肉体的な負担を減らし、作業効率を向上できないかという想いから商品化した電動式のマイクロピペットです。
電動式マイクロピペットは便利だが重く疲れやすい、設定が面倒、高すぎるといった課題を解決しました。
「質量(mg)」という同じ単位で使用することができるようになったことから、密度計算をする必要がなくなり、「液体」と「固体の試料」の混合作業が容易になるなど多くの特徴があります。

概要

  1. 電動ピペットの修理で最も多いのは、落下による液晶ディスプレイの破損です。電動ピペットMPAシリーズは、ヘッドまわりに対衝撃アダプタを装備することで、液晶ディスプレイ本体を落下させてしまった時、破損しにくい構造になっています。
  2. 電動ピペットMPAシリーズの液晶ディスプレイは、直感的にコマンドの操作をできるボタン配置です。
  3. 付属のUSBケーブルによる100V充電が可能です。充電中でも使用可能です。
  4. 電動ピペットでの連続作業時の疲労感を低減するため、本体のグリップ部は握り易さを追求し、薄く長いフィンガーフックは、ボタン操作を妨げず、落としにくい形状になっています。また、吸引・排出ボタンは親指ではなく、人差し指の位置に配置することでより疲労を緩和します。
    更に重量感の解決のために手で握った軸を中心に来るようにし、電動ピペット本体の重心を可能な限り下げたことで、実際に手に取った時に疲労感を低減します。
  5. 適用するチップの種類によって色分けできます。
  6. ロアパーツはオートクレーブ滅菌が可能です。

電動式ピペットのメリット

  • 【操作ボタンが軽い】
    長時間に及ぶボタン操作による腱鞘炎の問題を解消できます。
  • 【正確な容量排出量】
    操作者の熟練度に左右されにくく、より高い精度を求める事ができます。
  • 【シンプルな機能設計】
    通常の分注のほか、連続分注、ミキシングなどの追加機能があります。

電動ピペット MPAシリーズの特徴

ユーザーキャリブレーション機能により、いつでも正確な容量の注入が可能

マイクロピペットを使うにあたって重要なことは、“いかに正確な容量の液体を吸引・排出できるか” です。
従来のマイクロピペットの場合、この精度確認を行っても、校正が出来ないものや、校正が出来ても、密度計算を しながら行う/調整してチェック~微調整してまたチェックを繰り返す必要があるなど、非常に手間がかかる、 という問題がありました。
本商品は数値がずれていた場合、その補正値を直接入力するだけで簡単に修正(校正)ができます。

質量(mg)モードにより、「液体」と「固体の試料」の混合作業が容易

マイクロピペット利用のケースとして、液体と液体の混合だけでなく液体と固体を混合する場合があります。
この場合、液体は μL、試料は mg と単位が異なる為、従来は密度計算※1による比率を算出しなければなりませんでした。
本商品には日本初の質量モード機能を採用し、質量という同じ単位で使用することで、この密度計算をする必要が無くなり、環境温度を常に気にしたり、温度変化がおきる度に計算をし直す等の手間から解放されます。

使用者の目線でデザインした形状

研究員は日々何度もピペットを利用するため、手動式ピペットユーザーの中には腱鞘炎になる方もいます。また、従来の電動式ピペットは持った際に重く感じるものが多く、長時間使用した場合、疲労が溜まってしまう点で大きな負担となっていました。
そこで本商品は疲労感・重量感の低減を徹底的に追及。グリップ部の握りやすさはもちろんのこと、吸引・排出ボタンを親指ではなく、人差し指の位置に配置しました。また、重量感の解決のため重心の位置に着目。可能な限り重心を下げることで、実際に手に取った時に「軽い」と感じられるような設計にしました。

手動式ピペットユーザーフレンドリーな価格

マニュアルピペット相当の購入しやすい定価設定を実現しました。

※1. 密度計算:試料と液体の混合作業時に必要となる液体容量の計算のこと。液体の密度は温度や気圧などの変化の影響を受けるため、正しい比率で混合を行うためには、これらの周囲環境の変化に合わせて修正する容量を算出する必要があります。