2015/09/08 業界コラム 岡田 圭一 もし、こんなことが起きたらどこに相談されますか…? 第二話 IT担当不足の中堅中小企業こそシステムコンサルタント活用で経営が変わる 青山システムコンサルティング株式会社 顧問 岡田 圭一 1983年 明治学院大学 法学部 法律学科 卒 ...もっと見る 1983年 明治学院大学 法学部 法律学科 卒 1983年 日本通信工業株式会社(現 NEC プラットフォームズ株式会社) 1988年 キヤノン販売株式会社(現 キヤノンマーケティングジャパン株式会社) 1998年 日本ゲートウェイ株式会社 2000年 アジアパシフィックシステム総研株式会社(現 キヤノン電子テクノロジー株式会社)取締役 2003年 OKADA Business Engagement Consulting 代表 http://okadabec.blogspot.com/ セールス&マーケティングコンサルタント、ビジネスエンゲージメントコンサルタントとして中堅中小 IT 系企業の顧問、相談役、アドバイザー、監査役、社外取締役等々累計 27 社 現在に至る 東京都世田谷区出身 / 三鷹市在住 趣味 写真、写経、読経 Facebookフォトアルバム https://www.facebook.com/okadakeiichiface/photos_all 富嶽三十六”圭” http://img.gg/RPwNACA 二十四節気七十二”圭” http://img.gg/HvNKVuJ 一連の東芝報道を見るに経営層の責任は重いものであります。が、阻止できなかった他役員だけでなく、一般社員の方々にもこのような機会だからこそ重く受け止め “自ら省みる” 事は先々の為にとても大切なことではないかと感じます。 日本企業の場合、最も恐ろしいのが “空気” 、 “雰囲気” といったまさに所在のはっきりしない魔物の存在です。この魔物は経営層だけでなく、上司部下先輩後輩と言った上下の関係にも、支店や営業所と言った面の関係にも遠慮なく現れ蔓延します。 単に正しい事が言い難い…だけに留まらず “赤信号みんなで渡れば怖くない” といった困った風土醸成に繋がります。結果、自らの力で事実把握が出来ず “第三者の力=第三者委員会” に調査・報告を委ねざるをえなかったという例は東芝だけに限られた事ではありません。 これが IT になると “専門性が求められる=解り難い” ために更に厄介な状況を招きます。 とある急成長ベンチャーでは半年以上に渡り基幹系データのバックアップが取られていませんでした。関係者の間ではその事実に触れてはいけない “空気”、“雰囲気” に。 その事実を知った経営トップは当然烈火のごとく激怒します。まさに経営上の生命線と言われる重要データが全くバックアップされてなかったわけですから経営層も背筋が凍りついたことでしょう。 何故発覚したのか…実はその事実を社内で公表・報告したのは当の情報システム部門責任者でした。一連の顛末に “空気”、“雰囲気” に対する牽制機能、自浄機能が働いた一面に目が留まります。 更なる成長に備え経営層は中長期 IT 投資戦略を策定しようと考えベンダーロックインを避けるがため、第三者としてのシステムコンサルタントに声を掛けたことが、情報システム部門責任者にバックアップトラブルをこのまま隠蔽したままではいられないと自ら経営層への公表・報告を決断させました。 そもそもの原因はバックアップすべきデータ量が業績急伸の余波で急激にサイズが大きくなり、バックアップ先の容量を超えたためにバックアップが出来なかったといったという初歩的なミスでしたが、情報システム部門の現状の人数では余力が無く、日々の急ぎの作業・対応で後回しにされ何カ月か経過すると誰もがそのことについて触れられない “空気”、“雰囲気” が出来あがってしまっていました。ある意味、第三者であり、且つシステムと経営の専門家であるシステムコンサルタントの登場が牽制機能・自浄機能として想定外の効果をもたらしたわけです。 システムコンサルタントも先々のシステム投資計画策定の際に情報システム部門のリソース不足が事実であるなら経営層対しに第三者であり、且つシステムと経営の専門家として改善を指摘するわけですから情報システム部門責任者にとっても経営層に言いにくい点を肩代わりしてもらえ、経営層とのコミュニケーションギャップを埋め、先々のリスク回避の効果に繋がります。 実はこの話は僅か 1 年ほど前の実話です。 従業員数 200 名ほどの通信機器販売・通信設備設計施工で年商 300 億円程の中堅企業では、内部統制面も充実し上場にも値する優良企業でしたが、月次締め処理の完了が翌月 20 日過ぎになってしまうといった実態が有りました。IT システムにはいわゆる汎用機と呼ばれる大変高価なシステムが億単位の予算を投じ導入されています。 『情報システム部門がダメだ』『システムが使えない』と言った声が聞こえる反面、情報システム部門は『システム改修やら各部門からの要求には対応できている。』と主張しています。経営層と事業現場部門と情報システム部門の 3 者のコミュニケーション乖離は危機的な状況に。 当時監査を依頼していた監査法人のシステム子会社から勧められたパッケージシステムが自社の業務の流れにマッチしてない点に気付かず導入してしまった点に原因の根本がありました。現場部門も情報システム部門もマッチしてない点を何とか穴埋めするための工夫(全体を考えず部分最適)を凝らし、結果的にそれらが複雑に絡み合い月次決算処理そのものを大幅に遅らせる原因となっていました。 