IVS-500 レーザドップラ振動計は、信頼性の高い品質検査、高精度で再現性の高い良否判定、また構造上のノイズ解析をインラインで行うことができます。

センサはIP64規格の丈夫な設計のため、工場など厳しい環境下においても使用できます。また、レーザにより非接触で測定するので、狭小な個所や曲面などを測定でき、接触式センサに見られがちな取り付け方の影響による誤差や取り付けるために治具や加工が必要になること、さらに環境音が妨げとなって測定したい音が測定できないなどの問題がなく、従ってダウンタイムが減少し、生産性を向上させることができます。

シンプルなセットアップと、最大100kHzまでの広い周波数帯域、多様なオプション品、さらにレーザのオート/リモートフォーカス機能を搭載したことにより、混在ラインを含むどんな生産ラインにおいても容易にご使用いただけます。

主に生産工程向けに、従来のレーザドップラ振動計の約半分の価格で販売中です。

測定レーザ光のオートフォーカス機能を搭載したローコストモデル!

特徴

  • 最大100kHzの広い周波数帯域により、多用途に対応
    ニーズに応じて、10kHz、25kHz、100kHz帯の3種を用意
    微小振動のような高周波帯域でも高精度に計測可能!
  • 計測の作業効率UP!
    最長3mの自由な可変測定距離で簡単なセットアップを実現
  • スポット径約25μm
    測定物の表面形状や測定距離を選びません。
  • レーザによる非接触で信頼性の高い測定
    センサ質量の影響がなく、計量物でも精度よく計測可能!
    接触式のような質量誤差/設置方法による誤差なし
  • オート/リモートフォーカス機能による高品質な測定
    混在生産ラインや測定対象の寸法の変動にも対応可能

IVS-500 レーザドップラ振動計 システム構成図

IVS-500 レーザドップラ振動計の紹介

レーザドップラ振動計内部の干渉計基本モデル

測定原理

非接触で物体の振動を感知するレーザドップラ振動計は、どのようなしくみで測定できるのでしょうか?非接触で振動を測定するメリットは何でしょうか? 測定方法や操作は?

このビデオでは、レーザドップラ振動計の測定原理や特長を分かりやすく説明します。

測定原理概説

レーザビームが振動している測定対象物に照射されると、ドップラ効果により周波数が変調されます。変調されたビームは反射・散乱し、一部がレンズによって収集されます。センサ内部の干渉計は、この変調成分を検出し、高周波の電気信号に変換し、コントローラでこの電気信号を測定対象物の速度または変位のいずれかを表す電圧として復調します。

主な市場

自動車

  • 電気駆動部品(パワーウィンドウ用モータ、EPSモータ)
  • トランスミッション(パワートレイン、ステアリングギア)
  • HVACシステム、コンプレッサ(冷却コンプレッサ)
  • エアコン用ファン
  • EV用 DC/DCコンバーター
  • AC/DCインバーター電機駆動装置

電化製品、精密部品、超音波分野

  • ポンプ、エアコン、冷蔵庫用の冷却コンプレッサ
  • 電子機器のファン駆動部および基板
  • ベアリング等の精密部品
  • ハードディスク、マイクロアクチュエータ
  • 超音波溶着機、ワイヤーボンディング装置

テクニカルデータ

コントローラ

 モデル  型番  測定周波数  レーザフォーカス調整  最大測定速度
 Entry  EM  0~10kHz  手動  0.5 m/s
 ER  0~10kHz  オート/リモート  0.5 m/s
 Basic  BM  0~25kHz  手動  1.0 m/s
 BR  0~25kHz  オート/リモート  1.0 m/s
 High Frequency  HR  0~100kHz  オート/リモート  2.0 m/s

 

 各モデルの

測定レンジ仕様対応表

                       Entry モデル
                       Basic モデル
                       High Frequency モデル
 測定レンジ(mm/s/V)  2.5  5  12.5  25  50  125  250  500
 各測定レンジにおける

最大測定速度(mm/s)

 10  20  50  100  200  500  1,000  2,000
 各周波数帯域における速度分解能(μm s-1/√Hz) ※1
 10kHz  <0.01  <0.01  <0.02  <0.02  <0.04  <0.1  <0.2  <0.4
 25kHz  <0.02  <0.02  <0.02  <0.02  <0.04  <0.1  <0.2  <0.4
 100kHz  <0.03  <0.03  <0.03  <0.03  <0.04  <0.1  <0.2  <0.4

※1 3M ScotchliteTM Tape(反射テープ)上で1Hzのスペクトル分解能で測定した際のS/N比が0dBとなる信号振幅(rms値)を分解能として定義した。ここで定義される分解能は周波数に依存する。

 

 デコーダタイプ  デジタル速度デコーダ
 フィルタ  帯域フィルタ:1kHz、5kHz、10kHz、25kHz(※1)、50kHz(※2)、100kHz(※2)  
 デジタル ハイパスフィルタ:13Hz / 104Hz(-3dB)
 ASE(Adaptive Signal Enhancement):受光レベルが低い場合に信号を最適化する
 アナログ出力  ±4V
 コネクタ  電源供給用コネクタ、受光レベルおよび速度出力用コネクタ
 IVS-A-510 受光レベルインジケータ および RS-232シリアルインタフェース用コネクタ

※1 IVS-500 BM, BR, HRにて利用可能

※2 IVS-500 HRにて利用可能

センサヘッド

 レーザ  ヘリウムネオン(HeNe)
 レーザ安全クラス  クラス2(出力 1mW以下、eye-safeレーザ)
 レーザ波長  633nm、赤色可視光線
 レーザフォーカス  マニュアル(M)  リモート(R)
 最小測定距離 ※1  86mm  47mm
 最大測定距離 ※1  3m  3m
 最適測定距離 ※1,2  x = 53mm + n・138mm; n = 0,1,2,3,・・・

※1 測定距離の定義については、本データシート最終ページの図面を参照
※2 受講レベルが最大となる測定距離を「最適測定距離」と定義しており、その値は、138mmごとに繰り返され、上の式によって算出できる

その他

 動作温度  +5℃…+40℃(41℉…104℉)
 保管温度  -10℃…+65℃(14℉…149℉)
 相対湿度  最大80%、結露なきこと
 保護等級  IP64
 重量  約3.1Kg
 電源  11V…14.5VDC、最大15W

IVS-500 外形寸法 ※特に記述のない寸法はmmで表示