新川電機株式会社

藤嶋 正彦

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今回の「海外よもやま話」は、ドイツとアメリカでのお話しです。

時速200km 超

ドイツに行った時の話ですが、フランクフルトからタクシーで移動している途中、高速道路を走りました。ドイツのタクシーの場合、助手席に乗るのが普通らしいので、私が助手席に乗り、山の上の古城や田園風景のすばらしい景色を堪能するドライブを楽しんでいました。

そのとき、後部座席に乗っていたもう一人が私の肩をつつくので “ 何? ” と聞いたら、黙ってメーターを指さしました。そこでスピードメーターを見たら、なんと時速 200kmを超えていました。 “ えー ” と思いましたが、別に恐怖を感じることなく “ さすがベンツ、走行安定性はすばらしいな ” と感心し、時速 200km超の世界を楽しみました。

私はスピード狂なのか、それともスピードに対して鈍感なのか?

車の格

同じくドイツの高速道路を走っていて感じたことですが、ドイツで高速道路を走る場合は車の格というものがあるのかなと感じました。日本では軽自動車が普通車に負けじと追い越し車線を突っ走っているのをよく見かけますが、ドイツではベンツやBMWの大型普通車が追い付いてくるとすぐに道をゆずり、走行の邪魔をしません。また、追い越し車線を走っている小型車もあまり見かけませんでしたので、ドイツでは車の格を知って高速道路を走らなければならないのかなと思いました。

これって私が勝手に感じたことでしょうか?

町並み

ドイツのウラハの町は許可されたごく一部の自動車しか町の中に入ることができず、その町に住んでいる人は町の入口にある駐車場に車をおいて自分の家には歩いて帰っていました。なぜかというと古い町並みの景観を守るために町の人が協力しているとのことでした。町の建物を見ると300年前に建設された等の表示がしてあり、町もゴミ1つ落ちてなくすばらしくきれいなところでした。まるでグリム童話集に出てくるような町並みにドイツ人の景観に対する徹底した保護活動に対して尊敬の念を感じました。

もっとも食事するにも食堂が分らず(食堂も銀行も外からはさっぱり分らず、中に入ってみると日本とあまり変わらない雰囲気でしたが)、仕方ないのでホテルでいつも食事する羽目になり、ドイツの技術者に連れて行ってもらった以外は現地の食堂に入って郷土料理を楽しむことができませんでした。また、ホテルには温泉(?)もあったのですが水着でないと入れないとのことで入れず残念な思いもしました。

しかし、そこで飲んだ白ワインはとにかくおいしかったです。

サターンロケット

アメリカに出張したとき、幸いにもヒューストン宇宙センターに見学に行くことができました。そのとき、日本の毛利さんが乗船されていた宇宙船がちょうど宇宙をまわっていて、中央制御室の表示が毛利さんの乗った宇宙船の位置を刻々表示しているのを見たとき感慨深かったことを今でも鮮明に覚えています。その他、宇宙センターにはスペースシャトル、各種宇宙関係機器の展示、スペースシャトルの運転シミュレーション体験(自分もシャトルの着陸運転に二回挑戦してみましたが、二回とも見事地面に激突。とにかく難しかったです。この難しい操作を確実に行う宇宙飛行士はすごい!)等興味深いものが盛りだくさんありました。しかし、もっともびっくりしたことはサターンロケットが横にして展示されているのを傍で見たときでした。とにかくでかいと思いました。全高約 110.6m 、テレビで見ているとその大きさが良く分かりませんでしたが、実物の傍に立ったときはその大きさに圧倒されました。アメリカのすごさ、底力を肌で感じました。

もっとも、そのときに食べた宇宙食はおいしくなく、宇宙飛行士も大変だなと思いましたが・・・。

タクシー

ロサンゼルスに着いた時、タクシーを利用してホテルまで行き、タクシーメーターの表示通り110$程度支払いをしました。するとタクシー運転手が名刺をくれ “ タクシーを利用する場合は呼んでくれ、どこにいてもすぐにくるから ” と言ってくれたので、えらくサービスの良い運転手だなと感心していた。ところが日本に帰国する前に滞在しているホテルマンにこの話をしたら、それは当然だと笑われた。なぜかと聞くと長距離の場合はネゴしなければ損すると言われた。そこで帰りのタクシーは乗る前にネゴしたら60$程度でロスアンゼルス空港まで行ってくれました。ホテル行の場合も領収書をもらっていたので個人の損にはなりませんでしたが、会社には損を与えたことになります。

知らないでいると思わぬところで損をします。現地の常識は良く調べておく必要があります。私の失敗談です。

ハリウッド

同じくロスアンゼルスで打ち合わせをした時に、話も終わりM.O.M(議事録)の内容確認も終わり、あとはサインするだけと思っていたら “ 今日はこれまでにしましょう ” と言われ、 “ 明日は朝7時からにしましょう ” と言われた。自分としては次の日は土曜日で休みのはずなのでロスアンゼルス観光をしたいと思っていましたし、またなぜ朝7時という早い時間からと思いましたが、 “ まーいいか ” と思い了承しました。そして次の日の朝早く会社に行くと、サインはあっという間に終わり、急に “ どこに行きたいか? ” と言われました。何かと思えばロスアンゼルスを案内してやると言われました。そこで遠慮なくハリウッドに行きたいと言ったら “ やめとけ、別な所が良いだろう ” との回答。しかし、自分はハリウッド映画が好きだったので、ハリウッドに行きたいと言って案内してもらいました。そして皆さんも良くご存じの HOLLYWOOD と書いてある山がすぐ傍にあり、ロスアンゼルスの町並みを一望できるグリフィス天文台に行った後、チャイニーズシアターに行きました。しかし、天文台でのロスアンゼルス全景が見られる景色は良かったのですが、有名な俳優のサインや足型のあるチャイニーズシアター、星型があるハリウッドの通りを見た時の素直な感想は “ 薄汚れたところだな ” です。

私のハリウッドのイメージは “ 華やかできらびやか ” であったのですが・・・。
よほど私が失望していたのか、私の表情を見ていたエンジニアは “ それみろ、言ったじゃないか ” と得意顔でした。

その後、ビバリーリルズ、サンタモニカにも連れて行ってくれました。ビバリーヒルズは明るくて緑も多く豪邸もあり、高級車も多く走っていてすばらしいところでした。サンタモニカでは沖でイルカも泳いでいるのが見え、プライベートビーチもありアメリカの豊かさを実感しました。

案内してくれたアメリカのエンジニアには感謝です。

座席

フィラデルフィアからロスアンゼルスに行く飛行機に乗る前に通路側とリクエストしていたのに乗ってみると真ん中の席でした。自分の英語表現が悪かったのだろうとあきらめながら座っていると、なんと自分の両側の座席には大きく太ったお嬢さんが座ってきました。これから4時間強窮屈な思いをして我慢をしなければならないと思い最初暗い気持ちになりました。しかし、隣に座ったお嬢さんと話をしているとロスアンゼルスからバスで何時間もかけて久しぶりに田舎のお母さんに会いに行くと嬉しそうにその田舎の話を私にしてくれました。そのほのぼのとした話を聞いていると最初のブルーな気持ちはどこかに吹き飛んで楽しいフライトになりました。

アメリカも日本も子供がお母さんに久しぶりに会える嬉しい気持ちは同じです。