下手の横好きながら安物機材を担ぎあちらこちらと撮り続けるに、妙に心惹かれ毎年時期が来るとその 1 コマを撮らないとどうも気が済まない、季節の到来が感じられない…といった景色に出会うことが有ります。
先日、尊敬する大先輩より頂いた書に『人と人の出会いにも、縁としか説明ができないような不思議さが付きまとうが、人と本との邂逅もまた面白いものである。』といった一節が目に留まりました。
人知れず見せる季節の彩を撮るため、じっと太陽の角度を待ったり、暗闇でクマに怯えつ天の川の好位置を待ったり…。そんな季節の彩との触れ合いとともに、振り返れば娘の命名の際に “彩” の字を選んだのも、人と人の縁、人と書の縁と同じような邂逅の不思議さを還暦前に改めて感じ入るところです。
身近なところで何ヶ所か私が毎年のように通わずにはいられない隠れスポットを地図付き、注意書き付きでご紹介させて頂こうと思います。
「カラマツやダケカンバが織りなす “黄葉” 富士」
富士スバルライン奥庭駐車場をご存知ですか?

あくまでも私見ですが私は富士スバルライン終点、五合目駐車場に行くことはまずありません。
最近の五合目駐車場は言葉も通じずマナーも好ましくない旅行者の方が大変目立ちます。
いつぞや五合目駐車場に入ろうとしたときに交通誘導の係員が走り寄ってきて「誘導しても言う事を聞いてくれないのでどんどんクラクションを鳴らしてください。危ないので!」と訴えてきたことが有りました。何事かと驚きつつ、念の為ゆっくり慎重に駐車場内に入るとわたくし達と似たような顔立ちの外国人の集団が何組も歩道、車道お構いなしに闊歩し、いきなり目の前で立ち止まったかと思いきや自撮り棒で集団記念撮影…。
ゆっくり走ってはいましたがこちらは急ブレーキ。おまけに歩きながらの飲み食いで歩道、車道問わずあちこちにこぼしてもお構いなし。
さらに突然近寄ってきて外国語でまくしたてられ此方が解らないと身振り手振りで答えると「チッ!」(使えないヤツ)といわんばかりの態度。
三脚抱えてカメラバック背負って歩くには危険なほどの混雑で早々に引き上げようにも駐車場から出るにも一苦労の大汗冷汗。
こうなると坊主難けりゃ袈裟までも…ではないですが、近辺空気も食べ物やらなにやら色々混じり合った匂いが鼻につきそれっきり足が向かなくなってしまいました。
そのような経験から私は終点五合目には近づきませんが、捨てる神あれば拾う神ありが如く、一つ手前の丁度 4.5 合目に当たる「奥庭駐車場」は耳慣れない外国語を耳にすることも少なく妙な匂いも無く、清涼なる空気と野鳥のさえずりがわたくし達を包み込んでくれます。
秋にはカラマツやダケカンバが “黄色” に色づき、朽ち果てた大木のまるで骸骨のようなおどろおどろしい姿と富士山との組み合わせに森羅万象の深遠さを感じられるご覧の一枚を手にすることができます。
奥庭駐車場に停車したらトイレ左側に遊歩道入り口の看板が見えます。
石畳の長い坂道を下ります。およそ 10 分程でしょうか、正面に「奥庭荘」という茶屋土産物店が見えてきます。
実はこの奥庭荘右手水場は知る人ぞ知る野鳥写真の撮影スポット。天気や時間帯によってはまさにバズーカ砲のような超望遠レンズを装着したカメラがずらっと並びます。ネットで検索するとここで撮影された珍しい野鳥の姿を多々目にできます。三脚に足を引っかけたりしないよう注意して静かに近づくと親切なカメラマンさんなら色々と教えてくださいます。(やや自慢げに。笑)
奥庭荘の前を通り過ぎ更に先に進みます。両側は富士の森林限界点まで続く黄色く色づいたカラマツやダケカンバです。
10 分もしないうちに骸骨のような倒木が現れます。
倒木は灰色ですのでやはり空は青い方が映えます。問題は太陽の向きです。富士山は南東方向に位置しますので午前 10 時くらいから正午位が写真を撮るに適した太陽の位置ではないかと。それ以降は写真の画角に太陽が入り込んでしまいますのでゴーストが写ってしまったり。ただこの辺りは撮る方の好みや意図に依りますので色々と楽しんでいただければと思います。
この辺りには好撮影スポットが何ヶ所もありますので、慌てて撮り始めるより少し早めに着いてロケハンしてから撮り始めるもの宜しいかと。
いずれのスポットも旨い空気に霊峰富士の眺め、野鳥のさえずりが心行くまで楽しめます。運が良ければ見たこともないような野鳥が目の前に飛来したり。
遊歩道の一番奥にあずま屋が有ります。
そのまま進みますとグルっと回って元に戻ることとなりますがあずま屋から先は残念ながら富士山は見えにくくなってしまいますのでご無理されませんよう。
もう一つ夜だけの穴場スポットが有ります。
奥庭駐車場から五合目方向に向かい 2km ほどのところに大型バス用と思われる駐車スペースが有ります。
裾野から山頂までダイナミックな富士山を眺めることができるポイントです。当然日中は観光バスが出入りしますので迷惑駐車はマネー違反ですが、観光バスの出入りが無い深夜の時間帯は星と富士山の好適ポイントとなります。
明け方富士山の方角にカメラを向けていたところ運よく流れ星とオリオン座を一緒に収めることができました。

超広角レンズで写したためにやや富士山が平べったく、流星も実際に見たものより小さい印象になってしまいましたが清澄な空気と静けさの中、手はかじかみながらも悠久の時を満喫です。
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