バッテリパックは、多くのバッテリセルが直列に接続して構成されています。セルの特性のばらつきによってバッテリパック全体の性能低下を招くため、セル単位で電圧や温度の挙動を把握することは、極めて重要です。
一方、電気自動車に搭載するバッテリの高電圧化が進んでいます。バッテリの電圧は400 Vから800 Vへ実用が進んでおり、このような高電圧バッテリパックの充放電試験器への組み込みに最適な電圧温度データロガーです。

特長

  • システム規模に合わせて最大3000までチャンネル数を拡張できる
    10 ms サンプリングで1500ch 測定
    (20 ms サンプリングで3000ch 測定)
  • 高電圧システムを安全に計測できる
    対地間最大定格電圧 DC 1500 V (CAT II) 絶縁
  • リアルタイムシミュレーションと連携できる
    最速 5 ms ごとデータ出力でHILS (Hardware in the Loop Simulation) に対応

用途・アプリケーション例

  • 各セルの充放電特性の把握
  • セルバランス検証
  • 熱マネジメント評価
  • HILS による性能評価
  • テストシステムの異常検知

Case 1 標準的な用途 : 400 V バッテリテストシステム

BEVの標準的なバッテリテストシステムの構成例です。セルの情報を充放電コントローラへフィードバックし保護機能のトリガ等に利用します。

【計測要求】
電圧 100 ch (LiB 4 V × 100 cells)
温度 100 ch
サンプリング速度 100 ms
データ転送インターバル 100 ms

Case 2 高度な評価システム : 800 V & シミュレーションシステム

高電圧バッテリパックの開発やリアルタイムシミュレーションといった、将来のバッテリシステムの開発要求を見越したデータロガーの提案です。

【計測要求】
電圧 200 ch (LiB 4 V × 200 cells)
温度 200 ch
サンプリング速度 5 ms
データ転送インターバル 5 ms

Case 3 バッテリセルのフォーメーション工程や、半導体のバーンインテストなどの大規模システム

19インチラックに180チャンネルを構成する、省スペース設計の構築例です。

【計測要求】
電圧 90 ch
温度 90 ch
サンプリング速度 20 ms
LANで記録データファイルを取得