暑かった夏も過ぎ、愛媛県、大分県から、青いレモンが出荷される季節になりました。
広島県瀬戸田町は、レモンの最大産地で、地元ならではの「レモンを使った料理」が番組で紹介されたこともあります。
レモンの皮を刻んだ「レモンピール」は、抗酸化物質が豊富で、塩レモンの主役です。
なお、以下の説明では、随所に下記文献から引用させて頂きました。
石神 昭人 著 「ビタミンCの事典」※1
ビタミンCといえばレモンですが、レモン~個分のビタミンCと換算する理由
農林水産省が「ビタミンC含有菓子の品質表示ガイドライン」によって「レモン1個分のビタミンC」を20mgを基準とするように定めたからです。2008年に廃止されました。
五訂増補日本食品標準成分表(文部科学省)で計算すると、 実際の計算値は18mgです。
石神 昭人 著 「ビタミンCの事典」、p21※1
市販のレモン関連商品

以前から、レモンのクエン酸による酸味を和らげるため、ハチミツを入れて「ハチミツレモン」にはしますが、逆の「塩レモン」は、2~3年前からブームです。
塩レモン健康法
「塩レモン」に出会い、つくりはじめたのは 2010 年晩秋のことです。なぜ塩レモンかというと、塩味のついたレモンを種以外そっくり利用するという意味をこめて命名したのがはじまりでした。
そのころはまだ、この加工方法は世間ではあまり知られておらず、呼び名も「レモンの塩漬け」、「塩漬けレモン」という言い方しかありませんでした。・・・ いわば名付け親になったわけです。
出典:赤坂みちよ 「塩レモン健康法」※2
レモンを皮ごと塩漬けし発酵させる、無農薬・国産レモンならではの料理です。しかも、梅干し(一般に塩分20%)より低い塩分量0%で漬け込むことで、レモンの香りと酸味を生かしたことが、著者の加工方法の最大の特徴です。しかしながら、まだ塩分量10%ですから、沢山食べる訳にはいきません。小さじ(5mℓ)1~2杯程度(塩分1g以下)を、薄めて摂取することになります。
ほとんどの動物はビタミンCを作れるのに、人間が作れない理由
ヒト、チンパンジーなど除くほとんどの動物は、ビタミンCを、ブドウ糖を出発材料として作ることができます。私たちもその一連の酵素を持っていますが、プロセスの最後に位置する酵素(GLO)の遺伝子変異が約2500万年前にあり、作ることができません。
出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p55-p68 文責筆者要約※1
生活環境が違えば滅亡していたわけですが、天敵を避けて樹上生活していた祖先は、手を伸ばせばすぐ食べられる葉っぱに含まれているビタミンCを、わざわざブドウ糖から作るより都合が良かったようです。またブドウ糖は、巨大化しはじめていた脳の 栄養源として必要量が増大していました。
なぜ植物はビタミンCが必要なのか?
植物は、ビタミンCを大量に合成し、緑の葉や果実、貯蔵組織にビタミンCが非常に多く含まれています。そして、光合成により過剰に発生する過酸化水素を、安全な水に変える酵素を助けています。植物のビタミンC生合成経路は2系列ありますが、最後に位置する酵素(GLDH)は、動物と共通の祖先遺伝子です。しかし、植物のシロイヌナズナで、ビタミンC合成酵素(GLDH)遺伝子を破壊した変異株と正常な野生株とに強い光を照射し耐性能を比較した研究では、耐性能に変わり無くビタミンCの役割は、未だすべて解明されているとはいえません。
出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p72-p74 文責筆者要約※1
筆者の推定ですが、植物はさまざまな抗酸化物質を作っています。動物と共通のミトコンドリア由来のビタミンCが無くても、シアノバクテリア由来の抗酸化物質でバックアップできると考えられます。
ビタミンCを作れないマウスを開発し、長期的なビタミンC不足の場合の寿命を比較
動物の場合は、著者たちが、SMP30/GNL 遺伝子破壊マウスを開発に成功し、そのマウスを使った実験から、マウスも、ビタミンCが欠乏すると壊血病になります。
さらに壊血病にならない範囲でのビタミンC長期欠乏でも、老化を促進して寿命を縮めることが分かりました。いくつか理由が考えられますが、特定されてはいません。
出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p216-p221 文責筆者要約※1
ビタミンCの多い食材

