2021/11/09 業界コラム 大佐古 伊知郎 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣのご紹介第4回 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣとは(1) 新川電機株式会社 大佐古 伊知郎 技術統括本部 システムアプリケーション部 IVPグループ...もっと見る 技術統括本部 システムアプリケーション部 IVPグループ タイトルを"UnityBoyⅣのご紹介"としつつも、殆ど製品紹介らしいことをいなかったこのコラムですが、いよいよUnityBoyⅣの製品紹介に入っていきます。前回まで、SCADAの進化を軸にIIoTに至るまでの変遷や、IIoTに求められる機能を説明してきましたが、第4回では、IIoTへの潮流を踏まえてUnityBoyⅣが目指しているものについて説明していきたいと思います。 UnityBoyⅣの製品コンセプトUnityBoyⅣの開発時に掲げられた製品コンセプトは”つなぐ”です。これはいくつかの意味を持っていて、”設備と人”であったり、”現場と中央”であったり、”ユーザーとカスタマー”といった、色々なものを繋ぎ合わせ、有機的に連携することで、最大のパフォーマンスを発揮できるようにすることを目指しています。 例えば、設備と人を繋ぐためには、人に優しいユーザーインターフェースが必要ですし、現場と中央を結ぶためには、サーバやクラウドサービスに対するデータ送信や、現場サイドでのデータ集計といった、エッジコンピューティング的な機能が必要となります。また、ユーザーとカスタマーを繋ぐには、異なる場所に居る人や、現場の人と保守部門が同一データ・画面にアクセス出来るアクセシビリティやアクセス権限といった機能が必要となってきます。 また、従来からのプロダクトであるSCADAをIIoTに適合させるためには、導入のハードルを下げることや、システムとしてのスケーラビリティを高めるための工夫も必要となります。その一方で、現場に設置のための制約条件に適合する必要があり、そのハードルをクリアするための新たな機能や仕組みを用意しました。 具体的には、ユーザーインターフェースはUnityBoyシリーズ最大の特徴であるクラス随一のグラフィック描画機能をJavaScript対応とし、上位システムとの連携を高めるよう、通信形式や扱えるファイル形式を拡充、警報判定や演算といった機能をプログラムレスで利用でき、ユーザー毎のアクセス権限を設けています。 そして、導入ハードルを下げるための取り組みとして、製品価格の低廉化やエンジニアリング作業の生産性向上、各種無線通信機能の実装による設置工事の容易さを向上させつつ、遠隔保守機能を用意することで運用コストの低減も図っています。スケーラビリティという点では、小規模システムでは自己完結した能力、大規模システムではシステム間の連携性を高める機能を用意しました。また、ファンレス筐体やウォッチドッグタイマによる自動再起動などロバスト性を高める工夫の他、セキュリティに配慮した設計など、現場設置に求められる独特の要件を満たすことを目指しました。 設備と人をつなぐ現場データ収集の手段として、PLC通信ドライバおよび内蔵拡張スロットに増設したI/Oカードによるデータ収集/出力をサポートします。PLC通信ドライバは、三菱電機製・MELSEC-A/Q/FX/iQシリーズ、横河電機製・FA-M3シリーズに対応します。また、オープン規格のModbus/TCPプロトコルに対応したことで、同プロトコルに対応するリモートI/Oやパトライトといったデバイスの他、当社製振動モニタや振動解析・診断システムともデータの授受が可能です。なお、Modbus/TCPプロトコルはマスタ/スレーブ両方に対応しており、UnityBoyⅣ同士をModbus/TCPプロトコルで相互に通信することも可能です。 画面表示については、直線・矩形・円・テキスト枠などの基本オブジェクトと、これらを組み合わせて作ったモーターやポンプ・タンクなどのオブジェクトギャラリーが多数用意されています。基本オブジェクトは収集したデータの値に応じて変色・移動・伸縮・表示/非表示させることができ、これを活かして、オリジナルのグラフィック画面を作ることが出来ます。また、オブジェクトギャラリーはユーザ自身で作ることも出来ます。その他、トレンドグラフとアラームサマリが用意されています。(次回バージョンアップでデータ一覧表示/アラーム履歴/帳票機能が追加予定です。) メール送信機能は、イベントの種類に応じて宛先やメッセージを変更できることは勿論、警報メールを送信する場合、トラブル対応マニュアルをPDFファイルの形で用意しておき、これを添付ファイルの形で送るといったことも出来ます。 