構造の違いの影響は少なからずあるかもしれません。 ただ、それだけではなく、ジェンダーといわれる社会的に期待される役割から、無意識にとるべき行動を規定されてしまっていることの方が女性の言動に大きな影響があるのではないかと思っています。「女らしさ」「男らしさ」のイメージや思い込みは、社会にまだ根強く残っているように感じます。 ちなみに、トイザらスの日本のホームページは男の子用と女の子用に別々のページが用意されています。 スウェーデンではそんなことしたら、クレームが発生するそうで、ページの構造が異なります。ジェンダーに対する文化の違いが興味深いです。 また、日本ではリケジョ(理系女子)が少ない傾向にあります。これは持って生まれた能力差の問題ではなく、「女の子は文系」というイメージや思い込みが強く、理系の勉強に触れる機会や動機づけの機会が男子より少ない結果ではないかと言われており、政府も理系女性の育成に取り組んでいます。 「女らしさ」「男らしさ」で区別するのは便利なことも多いですが、 そのようなイメージや思い込みが、その人のせっかく持っている可能性を開発・発揮しそこなうことはとても残念なことです。 ジェンダーを超えたマネジメント私自身、今は論理的に戦略的に考えることでお金をいただいていますが、 今の私に結びつくには、自分の殻を打ち破るきっかけがありました。 もともと学生の頃は、「女の子が理屈をこねたり、計算高いのはかわいげない」 という雰囲気をなんとなく感じ取っていました。その結果として、愛嬌第一! 言われたことはあまり深く考えず素直にやるという行動パターンでした。 社会に出てから、4 年程たった頃の 20 代半ば。ついにこの行動パターンだけでは生きていけないという現実に直面しました。人事部に異動となり、企画の仕事を中心に任されることになったからです。 全く企画が上司に通りません。今まで物事を論理的に、また深く考えたことのない私は何度も何度も書き直すという日々を送りました。 そして、報連相の度に「なぜ?」「目的は?」「他は検討したのか?」と突っ込まれまくりました。当時は心が折れそうでしたが、それでも任せ続けてくれた上司には、今思うと感謝しかありません。ここで、自分の未開発の部分に気づき、作業ではなく、仕事をすることを覚えました。この経験が、後に中小企業診断士をとることに繋がっていきます。 男女問わず、若いうちに成功・失敗含めいろいろな経験を積むことが、後の大きな成長につながっていきます。特に女性の場合、結婚や出産というライフイベントに影響を受ける前の 20 代にどれだけ今までの自分のパターンを破れる経験ができるかで将来が変わるといっても過言ではないと思います。 体験してはじめて、その仕事の面白みややりがいを知り、仕事に対する意識が変わっていくケースはいくらでもあります。 女性は、「女性らしく」や「女性ならでは」で仕事をすることを周囲から期待されることが多くあります。 「女性らしさ」=「優しさ」「きめ細かい丁寧さ」です。 男性よりも女性の方が、優しくきめ細かい人が多いのかもしれませんが、会社や上司がそのような枠組みだけで仕事のアサインや評価をしてしまうと、それ以外の力を開発・発揮しそこなってしまう恐れがあります。 女性でも、大胆で全体を見ることが出来る人もいますし、男性でも気が利き、細部に強い人はたくさんいます。また、ジェンダーを超えた役割を周囲から期待されることで大化けするケースも少なくありません。ジェンダーのイメージに縛られるのではなく、ひとりひとりの持っている強みを見据えて場を与える、評価するマネジメントが今後は更に必要とされます。 次回は、コミュニケーションについて書かせていただきたいと思います。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 株式会社 真経営 代表取締役 女性活用コンサルタント 早川 美由紀さんのその他の記事 2016/05/11 業界コラム どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.3 2016/04/05 業界コラム どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.2 2016/03/08 業界コラム どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.1 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月