2016/04/05 業界コラム 万代 栄一郎 ナイーブでは困るのです 株式会社 ODR Room Network 代表取締役 万代 栄一郎 1981年 立教大学経済学部 経営学科卒業 事...もっと見る 1981年 立教大学経済学部 経営学科卒業 事務計算センター(現日本システムウエア株式会社)入社 イスラエル製品マーケティング担当 副本部長 2004年 株式会社リンクマネージ取締役 経営管理担当 2008年 日本システムウエア株式会社(NSW) 非常勤顧問 2008年 株式会社 ODR Room Network 代表取締役 システムエンジニアとして各種システム設計・開発・運用に従事、 早稲田大学 情報化プロジェクト、杏林大学 総合情報センター技術顧問、 独立後 ODR 専門家として外資系日本法人の IT コンサルティング、弁護士事務所等の IT サポート、総務省のODRプロジェクト、経済産業省 ERIA プロジェクト、経済産業省の国境を越える電子商取引の環境整備プロジェクト、消費者庁越境消費者センター事務局 群馬県出身 / 横浜市在住 「そんな酷い人だとは思わなかった!」 誰かに騙されたりした時に、よく聞くセリフです。自分は相手を信じていた、あるいは、そんなことをするとは思ってもいなかったということですが、裏を返せば、そういう相手だということを見抜けなかった、あるいは、騙されていることに気がつかなかったということでもあります。 ナイーブでは困るのです会社などの組織で、異動あるいは新しくヘッドハンティングで会社に入ってきた人と話すと大抵は次のような会話が交わされます。 「是非、XXさんのような外から来た方の目で、悪いところをご指摘いただいて!」 「わかりました。お任せください。私の経験を活かせると思います」 そして暫くすると。。。 「これほど酷い状態だとは思わなかった!」 いずれも、” 期待していた状態と違っていた ”、ということなのですが、期待の前にもう少し情報をインプットすることは不可能でしょうか。 基本的に悪い人は少ないという性善説をとると、あまり調べないで、期待を膨らませ、前述のようなガッカリ状態になることは少なくありません。 日本では、ナイーブという言葉の使われ方が、英語の意味と正反対のニュアンスであることは既に知られていると思います。「あの人はナイーブなひとだから」私自身も最初はいい意味で使っていました。 ナイーブ = ケガレのない純粋な人 というような意味あいで。しかし。。 アルクのオンライン辞書「英辞郎 on the WEB」※1 で調べると http://eow.alc.co.jp/search?q=naive うぶな人、だまされやすい人、経験不足であまりに考えが甘い、鋭さに欠ける、 などの訳が並びます。一部を除いてどれもいい意味ではありません。 私が体験したイスラエルとの訴訟でも、あまりに振る舞いが非道いので、在日イスラエル大使館に聞いたところ、「万代さんお気の毒ですね。でも、その場合は、騙されるほうが悪いです。少し調べれば判ったでしょう?」 と、商務官に言われた事がありました。 日本以外では、ナイーブでは困るのです。英語の意味は正しい。 約 120 年ぶりの民法の債権関係の規定を改正する閣議決定がなされました。 企業と消費者の契約で、消費者が想定外の過大な不利益を被る条項は、仮に合意がされていたとしても、不当な場合には無効とできるようにして、消費者保護を強化する目的です。 法務省 民法の一部を改正する法律案 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00175.html 消費者にとって不利な約款はあとで不当と判断されれば無効となる = 弱い立場の消費者を保護するという観点からは、” いいこと ” ではあるのでしょうが、実は、ますます、約款や利用規約をよく読まなくなってしまうのではないかと懸念しています。 「私は弱い消費者。” ナイーブ(この場合、純真無垢な的な)” な消費者。どうせ守ってもらえるもんね」って。 改正では、消費者がキチンと約款の内容を把握、理解して合意している場合は有効であるともしています。 サイン、押印するならば、やっぱり ” よく読んで理解 ” しないといけないですよ。 もっと、” 契約 ” に親しみましょう。 ※1: 「英辞郎 on the WEB」は、株式会社アルク [http://www.alc.co.jp/]が提供する英和・和英対訳データ検索サービスです。「英辞郎」は道端早知子氏の登録商標です。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 株式会社 ODR Room Network 代表取締役 万代 栄一郎さんのその他の記事 2020/09/10 業界コラム ITエンジニアが法律に影響している 2020/08/18 業界コラム 「弁護士費用立て替え」という訴訟投資ファンド 2020/08/04 業界コラム 司法IT化は日本でも進むか、その後のステージ 2019/08/06 業界コラム 司法 IT 化は日本でも進むか 2019/07/02 業界コラム オフィスハック -オフィスで役立つ様々な考え方- 2019/06/04 業界コラム テクノロジーは答えか? 2018/08/07 業界コラム 働き方改革 No.3 『散歩ミーティング実践』 2018/07/03 業界コラム 働き方改革 No.2 『議事録 2.0 またはそれ以上』 2018/06/05 業界コラム 働き方改革 No.1 『3 つの IT ツール』 2017/06/06 業界コラム ” 秘密情報 ” の秘密 2017/05/10 業界コラム あ! それは証拠隠滅!!? 2017/04/04 業界コラム 思わぬ漏洩 – 街中の PC は覗かれている – 2016/04/05 業界コラム ナイーブでは困るのです 2016/03/08 業界コラム 謝罪の文化と文法 2016/02/09 業界コラム 弁護士は教えてくれない その 2 2016/01/13 業界コラム 弁護士は教えてくれない その1 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月