2018/03/06 業界コラム 吉田 健司 「学び直し経営塾、塾長のつぶやき」 No.3 「経営学」の真髄とイノベーションを求めて 株式会社 ビット89 代表取締役 学び直しの経営塾「寺子屋カレッジ」 塾長 吉田 健司 株式会社ビット89 代表取締役 http://www.bit...もっと見る 株式会社ビット89 代表取締役 http://www.bit89.co.jp 学び直しの経営塾「寺子屋カレッジ」 塾長 http://www.terakare.com/ 1975年 旭化成株式会社 入社 主に、経営企画部門に従事。 1989年 株式会社ビット89設立 リサーチ、研修セミナー、コンサルティングを柱とした「社外経営企画室」事業を展開。 2010〜2015年 淑徳大学(経営学部)および大学院 教授 経営学関連の講義の他、学部・大学院のゼミ生の卒論・修論指導を担当。 早稲田大学 大学院理工学研究科 工学修士 米国イリノイ大学 経営大学院 MBA取得 本コラムも今回で最終回。そこでこれまでの 2 回分を振り返ってみよう。まず 1 回目では『リカレント教育(学び直し)と生き物としての「経営学」』というテーマを取扱い、主に社会人のリカレント教育への取り組み状況について国際比較を行いながら、社会で求められる技能・職種構造の変化や人生 100 年時代に対応した再学習あるいは “学び直し” の重要性を強調した。グローバル化の進展、インターネットによる情報通信環境の高度化、また AI(人工知能)の発展によって失業が懸念される職業などが報道されている。さらに世界で初めて超高齢化社会を迎え、新しいライフスタイルを模索するようになってきた今日の日本にとって、“学び直し” への個人・社会の取り組みは、喫緊の課題ではなかろうか。 そして第 2 回目では『「経営学」の学び方とリベラル・アーツ教育の重要性』をテーマに、すぐに役立ちそうな「専門コア科目」だけでなく、その背景・土台となる「周辺教養科目」の重要性を強調した。MBA に代表されるような、理論・技術重視の経営学である「専門コア科目」に対して、文化人類学や “自利利他” に代表されるような仏教倫理学などを扱うのが「周辺教養科目」としてのリベラル・アーツ教育である。これは即効性の高い「西洋医学」に対して、患者の自然治癒力を引き出しながらジワリと効いてくる「東洋医学」のような関係ではなかろうか。 今回は上記の 1 回目、2 回目を踏まえて、私なりの結論として開講した “学び直しの経営塾”【寺子屋カレッジ】についてその概要をご紹介したい。これは “あるべき経営学の学び方” あるいは “ネット時代に求められる温故知新的な経営人材の教育スタイル” としての提言と、ご理解いただければ幸甚である。 「学び直し経営塾」を開講するにあたり、「洋式経営スキル(MBA 理論)」、「和式経営マインド(道徳・品格)」、そして「情報鮮度(経営環境変化)」を講座の座標軸とした。そしてこの経営塾は、アタマとココロの両面を兼ね備えた、いわば和洋折衷型の進化系経営学である「あんパン経営学」と、最新ビジネス情報から時代の潮流変化の “目” を養う「時事ネタ経営学」の 2 講座で構成されている(参照:図表 1)。これは「経営学」に必要な「MBA 理論分野」「現場実践分野」そして「ビジネス最新情報分野」という 3 つの領域をカバーしているとも言える(参照:図表 2)。 図表 1.「学び直し経営塾」の座標軸と 2 つの講座図表 2.「経営学」に必要な 3 つの分野(側面)「時事ネタ経営学」では、最新のビジネスニュース(新聞・雑誌記事、WEB 情報、テレビ・ラジオ情報、学会・文献情報等)から生き物としての経営学の有用性や楽しさを学び、時代の流れを察知することが狙い。経営の舵取りには 3 つの目が必要と言われる。すなわち全体を俯瞰する「鳥の目」、現場を観察する「虫の目」、将来を予測する「魚の目」である。通常の仕事場では「虫の目」を磨いているので、ここでは特に「鳥の目」と「魚の目」を養うことに主眼を置いている。 次に「あんパン経営学」では、経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報・全体の視点から経営学の重要構成要素として主要 10 科目に絞り、各科目のエッセンスを経営スキル(MBA 理論他)と経営マインド(道徳・品格等)の両面から学ぶことが狙い。すなわち経営トップには 2 つの頭脳が必要であり、経営理論等のアタマを磨く「理性脳」と、経営倫理等のココロを磨く「感性脳」の修得に主眼を置いている。あるいはロゴス(理性)とパトス(感性)を融合したエトス(信頼)的な経営学かも知れない。 この「時事ネタ経営学」と「あんパン経営学」の両講座についての特徴を、クルマの運転にたとえてみたい。前者は、天気予報やカーナビ等の最新情報から現状と将来の環境変化を知ることで、目的地まで安全に着けることが主眼。後者は、効率性を追い求めた運転テクニックだけでなく、周囲への気配りを考慮した運転マナーも身に付けて、プロとしてのドライバー能力を学び、目的地まで安全に快適に運転していくことが主眼(参照:図表 3)。 さらにこの「時事ネタ経営学」と「あんパン経営学」の関係は、相互に影響し合うような、マトリックス関係にある(参照:図表 4)。 図表 3.経営をクルマの運転にたとえると‥‥図表 4.「時事ネタ経営学」と「あんパン経営学」の関係以上 3 回に渡ってご清覧いただきましたことに感謝し、学び直しの経営塾【寺子屋カレッジ】が「世のため、人のため」に少しでも貢献できることを願うばかりである。 最後に、インド独立の父であるマハトマ・ガンジー氏の言葉をご紹介しよう。 Live as if you were to die tomorrow.(明日、死ぬかのように生きなさい。) Learn as if you were to live forever.(永遠に生きるかのように学びなさい。) この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 株式会社 ビット89 代表取締役 学び直しの経営塾「寺子屋カレッジ」 塾長 吉田 健司さんのその他の記事 2018/03/06 業界コラム 「学び直し経営塾、塾長のつぶやき」 No.3 「経営学」の真髄とイノベーションを求めて 2018/02/06 業界コラム 「学び直し経営塾、塾長のつぶやき」 No.2 「経営学」の学び方とリベラル・アーツ教育の重要性 2018/01/10 業界コラム 「学び直し経営塾、塾長のつぶやき」 No.1 リカレント教育(学び直し)と生き物としての「経営学」 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月