新川電機株式会社

大西 徹弥

ST製品事業本部 ST製品企画室...もっと見る ST製品事業本部 ST製品企画室

最終回となる第六回は、新川電機製ワイヤレスシステムのうち、 第四回でご紹介した「 e-SWiNS」 の導入事例をいくつかご紹介します。
e-SWiNSは、920MHz無線を使用したワイヤレスセンシングシステムで、振動振幅値の他に振動周波数情報を収集することで回転機械の傾向管理と異常原因の推定が出来るという大きな特徴を持つ製品です。

事例① 送風機の振動監視

e-SWiNSで傾向管理を実施

送風機(ファン、ブロワ)は、発電所や製鉄所、建物の空調設備、クリーンルームなど、他にも様々な業種で使われていますが、振動センサを設置しておらず巡回点検による傾向管理がほとんどです。
ご紹介する事例も、もともと巡回点検を実施している設備でした。特に大きな課題として、巡回点検で振動の測定は実施しているが、振動の知見がない為に、とりあえず計測だけをし傾向管理まで出来ていないという状態でした。
この課題を解決するためにe-SWiNSを導入した結果、測定した振動データは自動的に専用ソフトウェアinfiSYS Liteに蓄積され、ISO20816、ISO10816規格に基づき、定量的な数値管理のもと振動監視を行うことが可能となりました。また、振動周波数の情報を収集することによって、ブロワに使用されている転がり軸受のグリスを給油するタイミングが判断できるようになりました。更に、ケーシング振動の他にフレーム(架台)の振動を同時に計測し、外乱振動の管理と装置全体の健全性を管理することが可能となりました。

図1 送風機振動監視 システム構成

事例② 空調用モータの振動監視

e-SWiNSで振動周波数情報を収集し、振動の原因を調査

次に紹介するのは、ベルト掛けのプーリーを使った空調用モータにおける導入事例です。このモータはベアリングを交換したばかりであるにも関わらず、警報閾値を超える振動値が発生しており、原因がわからず課題を抱えられている設備でした。そこで、振動周波数の情報も収集し、発生している振動の原因調査ができるe-SWiNSを導入しました。
今回の事例で重要な点は、モータのベアリングに起因する振動がちゃんと測定できているかという点です。従来の測定ではモータと連結しているブロワの振動が外乱振動となり、正確にベアリングに起因する振動を測定できていませんでしたが、e-SWiNSで振動周波数を計測することにより、発生している振動がベアリングに起因する振動なのか、別の場所に起因する振動なのかを切り分けることが可能となりました。この事例では、振動の原因はベアリングではなく、ベルトテンションをかけ過ぎた状態となっており、これが原因でラジアル方向に負荷がかかり振動が発生していたということがわかりました。

図2 空調用モータ振動監視 システム構成

このように、新川電機製ワイヤレスシステム「e-SWiNS」は様々な設備に導入いただき、抱えている課題の解決に繋がるシステムとして評価いただいています。今回ご紹介したのは一部の事例であり、この他にも多くの導入事例がありますので、振動でお困りのことがあれば、ぜひ新川電機へご相談いただければと思います。

また新川電機では、メーカ問わず振動監視をされているお客様を対象に保全業務や設備診断業務において皆様が抱えている振動問題をご相談いただける専門サイト「 振動相談窓口」を開設しております。
測定した振動値に対する判定基準や徐々に大きくなる振動の調査方法など、振動に関してお困りのことがあればお気軽にご相談ください。ISO機械状態監視診断技術者(振動)の資格を有した振動のスペシャリストが対応いたします。

六回にわたって「ワイヤレス技術を使った回転機械の振動監視」をご覧いただきまして有難うございました。

本コラム関連製品

e-SWiNS(920MHz)