2020/08/18 業界コラム 大西 徹弥 ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視~第五回 新川電機製クラウド型モバイル振動監視システム「ZARK & Machine Dossier」のご紹介~ 新川電機株式会社 大西 徹弥 ST製品企画部...もっと見る ST製品企画部 第五回は、新川電機でラインナップしているもう一つのワイヤレスシステム「ZARK & Machine Dossier」をご紹介します。 冒頭には、ワイヤレス振動センサ ZARKの実機をお見せしながら、「ZARK & Machine Dossier」の概要や特長など本コラムの内容を説明した動画をご用意しましたので、是非コラムと併せてご覧ください。 ワイヤレスシステム「ZARK & Machine Dossier」ご紹介動画ZARK & Machine Dossierの概要と特徴クラウド型モバイル振動監視システム「ZARK & Machine Dossier」は、2.4GHz無線LANを使用したワイヤレス振動センサ ZARKと、クラウドを利用した振動傾向管理システム Machine Dossierで構成されています。(図1) 図1 システム構成ZARK & Machine Dossierは、測定した振動データをAWS(アマゾンウェブサービス)に格納し、専用のソフトウェアは不要でGoogle Chromeなどのブラウザで専用サイトにアクセスすることで振動データの確認ができます。インターネットの環境があれば現場だけでなく外出先でも対象機械の状態をすぐに把握することが出来るため、少ない初期投資で簡単に振動監視を始めることが出来るシステムです。 ZARKワイヤレス振動センサ ZARKは、2.4GHz無線LANユニット、3軸のMEMS加速度センサ、リチウムイオンバッテリーを内蔵したセンサ部と、アクセスポイント情報などを記憶しているタグ情報付き台座(RING)で構成されています。 図2 ワイヤレス振動センサ ZARKZARKは加速度振動と速度振動のデータを収集しており、監視目的に合わせて簡単に切り替えることが出来ます。また、対象機械ごとに最適な収集周期を設定できるようにデータの収集周期は変更できるようになっています。更にデータ収集周期以外にも、アラーム閾値を超えた場合には、アラーム発生のタイミングで振動データ、アラーム情報、アラーム発生時のスペクトルデータを送信する仕組みとなっています。特にスペクトルデータについては、正常な状態では送信せずアラーム状態のみ送信するデータであり、振動解析が必要な時に必要なデータを送信する工夫をしています。 センサ部とRINGは強力なマグネットで接続されており、バッテリーの充電等で本体を交換するときに簡単に脱着することが出来ます。RINGに無線アクセスポイントの情報を保存している為、一度アクセスポイントの設定をすれば本体を交換しても再設定の必要はなく、すぐにデータ収集が可能です。この他に、振動だけでなく温度や圧力などのプロセス信号を最大8点まで入力可能なZARK X8をラインナップしています。 Machine DossierMachine Dossierは、クラウドシステムを使用した傾向管理システムであり、PCやタブレット、スマートフォン上のWeb画面を通じてZARKからのデータ管理を行います。データは関係するすべての人に共有することが出来ます。Machine Dossierには、対象機械の状態を把握する状態監視画面と、対象機械に何か気になることがあった時の情報発信、記録、管理を目的としたSpark画面などがあります。それぞれの画面例を図3、図4に示します。 図3 状態監視画面 図4 Spark画面 状態監視画面には、ZARKから送信された振動データを監視するトレンド画面や、バッテリー残量、通信状態などZARK自体の状態を監視する画面、アラームの閾値を設定する画面などがあります。アラームの閾値はISO規格に準拠した値を自動的に設定することが出来るため、今まで振動監視をしていない回転機械に対してもすぐに監視を始めることが可能です。 Spark画面は、監視をしている対象機械に対して何か気になることがあった場合に「いつ」「どの機械で」「どんなことが気になるのか」を、ZARKからのデータだけでなく写真や文書、ビデオクリップ、音声ファイルなど対象機械に関わる様々なデータと合わせて投稿することが出来ます。また、Machine Dossierにアクセスすることができる関係者はこの投稿を共有し、コメントを残すことにより、チームワークで問題解決にすばやく動くことができます。 図5 問題解決までのイメージ開発中! 新シリーズZARK Nano最後に、現在開発している新シリーズ ZARK Nanoを少しご紹介します。ZARK Nanoは、現在ラインナップしているZARKと比べ性能向上と小型軽量化を実現するセンサです。ZARKの特徴であるデータ収集周期以外におけるアラーム発生のタイミングで振動データやスペクトルデータを送信する仕組みを継承し、更に振動波形のデータを送ることで、より詳細な振動解析を可能とします。 現在開発を進めており、リリースの際には改めて新川タイムズでご案内します。 最終回となる次回(第六回)は、ワイヤレスシステムの導入事例をご紹介します。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 新川電機株式会社 大西 徹弥さんのその他の記事 2020/10/12 業界コラム ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視~第六回 新川電機製ワイヤレスシステム導入事例のご紹介~ 2020/08/18 業界コラム ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視~第五回 新川電機製クラウド型モバイル振動監視システム「ZARK & Machine Dossier」のご紹介~ 2020/07/07 業界コラム ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視~第四回 新川電機製ワイヤレスセンシングシステム「e-SWiNS」のご紹介~ 2020/05/12 業界コラム ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視~第三回 ワイヤレスを使うメリット②と新川電機製ワイヤレス製品の歴史~ 2020/03/03 業界コラム ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視~第二回 ワイヤレスを使うメリット①~ 2020/01/08 業界コラム ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視~第一回 ワイヤレスの概要と種類~ タック 川本䕃山 晶久万代 栄一郎中村 昌允久保田 信光藤 昭男内海 政春北原 美麗古川 怜吉田 健司園井 健二坂井 孝博堀田 智哉増本 健大西 徹弥安藤 真安藤 繁宋 欣光小川 貴弘小林 正生小畑 きいち山田 一山田 明岡本 浩和岡田 圭一島本 治川﨑 和寛後藤 一宏斉藤 好晴早川 美由紀杉田 美保子松下 修己松浦 謙一郎森本 吉春櫻井 栄男水野 勉瀧本 孝治熊谷 卓牧 昌次郎生田 幸士田中 正人田畑 和文神吉 博竹内 三保子米山 猛結城 宏信藤嶋 正彦西村 昌浩西田 麻美足立 正二金子 成彦長井 昭二青木 徹Steven D. Glaser 2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月