2015/09/08 業界コラム 園井 健二 日常生活での酸化還元反応体験 ~ 抗酸化物質による健康法(2) No.7 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二 当社 技術顧問...もっと見る 当社 技術顧問 暑かった夏も過ぎ、愛媛県、大分県から、青いレモンが出荷される季節になりました。 広島県瀬戸田町は、レモンの最大産地で、地元ならではの「レモンを使った料理」が番組で紹介されたこともあります。 レモンの皮を刻んだ「レモンピール」は、抗酸化物質が豊富で、塩レモンの主役です。 なお、以下の説明では、随所に下記文献から引用させて頂きました。 石神 昭人 著 「ビタミンCの事典」※1 ビタミンCといえばレモンですが、レモン~個分のビタミンCと換算する理由農林水産省が「ビタミンC含有菓子の品質表示ガイドライン」によって「レモン1個分のビタミンC」を20mgを基準とするように定めたからです。2008年に廃止されました。 五訂増補日本食品標準成分表(文部科学省)で計算すると、 実際の計算値は18mgです。 石神 昭人 著 「ビタミンCの事典」、p21※1 市販のレモン関連商品以前から、レモンのクエン酸による酸味を和らげるため、ハチミツを入れて「ハチミツレモン」にはしますが、逆の「塩レモン」は、2~3年前からブームです。 塩レモン健康法「塩レモン」に出会い、つくりはじめたのは 2010 年晩秋のことです。なぜ塩レモンかというと、塩味のついたレモンを種以外そっくり利用するという意味をこめて命名したのがはじまりでした。 そのころはまだ、この加工方法は世間ではあまり知られておらず、呼び名も「レモンの塩漬け」、「塩漬けレモン」という言い方しかありませんでした。・・・ いわば名付け親になったわけです。 出典:赤坂みちよ 「塩レモン健康法」※2 レモンを皮ごと塩漬けし発酵させる、無農薬・国産レモンならではの料理です。しかも、梅干し(一般に塩分20%)より低い塩分量0%で漬け込むことで、レモンの香りと酸味を生かしたことが、著者の加工方法の最大の特徴です。しかしながら、まだ塩分量10%ですから、沢山食べる訳にはいきません。小さじ(5mℓ)1~2杯程度(塩分1g以下)を、薄めて摂取することになります。 ほとんどの動物はビタミンCを作れるのに、人間が作れない理由ヒト、チンパンジーなど除くほとんどの動物は、ビタミンCを、ブドウ糖を出発材料として作ることができます。私たちもその一連の酵素を持っていますが、プロセスの最後に位置する酵素(GLO)の遺伝子変異が約2500万年前にあり、作ることができません。 出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p55-p68 文責筆者要約※1 生活環境が違えば滅亡していたわけですが、天敵を避けて樹上生活していた祖先は、手を伸ばせばすぐ食べられる葉っぱに含まれているビタミンCを、わざわざブドウ糖から作るより都合が良かったようです。またブドウ糖は、巨大化しはじめていた脳の 栄養源として必要量が増大していました。 なぜ植物はビタミンCが必要なのか?植物は、ビタミンCを大量に合成し、緑の葉や果実、貯蔵組織にビタミンCが非常に多く含まれています。そして、光合成により過剰に発生する過酸化水素を、安全な水に変える酵素を助けています。植物のビタミンC生合成経路は2系列ありますが、最後に位置する酵素(GLDH)は、動物と共通の祖先遺伝子です。しかし、植物のシロイヌナズナで、ビタミンC合成酵素(GLDH)遺伝子を破壊した変異株と正常な野生株とに強い光を照射し耐性能を比較した研究では、耐性能に変わり無くビタミンCの役割は、未だすべて解明されているとはいえません。 出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p72-p74 文責筆者要約※1 筆者の推定ですが、植物はさまざまな抗酸化物質を作っています。動物と共通のミトコンドリア由来のビタミンCが無くても、シアノバクテリア由来の抗酸化物質でバックアップできると考えられます。 ビタミンCを作れないマウスを開発し、長期的なビタミンC不足の場合の寿命を比較動物の場合は、著者たちが、SMP30/GNL 遺伝子破壊マウスを開発に成功し、そのマウスを使った実験から、マウスも、ビタミンCが欠乏すると壊血病になります。 さらに壊血病にならない範囲でのビタミンC長期欠乏でも、老化を促進して寿命を縮めることが分かりました。いくつか理由が考えられますが、特定されてはいません。 出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p216-p221 文責筆者要約※1 ビタミンCの多い食材出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p114※1ビタミンCの多く含む食材として、真っ先に思い浮かべるのはレモンやイチゴなど酸味のある果物ではないでしょうか。意外にも、レモンやイチゴに含まれているビタミンCの量はそれほで多くはありません(図18)。 ビタミンCを多く摂れる、よい食材はジャガイモです。100gあたりのビタミンCの量は35mgとそれほど多くありません。 しかし、効率的にビタミンCを摂れる良い食材のひとつです。 ジャガイモは、茹でるなど熱を加えても、ジャガイモの中に多く含まれているでんぷんが、ビタミンCを熱から保護して、ビタミンCの分解を防いでくれるからです。熱によるビタミンCの減少量が、非常に少ないのです。ジャガイモには図19のように、ビタミンC以外にもたくさんのビタミンやミネラル、食物繊維が含まれています。 出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p111-p112※1 出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p115※1筆者要約 生で食べる場合は、果物かサラダです。 温めて飲む場合は、緑茶です。 加熱して食べる場合は、ジャガイモです。 ミネラル豊富な還元水が、ビタミンCとビタミンEの再生に有効ビタミンCは、細胞内に取り込まれ、還元型ビタミンCになります。この時に働く酵素が有ります。 酵素には、ミネラルが必要です。 還元型ビタミンCは、酸化後、酵素で還元されて再利用されます。 このために、細胞内が、還元的な環境であることが大事です。ビタミンCと同時に、水素水とミネラル豊富な還元塩を摂取します。 