現場と中央をつなぐ現場と中央を連携させるためには、上記現場データ収集機能に加えて、上位システムと連携するためのインターフェースが必要です。収集したデータをファイルに出力し、FTPによるファイル授受が行えるようにしました。 ファイル出力については、時系列の収集データや警報の発生/復帰を履歴としてCSVファイルまたはHTMLファイル形式で出力することができます。また、JSONファイル形式を直接読み書き出来るようにしたことで、上位システムから設定値をUnityBoyⅣに送り、受け取ったUnityBoyⅣは、その設定内容を読み込んでPLCに書き込むといったことも可能です。 FTP通信はサーバ/クライアント両方に対応しており、FTPクライアントはイベントの種類によって接続先サーバを変更することが可能です。また、FTPサーバとして使用する場合、ログインユーザー毎にアクセス可能なファイルを制限出来ます。その他、収集データをメール添付ファイルの形で送ることも可能です。(次回バージョンアップで、MQTT通信ドライバが追加予定です。MQTTドライバはパブリッシャ/サブスクライバの他、ブローカー機能も利用可能となります。これにより、少量のデータを高レスポンスで送信することが可能となります。) ユーザーとカスタマーをつなぐ現場でトラブルが発生したとき、設備を運用するユーザーと、その設備を保守するカスタマーの間でコミュニケーションエラーが起きると解決に時間が掛かるというのは、サポート業務を担当した方なら必ず経験したことがあると思います。 UnityBoyⅣの画面表示をWebブラウザ対応にしたことで、パソコンは勿論、スマート端末(スマートフォンやタブレット)でも画面を見ることが可能です。また、UnityBoyⅣはライセンスによるアクセス制限を設けておらず、同時アクセス数制限を16クライアントと緩く(画面表示によるUnityBoyⅣの負荷制限目的)設定しています。表示データ量や画面更新周期・UnityBoyⅣの負荷状況にもよりますが、いつでも・どこからでも複数人で現場状態を共有出来るようになります。 従来だと現場でしか状況が分からず、夜間のトラブル連絡で現場に行ってみたらケアレスミスだった…といった状況を回避したり、遠方の現場に向かう前に、現場の状況を把握することで、事前準備が出来るなどのメリットがあります。 一方、一般のユーザーに開放したくない機能がある場合には、ユーザー毎に画面表示や操作の権限を付与することが可能です。 UnityBoyⅣの全容は1回ではお話ししきれないので、次回はIIoT時代のSCADAとして求められる機能をUnityBoyⅣはどのように具現化したのかについてご紹介させていただきます。 本コラムでのご紹介製品 遠隔監視に最適化した超小型SCADA UnityBoyIV この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 新川電機株式会社 大佐古 伊知郎さんのその他の記事 2022/03/08 業界コラム 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣのご紹介第6回 UnityBoyⅣでできること 2022/01/12 業界コラム 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣのご紹介第5回 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣとは(2) 2021/11/09 業界コラム 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣのご紹介第4回 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣとは(1) 2021/09/14 業界コラム 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣのご紹介第3回 IIoTに求められる機能 2021/07/13 業界コラム 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣのご紹介第2回 SCADAの変遷とIIoT 2021/05/11 業界コラム 超小型SCADA / Webサーバ UnityBoyⅣのご紹介第1回 SCADAの概要と変遷 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月