2018/06/05 業界コラム 万代 栄一郎 働き方改革 No.1 『3 つの IT ツール』 株式会社 ODR Room Network 代表取締役 万代 栄一郎 1981年 立教大学経済学部 経営学科卒業 事...もっと見る 1981年 立教大学経済学部 経営学科卒業 事務計算センター(現日本システムウエア株式会社)入社 イスラエル製品マーケティング担当 副本部長 2004年 株式会社リンクマネージ取締役 経営管理担当 2008年 日本システムウエア株式会社(NSW) 非常勤顧問 2008年 株式会社 ODR Room Network 代表取締役 システムエンジニアとして各種システム設計・開発・運用に従事、 早稲田大学 情報化プロジェクト、杏林大学 総合情報センター技術顧問、 独立後 ODR 専門家として外資系日本法人の IT コンサルティング、弁護士事務所等の IT サポート、総務省のODRプロジェクト、経済産業省 ERIA プロジェクト、経済産業省の国境を越える電子商取引の環境整備プロジェクト、消費者庁越境消費者センター事務局 群馬県出身 / 横浜市在住 働き方改革が話題となっている。裁量労働制については、議論が錯綜し、まだまだどうなるのか予断を許さない。制度的な仕組みは、ブログで意見を述べても “遠吠え” になってしまうので、もっと身近に実践できる「働き方改革」について、検討してみよう。 私が自分で会社を始めたのは、異国での訴訟での証言を遠隔地からできる方法として ODR(Online Dispute Resolution)に着目したからだ。IT の発達とブロードバンドネットワークにより、映像も音声も安定的に使用できるようになった昨今、これを使って働き方の改善にも役立てることができそうだ。 そこで、私が実践している遠隔地間業務についての、試みをご紹介したいと思う。いずれも実験途上ではあるものの、効果も出しつつある。 まずは、3 つの IT ツールについてご紹介していこう。 3 つの IT ツール実践:自分でできる働き方改革自殺者が出てブラック企業がニュースに取り上げられ、原因となった労働環境やそうせざるを得ない企業・雇用者の実情も注目され明らかになりつつある。そして政府は首相官邸主導で「働き方改革」を推進している。 働き方改革実現会議(出典:首相官邸ホームページ政策会議) こうした政府主導会議をきっかけにして目指すのは、 個々の事情に応じた「多様で柔軟な働き方」を選択可能とする社会 人々の「ワーク・ライフ・バランス」の実現 「生産性の向上」を目指し 「企業文化や風土」を変えていく である。 しかし当然こんなに簡潔にはいかない。相互に様々に関わり合い、時には相反することもある。 規格化された働き方は、逆にいえば安定したサービスを供給する原動力だ。さて、「多様で柔軟な働き方」で安定したサービスや製品を供給しつづけるにはどうすべきか。 ワークとライフのバランス =「ワーク・ライフ・バランス」では、“ワーク” を減らして十分な収入を得続けることができるようにならなければいけない。 そして、減ったワークで企業が利益を維持しつづけるには生産性向上が不可欠だ。 では、「生産性向上」させるための投資や開発の原資、人的リソースはどこからくるのか。 「風土、文化」は、先に変えられるのか、結果として変わるのか? 我々各人は誰かを待つのではなく、今の自分の環境をよくしていくことができないだろうか。例えば、身近な IT ツールを工夫して活用していけないだろうか。 キーワードの一つは、「移動を減らす」ことだ。 1.TV会議企業で働く場合、単独よりチームの場合が多い。そのほうが効果的に手分けしていけるからだ。手分けした作業を効果的に行うには、バラバラに勝手にやるのではなく、手順や役割を分担することになる。同期するために打ち合わせが必要となりコミュニケーションや意思決定のため会議を開くことになる。しかし、柔軟にいろいろな場所で働くことになると会議のために集まるというのは移動時間を使うことになり本末転倒となる。 例えば弊社では、パートナーとの定例会議がある。これは顧客への週報を作成するための情報共有だ。