ビタミンCの再生出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p93※1ビタミンCによるビタミンEの再生ビタミンEの再生には、ビタミンCが必要です。 出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p108※1ビタミンCを摂取するのに効果的なタイミング6時間ぐらいの間隔、朝昼晩の食事のタイミングでの摂取がお勧めです。 私たち人間はからだの中でビタミンCを作ることができません。そのため、ビタミンCを食物から摂取する以外にビタミンCを得る方法がありません。 食物の種類にもよりますが、食物から摂取したビタミンCは約2~3時間で血液中の濃度がピークに達します。 また、一度に多くのビタミンCを摂取しても余剰分はすぐに尿から排泄されます。そのため、ビタミンCをからだの中に摂り溜めておくことはできません。 ビタミンCを6時間ぐらいの間隔でこまめに摂るのがよいのではないでしょうか。 朝昼晩と食事の時にビタミンCの豊富な野菜や果物を摂ることをお勧めします。もし、食事の時にどうしてもビタミンCを摂ることができない時には、 ビタミンC飲料やサプリメントで補給するのもよい方法です。ビタミンCの1回あたりの摂取量については20~30歳の健常な日本人男性では 100mgが適当ではないかと考えられます。しかし、ビタミンCの腸からの吸収量やからだの中での消費量、さらに排泄量は年齢や性別、個人によって違います。そのため、中高年からお年寄りではもう少し多い量のビタミンCを摂ることをお勧めします。 出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p17※1 著者推奨のビタミンCの1回あたりの摂取量 100mg(レモン5個分)を全て食品から摂ることは、相当に努力しないとできません。 ビタミンCを欠かさず摂取する具体的な方法ビタミンC以外の栄養素やクエン酸も含まれている濃縮レモン果汁をミネラル(還元塩)と水素水で割って飲む方法が効果的です。 レモン果汁の代用をビタミンCサプリメントだけにすると、筆者の感想では、効き目が少し落ちるようです。さまざまな栄養の協調した働きが必要なため単独の栄養摂取を続けると、栄養不足になって効果が減少するようです。 サプリメントは、”プラスα”として、摂取するのが良いと思います。 筆者推奨の ”スーパー還元水” 器具・材料 分量 計量カップ 200mℓ 水素水 120mℓ 還元塩 (キパワーソルト) 1g または 小さじ1/4 1.25mℓ 濃縮レモン果汁 大さじ1杯 15mℓ 塩分濃度 0.80% ビタミンC含有量 25mg 必要に応じ、いずれかのサプリメント追加 錠剤 顆粒 摂取量 1錠 1/3包 ビタミンC追加量 160mg 160mg サプリメント例 錠剤 顆粒 単位 ビタミンC含有量 3錠 500mg 1包 500mg 自宅で水素水を作る方法の紹介市販の2リットル冷水筒を使って、水素水を大量につくります。筆者が数社の冷水筒を使ったなかでベスト製品 冷蔵庫用縦置き・横置き両用タイプ(下記写真) 【選定ポイント】 透明で内部が見える 内部を洗い易い ― 発生した水素の抜けにくい条件を満足 ― 気密性が高い 上部に空気溜まりができない構造 水補充用の栓が外し易い 水素水を使い易くする容器【引用文献】石神 昭人「ビタミンCの事典 」(東京堂出版 2011年10月) — 著者紹介(2011年時点)— 東邦大学薬学部生化学、准教授(2008年) 東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム・分子老化制御、研究副部長 日本基礎老化学会(理事) ビタミンC研究委員会(委員) 日本ビタミン学会(評議員、トピックス等担当委員) 赤坂みちよ 「塩レモン健康法」(学研パブリッシング 2014年9月)、p2-p3 — 著者紹介— 女子栄養大学栄養学部卒業 管理栄養士、国際中医薬膳師 カフェ・ビーンズ主宰 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二さんのその他の記事 2017/01/11 業界コラム 安全対策 ~ 「うっかり」と「うとうと」によるミスを防ぐ方法 No.16 2016/12/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 環境や視点を変えて心を整える習慣 No.15 2016/09/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 睡眠時間と体内時計を乱さない生活習慣 No.14 2016/08/02 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 頭脳を休める生活習慣 No.13 2016/07/05 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 発酵食品を摂取する生活習慣 No.12 2016/06/07 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 腸内フローラを育てる生活習慣 No.11 2015/12/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(5)No.10 2015/11/03 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(4) No.9 2015/10/06 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 焙煎した種子を摂取する健康法(3) No.8 2015/09/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応体験 ~ 抗酸化物質による健康法(2) No.7 2015/08/04 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 抗酸化物質による健康法(1) No.6 2015/07/07 業界コラム 日常生活での血糖値測定 ~ 食後高血糖を抑える健康法 No.5 2015/06/09 業界コラム 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Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月