2016/03/08 業界コラム 早川 美由紀 どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.1 株式会社 真経営 代表取締役 女性活用コンサルタント 早川 美由紀 <保有資格> 中小企業診断士/キャリアカウンセ...もっと見る <保有資格> 中小企業診断士/キャリアカウンセラー(CDA)/ワークライフバランス加盟コンサルタント 女性社員の意欲と能力の開発、上司である男性管理職のマネジメントスキルの開発、人それぞれの持ち味を活かす風土づくりをサポートしている。 化学品メーカーのライオンにて、営業・販促企画・人事を経て、妊娠 8 か月の時に中小企業診断士を取得し、独立。2007 年(株)真経営設立。 人材・組織課題で関わった企業は 300 社超。その中で女性の能力を活かしきれない会社、仕事か家庭かに悩み可能性を閉ざしてしまう女性社員、女性社員のマネジメントに戸惑う男性管理職を多数目の当たりにし、会社・女性社員・男性社員の三方よしへのサポートを始める。女性社員活用をトリガーに、誰もが持てる力を発揮でき、過去のやり方や価値観に縛られないイノベーティブな会社を増やしていくことを目指して奔走中。 今年の 4 月から女性活躍推進法が施行されますが、ますます女性活躍支援の機運が盛り上がっていくように思われます。皆様の会社では、施行に向けご準備は順調でしょうか? なんだか盛り上がってはいるものの、どうすりゃいいの? とそれぞれの立場で思われている方々も多く、何かのヒントになれば幸いです。 私は、女性活躍推進のご支援をさせていただいておりますが、これまで、企業様向けに人材育成のお手伝いをしていく中での以下のような経験が、ご支援を始めるきっかけとなっています。 管理職研修で企業様にうかがうと、会場はだいたい黒かグレー。「今日は女性はどこにいるかな??」と探すことも少なくはありませんでした。業種によって多少の差はありますが、女性が会社の意思決定の場にはなかなか参加できていない現実です。構成人数の 30% を少数派が占めると意思決定に影響を及ぼすと言われていますが、多くの会社は自ら変化するきっかけを創れきれずにいます。 また、男性管理職の方々からも女性部下についての指導や処遇の悩みをうかがうことが多くありました。現場ではマネジメントやコミュニケーションの問題を抱えています。 一方、女性社員の方々の話をうかがっていると、優秀な人 = 出産などで辞めずに頑張る とは限らないということが分かってきました。これは、働き方や評価、組織風土、キャリア設計の問題につながっています。 会社も男性管理職も女性社員も、三方よしとなるために、絡まる問題を断ち切れないかと思ったのと同時に、女性活躍をトリガーに諸問題を解決しながら、より強い会社創りをご支援したいと思ったのがきっかけです。 女性活躍推進の背景 ~日本の状況~少子高齢化と言われて久しいですが、日本にとって、とりわけ深刻なのが労働力人口の減少です。 アベノミクスの「新 3 本の矢」の中でも、その背景として、労働政策(女性、若者、高齢者の労働市場参加の実現)と子育て支援政策を同時に取り組まなければ、中長期的な経済発展を支える労働力の確保が困難になると言われています(2014 年の労働力人口 6,587 万人に対して、2050 年には 4,228 万人になると予想)。 特に、就業を希望しながらも働いていない女性は約 300 万人に上ります。第 1 子出産を機に約 6 割の女性が離職するなど出産・育児を理由に離職する女性は依然として多い状況です。また、再就職した場合、非正規雇用者となることが多く、女性雇用者の約 6 割を非正規雇用者が占めています。 そんな中、ここ 10 年ほどで、大企業を中心に育児休暇や時短勤務などの制度の整備が進み、女性社員の離職率が改善した企業が数多くみられます。その一方で、会社の過剰な配慮のもと、責任ある業務から遠ざかることで、昇進を望まず細く長く働こうとする女性の意識を創ってしまっている現状もあります。 このように日本の多くの企業で、女性にとっての「働きやすさ」を高めることから、「働きがい」をいかに高めるか、持っている力をどれだけ発揮させられるかに今後の重要な課題がシフトしています。 特に、管理的立場にある女性の割合は約 11% で、前述の 30% を少数派が占めると意思決定に影響を及ぼすというレベルからは大きな乖離が見られ、ここ数年で政府・企業が本気で取り組むべき課題になっています。 今年 4 月から女性活躍推進法が施行されます。常時雇用の労働者 301 人以上の企業は、女性の活躍に関する状況把握と課題分析、行動計画の策定・届出等が義務付けられています。 常時雇用の労働者が 300 人以下の事業主については現在のところ努力義務となっていて、積極的な推進が望まれています(ゆくゆくは義務付けとなっていくと思われます)。 女性活躍推進はいい迷惑?!会社として女性活躍があまり進んでいなくても、社員の方々に訊いてみると、「うちは既に女性が活躍している」という場合もが少なくありません。 「女性活躍は女性の問題」「子供がいないから関係ない」「別に活躍したくない」などという声もよくあります。 つまり、『わたしは関係ない! 特に問題なし!』そんな中でいろいろな施策や課題が自分の身に降ってきたら、本当にいい迷惑な感じですね。 しかし、女性活躍推進で取り上げられる、例えば、働き方の問題は、ミドル社員の介護離職やメンタル不全へとつながっていたり、職場のコミュニケーション不全は若手社員の退職や職場全体の生産性ダウンにつながっています。本当は皆、当事者です。 さて、皆様の会社では、以下 3 つは明確ですか? どんな組織を目指すのか?(ビジョン) 女性活躍推進になぜ取り組むのか?(目的) いつまでに何をどれのレベルまで達成するのか?(目標) 目標数字だけを追いかけるのではなく、推進の納得感と当事者意識をもてることが大切です。女性活躍推進の本質は、未来に向け会社が勝ち残るための「全員活躍推進」だからです。 次回は、変化を求められる現場のマネジメントについて触れて参りたいと思います。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 株式会社 真経営 代表取締役 女性活用コンサルタント 早川 美由紀さんのその他の記事 2016/05/11 業界コラム どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.3 2016/04/05 業界コラム どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.2 2016/03/08 業界コラム どうする? 女性活躍推進 ~ 女性活躍推進はいい迷惑?! No.1 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月