短く 30 分ほどで終わるが、「必ず集まる」のでは移動時間がもったいない。 また地方に本社のある別会社の定例会議は現地に 2 名、こちらに 4 名。移動には新幹線が必要で複数人が移動するには時間も費用もかさむ。 そこで TV 会議を活用している。すでに無料で使用できる環境もありすぐできそうだが実用するといくつか工夫が必要となる。 まずはワイドレンズ。多くの参加者が映らないといけない。 広角 120 度で、カメラ近くの範囲まで映る。かなり広いので数人が並んでも問題なさそうだ。そしてセットアップについては、最近の周辺機器は自動インストールが充実している。この製品も iMac の USB に接続して何も起きない = 認識のメッセージも、ドライバーのインストールも、静かな状態なので、心配になって接続しなおしたりした。 それでも変化がないので、Skype を起動してみるともうカメラを認識しているのだ。つまり何も設定は必要なかった。スバラシイ。 2.資料を同時に閲覧するためのマルチモニタ化相手拠点の映像をフルサイズで出しておかないと臨場感がないのだが、そうなると資料の画面を出すスペースがなくなってしまう。資料を見ながら会話すると相手の様子が見えなくなりもどかしい。 そこで。 余っていたモニターを横に設置してマルチスクリーン化し、資料映像はそちらに表示できるように設置。これで、相手の顔をみつつ、資料も大写しできるので、実用レベルが高まった。 3.共通の議事録ボードリアルな会議では、決定事項や議論事項を書き出してみんなでみるためのホワイトボードなどがある。そうした専用システムもあるが投資が必要だ。そこで無料で使えるドキュメントツール。これは複数拠点が同じ議事録のファイルを見ながら、同時に各拠点からも書込みが可能だ。これで情報共有には、かなりの効果が期待できる。 以上 3 つの IT ツールをご紹介したが、それぞれ、簡単ではない面はある。投資や工夫は必要だ。しかしそれにあまりある働き方の改善は見込める。 「考えている」というのは、やらないと決めていることだと最近気がついた。 やらない理由ではなく、やるためにどうするかを考え、決断し、実践することは、昔より遥かに簡単になっている。 注意するのは、いずれも、無料であること。 すなわち、 突然サービスから撤退される可能性がある 無料の代償としてなんらかの情報提供が条件となっていないか 情報データの所有権や利用する権利は大丈夫か 事前に問題がないかを確認しておくべきだ。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 株式会社 ODR Room Network 代表取締役 万代 栄一郎さんのその他の記事 2020/09/10 業界コラム ITエンジニアが法律に影響している 2020/08/18 業界コラム 「弁護士費用立て替え」という訴訟投資ファンド 2020/08/04 業界コラム 司法IT化は日本でも進むか、その後のステージ 2019/08/06 業界コラム 司法 IT 化は日本でも進むか 2019/07/02 業界コラム オフィスハック -オフィスで役立つ様々な考え方- 2019/06/04 業界コラム テクノロジーは答えか? 2018/08/07 業界コラム 働き方改革 No.3 『散歩ミーティング実践』 2018/07/03 業界コラム 働き方改革 No.2 『議事録 2.0 またはそれ以上』 2018/06/05 業界コラム 働き方改革 No.1 『3 つの IT ツール』 2017/06/06 業界コラム ” 秘密情報 ” の秘密 2017/05/10 業界コラム あ! それは証拠隠滅!!? 2017/04/04 業界コラム 思わぬ漏洩 – 街中の PC は覗かれている – 2016/04/05 業界コラム ナイーブでは困るのです 2016/03/08 業界コラム 謝罪の文化と文法 2016/02/09 業界コラム 弁護士は教えてくれない その 2 2016/01/13 業界コラム 弁護士は教えてくれない その1 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月