実業務にマッチしない億単位の IT 投資を決定したのはまさに“経営層の判断”によるものですが、やはり会長・社長、役員会の経営判断に誤りがあったことには触れてはいけない “空気”、“雰囲気” が形を変え、情報システム部門/担当へのはけ口として姿を現していました。これではコミュニケーションの乖離は避けられるはずもありません。 この期に及んでは、一番大事で、なお且つ一番大変で、更に誰しもが避けたがり、失敗するととんでもない返り血を浴びてしまうであろうアクションはまさに経営者に誤った経営判断を認めさせる事です。 表現は悪いですが “経営層の首に鈴をつける” つまり問題の根本を明確にし、責任所在を明白にさせ、あるべき姿を明示し、それに向かって舵を切る経営判断を迫らなくてはなりません。 このような社員では荷の重いアクションを起こさねばならぬ時には “第三者委員会” のような社外機関に力を借りることも活路を開く上で重要な選択肢です。 結果的にこちらの企業も第三者機関として特定の製品やサービスを担がないシステムコンサルタントに依頼し中長期視点で IT システムの投資計画を策定し難局を乗り切られました。 この例は 10 年以上前の実話です。 1 年前と 10 年前。極端な例を示しましたが企業における IT とはこのようなことがいつの時代でも起きうると言えるのです。 特にクラウドやスマートフォン・タブレットといった IT トレンドの大きな曲がり角にある昨今こそ解り難い時代ゆえに経営層の方々には一歩踏み込んで裸の王様にならないためのアンテナを張っておいて頂くべき時機ではないかと感じます。経営者の方々に無理して IT 知識を身に着けるいただく必要はありません。適宜、外部識者=公平中立な視点で自分たちの IT 投資戦略の妥当性、適合性を相談できるパスをお持ちになることが、クラウド時代の経営者としての大事な引き出しの一つになるのではないかと感じます。 もう一つ、経営トップと出入りの IT 業者とのコミュニケーションギャップ…というちょっとユニークな例をご紹介しておこうと思います。 とかく経営トップは孤独で人の話を聞かない…といった性格の方も多いのではないでしょうか? OS、ハード、回線に留まらず “スマタブクラウド” と IT の世界も大きく様変わりする中で、今は動いているが専門家の目で見れば近い将来破たんすることが想定できる IT システムも実は多々存在します。 日頃から出入りしている IT 業者の方が経営トップにその警鐘を鳴らしても聞き入れないケースもままあります。『今ちゃんと動いているのにさては儲けようとしているな!』といった事を言いたくなる経営トップのお気持ちも解らなくは有りませんがそれが第三者的に見ても想定されるリスクであれば聞かない事が経営リスクそのものにつながります。 出入りの IT 業者も人の子です。IT の専門家としてまじめに提言しておきながら全く話しを聞かない “空気”、“雰囲気” が経営層、情報システム部門に蔓延していれば、将来的なリスクを鑑みこの先取引を遠慮させて頂くべきか…と言ったところまで思い詰めてしまうこともあり得ます。“出入り” といった長年の慣れ親しんだ立ち位置の辛い所なのでしょうね。 部下や出入り業者の話は聞かない経営トップでも、意外にシステムコンサルタントの話しには耳を傾けるケースが目につきます。ある意味、第三者・公平中立という立ち位置が、経営トップからすると同じようなリズム、似たような匂いを感じ受け入れて頂けるのかもしれません。 このケースでは結果的にシステムコンサルタントが構築・受託開発・製品販売の一切行わない公平中立の立場からIT業者の提言には妥当性があり現状の IT システムが将来的なリスクという爆弾を抱えている点を経営トップに認識させました。 構築・受託開発・製品販売を一切行わないがゆえに、この先商売を取られる心配の無い出入りの IT 業者からシステムコンサルタントが厚く感謝をされるといった笑い話がオチになります。 さて、こんなことが起きたらどこに相談されますか…?という問いから始まりました私のコラムでしたが、システムコンサルタントという IT と経営の専門家の上手な活用が『 IT 担当不足に悩む中堅中小企業におけるクラウド時代の経営のコツ』であるという点と『 “空気” 、 “雰囲気” といった魔物を払い経営と IT の風通しを良くしリスクを未然に防ぐコツ』であるという二点の気づきにつながれば幸いに思います。 第三話は、『SHINKAWA Times』事務局からのご要望も有り、私自身 16 年ほど継続しているメルマガを通じた縁尋機妙・多逢聖因についてご紹介させて頂こうと思っております。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 青山システムコンサルティング株式会社 顧問 岡田 圭一さんのその他の記事 2019/06/04 業界コラム 私家的観音経に勤しむ 第三話 『人間が人間になる前から三毒 “貪瞋癡” は…』 2019/05/08 業界コラム 私家的観音経に勤しむ 第二話 『恩師から聞いた伊藤忠中興の祖の艱難辛苦と観音経』 2019/04/02 業界コラム 私家的観音経に勤しむ 第一話 『念彼観音力は現世ご利益への罠?トラップ?』 2018/06/05 業界コラム 年に一度は撮りに行かないと季節がやってこない… 地図情報付き風光明媚隠れスポットをお教えしましょう! 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Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月