新川電機株式会社

島本 治

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前回、改正省エネ法やISO50001といった動向から、今後の省エネ活動においてエネルギーマネジメントシステムの確立と全社的なエネルギー情報管理システムの構築が重要である事とEMASがそれをご支援するパッケージソフトである事をご説明しましたが、今回からEMASの具体的な内容についてモジュール別にご紹介します。今回のモジュールは機器別/工程別/部門別などのエネルギー実績使用量を決定するモジュールであり、EMASの基礎となるものであり、エネルギー実績管理業務の効率化・高度化が図れます。

1.系統図作成機能

エネルギーの流れを可視化するものですが、系統図を簡単に作成できるだけでなく、同時にデータ処理のためのEMASデータベースが自動的に生成されます。

図1. エネルギー系統図  図2. 生成されるデータベース

また、電気、蒸気、水など複数の系統図を同一システム内に定義可能で、エネルギー換算、更にはCO2排出量換算した後の合算なども容易に行う事ができます。

2.各種実績データ決定機能

各フィーダーの実績値は各種データ収集機器からオンラインで収集するだけでなく、マニュアルによる積算計検針データの入力も可能ですし、積算計が装備されていないフィーダーについては以下の様に理論的に最も相応しい形で決める事も出来ますので、現状の環境で直ぐにEMAS利用を始める事が可能です。

  • 上位フィーダーの値から積算計のついている他のフィーダーの値の総計を減算する。
  • 上位フィーダーの値を設備容量/稼働時間/製造量などの比率で配分する。
  • 照明設備などあまり変化しないものは夏場/冬場の固定値とする。

また、ユーザー固有の決定ロジックも組み込めます。

3.工場全体の補正計算機能

図3. 補正計算

上位フィーダーの積算計の値と下位各フィーダーの積算値の総計が等しくなる様な補正計算を全工場に亘って行い、発生基の値とすべての最末端フィーダーの合計値を等しくする事が可能です。また、補正係数のトレンドを見る事により計測系の異常や配線系統でのロスの状況を把握出来ます。

4.集計機能

フィーダー別の値が決まると次が工程別や部門別の集計ですが、部門別でも原価計算上の部門やISO14001の活動成果をまとめるための活動チーム別など何種類かの部門区分が必要で、EMASでは必要なだけ集計区分を定義できる様にしています。

図4. 多様な集計区分定義

5.積算計データベース機能

エネルギー管理システムの導入に併せて全工場の積算計の現場確認など調査をされる事が多いのですが、その整理された大量な情報をデータベース化して最新情報を維持していくと共に系統図や計測のための情報と一元管理する事により一箇所のデータのメンテナンスを関連する業務に反映可能となり効率化が図れ、同時に各業務間で不整合を無くす事が出来ます。

図5. 積算計データベース

6.検索機能

補正係数を含めた各データを長期間蓄積可能ですが、それらのデータの多様な検索やグラフ表示が可能です。

図6. 検索結果のグラフ表示とデータ表示例

当モジュールの一部の機能については顧客で同様なものをExcelの数式を駆使して手作りされていた例もありますが、処理の中味が作成した人しか分からず後継者が困られているとか業務間の連携までは配慮されておらず大きな効率化となっていない場合が多く、EMASの利用によりこれらの問題から解放され、次号以降の他モジュールとの連携も可能となりエネルギー管理業務全体の体系的な効率化が図れる様になります。

次号以降では当モジュールで蓄積されたデータを活用するモジュールのご紹介をします。