2010/08/03 業界コラム 宋 欣光 超小型SCADA製品UnityBoyについて No.1 新川電機株式会社 ソリューション本部 宋 欣光 SI部担当部...もっと見る SI部担当部 SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)は、ご存知のように産業制御システムの一種で、コンピュータによるシステム監視とプロセス制御を行うものです。歴史はすでに50年以上経ちましたが、安価なPCベースのものが出たのは1980年代のようで、現在代表的なパッケージ化されたSCADA製品には、米GE Fanuc社に買収されたIntellution社のiFIX、Wonderware社のInTouchとRockwell AutomationのRSViewなどがあります。これらの製品だけで全世界市場のおよそ50%のシェアを占めているようです。また、上記のような集中的、中・大規模システム向けの製品以外に、扱っているI/O点数が割と少ない、又は分散されているシステム監視用の小型SCADA製品もあり、弊社のUnityBoyがこのカテゴリに入っています。 UnityBoyの誕生UnityBoy G2UnityBoyの誕生は約10年前の2001年頃でした。当初のハードウェアは16MBのメモリしかなく、CPUも省電力タイプのSH3を搭載し、全体的な消費電力がわずか3W程度でした。その後、顧客側の多様なニーズに対応するため、性能をアップした二代目の製品UnityBoyG2は2006年8月に市場へ投入しました。さらにハードウェアの進化に伴って性能が強化され、近々開発完了を予定している三代目のUnityBoyがますます顧客の遠隔監視システムに活躍できると期待しています。 導入事例のご紹介UnityBoyの初期導入事例には、名古屋市に設置され、石油代替エネルギーである天然ガスを利用する車に天然ガスを補給するエコステーションの遠隔監視システムがあります。ほかに、水処理,河川水位監視,自動車メーカ中の製造看板表示システムなどにも展開されています。特に、LNGサテライト基地設備の遠隔監視システムの展開が続く中、各分散拠点のデータをセンターに統合し、センター側のエンタープライズアプリケーションと連動するようなものもありました。 UnityBoyはI/O信号を直接入力できるインターフェースを持たない構成となっています。そこにはいくつかの理由があります。 まず、UnityBoyのハードウェア依存要素を少なくすることです。もう一つは、製品開発周期を短縮し、開発コストを抑えることです。 この構成で、UnityBoyが速いペースでハードウェアの進化に追いかけ、早い段階で顧客にもっとよい機能や性能を提供できるようになります。また、この構成により、UnityBoyで監視システムを構築するには、PLCやリモートI/Oなどの機器を介して行い、これらの機器との通信ドライバが必須となります。現在、弊社がすでに対応している十数種類の機器ドライバを標準品として、UnityBoyと一緒に無償提供しております。また、UnityBoy一台で複数異種のPLCなどと同時通信できるほか、最大8台500点まで横河電機製FA-M3、又は三菱電機製MELSEC-A、Q PLCと同時通信ドライバや、最近の動向として「エコ」関連の省エネ用エネルギー監視システムの引き合いが増えている中、電力計のような装置からデータ収集ドライバも用意しました。 高汎用性、素からのHMIのWEB対応機能画面表示例UnityBoyのHMI(Human-Machine Interface)の機能について少し説明したいところがあります。UnityBoyが誕生した頃、SCADA分野の数多くの顧客がインターネットに対して保守的な態度を取っていたため、導入時の説得には色々時間が掛かりましたが、10年後の今、インターネット対応の製品が日常生活環境の中に溢れ、インターネットのない環境での生活や仕事はもはや考えられないようになっています。 更に、人々がモバイル機器(携帯電話、iPhoneのようなスマートフォンとPDAなど)のHMIを利用し、設備や機器の遠隔監視又は操作もやるようになってきました。言うまでもなく、Web対応のHMIの最大利点は利用の便利さだと言えます。 従来のSCADAのHMIを利用するには、特別なソフトを監視用のPCにインストールする必要があります。ほかのPCを利用すれば、別途ライセンスを購入し、そこにも専用ソフトをいれなければなりません。それと対照にWebベースのHMIなら、監視する人がどこに行っても、どのPCを使っても、ブラウザさえあれば、現場状況を示す画面が見えますし、複数の関係者がリアルタイムに同じ画面を見ることもできます。また、 一箇所の画面修正ですべての関係者の画面更新ができるため、運用・保守コストの削減にも繋がりますため、Web対応と謳っているSCADA製品もどんどん増えているようです。ちなみにUnityBoyで複数オペレーターから監視画面への同時アクセスや操作は追加ライセンス料金が不要なので、顧客にとっては非常にお得です。 ただ、SCADAで組込系のWeb対応のアプリケーションを開発するには、通常組込系のOSを理解する必要がありますし、開発エンジニアに対するCやJava言語技術、更にインターネット関連技術の要求が高く、検収期間も比較的長いため、結局システムの高コストの開発体質が変わらないようです。そのため、単にシステムのハードウェアの値段で導入するかどうかを判断するのではなく、ほかに開発ツールによって開発効率がどの程度高められるか、機能追加やアクセス数の追加コストがどの程度であるか、保守などを遠隔で簡単にできるかなどコスト要素を総合的に評価する必要があると思われます。 次回のメールマガジンでは、UnityBoyがどのようにシステムのトータルコストを削減できるかについて説明させていただきたいと思います。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 新川電機株式会社 ソリューション本部 宋 欣光さんのその他の記事 2012/11/06 業界コラム TracSYSでGISをより現実・より手軽に顧客の手に 2010/11/09 業界コラム 超小型SCADA製品UnityBoyについて No.4 2010/10/05 業界コラム 超小型SCADA製品UnityBoyについて No.3 2010/09/07 業界コラム 超小型SCADA製品UnityBoyについて No.2 2010/08/03 業界コラム 超小型SCADA製品UnityBoyについて No.1 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月