ビタミンCの多く含む食材として、真っ先に思い浮かべるのはレモンやイチゴなど酸味のある果物ではないでしょうか。意外にも、レモンやイチゴに含まれているビタミンCの量はそれほで多くはありません(図18)。
ビタミンCを多く摂れる、よい食材はジャガイモです。100gあたりのビタミンCの量は35mgとそれほど多くありません。 しかし、効率的にビタミンCを摂れる良い食材のひとつです。
ジャガイモは、茹でるなど熱を加えても、ジャガイモの中に多く含まれているでんぷんが、ビタミンCを熱から保護して、ビタミンCの分解を防いでくれるからです。熱によるビタミンCの減少量が、非常に少ないのです。ジャガイモには図19のように、ビタミンC以外にもたくさんのビタミンやミネラル、食物繊維が含まれています。
出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p111-p112※1

筆者要約
- 生で食べる場合は、果物かサラダです。
- 温めて飲む場合は、緑茶です。
- 加熱して食べる場合は、ジャガイモです。
ミネラル豊富な還元水が、ビタミンCとビタミンEの再生に有効
ビタミンCは、細胞内に取り込まれ、還元型ビタミンCになります。この時に働く酵素が有ります。 酵素には、ミネラルが必要です。
還元型ビタミンCは、酸化後、酵素で還元されて再利用されます。
このために、細胞内が、還元的な環境であることが大事です。ビタミンCと同時に、水素水とミネラル豊富な還元塩を摂取します。
ビタミンCの再生

ビタミンCによるビタミンEの再生
ビタミンEの再生には、ビタミンCが必要です。

ビタミンCを摂取するのに効果的なタイミング
6時間ぐらいの間隔、朝昼晩の食事のタイミングでの摂取がお勧めです。
私たち人間はからだの中でビタミンCを作ることができません。そのため、ビタミンCを食物から摂取する以外にビタミンCを得る方法がありません。 食物の種類にもよりますが、食物から摂取したビタミンCは約2~3時間で血液中の濃度がピークに達します。
また、一度に多くのビタミンCを摂取しても余剰分はすぐに尿から排泄されます。そのため、ビタミンCをからだの中に摂り溜めておくことはできません。 ビタミンCを6時間ぐらいの間隔でこまめに摂るのがよいのではないでしょうか。
朝昼晩と食事の時にビタミンCの豊富な野菜や果物を摂ることをお勧めします。もし、食事の時にどうしてもビタミンCを摂ることができない時には、 ビタミンC飲料やサプリメントで補給するのもよい方法です。ビタミンCの1回あたりの摂取量については20~30歳の健常な日本人男性では 100mgが適当ではないかと考えられます。しかし、ビタミンCの腸からの吸収量やからだの中での消費量、さらに排泄量は年齢や性別、個人によって違います。そのため、中高年からお年寄りではもう少し多い量のビタミンCを摂ることをお勧めします。
出典:石神昭人 「ビタミンCの事典」、p17※1
著者推奨のビタミンCの1回あたりの摂取量 100mg(レモン5個分)を全て食品から摂ることは、相当に努力しないとできません。
ビタミンCを欠かさず摂取する具体的な方法
ビタミンC以外の栄養素やクエン酸も含まれている濃縮レモン果汁をミネラル(還元塩)と水素水で割って飲む方法が効果的です。
レモン果汁の代用をビタミンCサプリメントだけにすると、筆者の感想では、効き目が少し落ちるようです。さまざまな栄養の協調した働きが必要なため単独の栄養摂取を続けると、栄養不足になって効果が減少するようです。
サプリメントは、”プラスα”として、摂取するのが良いと思います。
筆者推奨の ”スーパー還元水”

器具・材料 | 分量 |
計量カップ | 200mℓ |
水素水 | 120mℓ |
還元塩 (キパワーソルト) |
1g または 小さじ1/4 1.25mℓ |
濃縮レモン果汁 | 大さじ1杯 15mℓ |
塩分濃度 | 0.80% |
ビタミンC含有量 | 25mg |
必要に応じ、いずれかのサプリメント追加
錠剤 | 顆粒 | |
摂取量 | 1錠 | 1/3包 |
ビタミンC追加量 | 160mg | 160mg |
サプリメント例 | 錠剤 | 顆粒 |
単位 ビタミンC含有量 |
3錠 500mg |
1包 500mg |
自宅で水素水を作る方法の紹介
市販の2リットル冷水筒を使って、水素水を大量につくります。
筆者が数社の冷水筒を使ったなかでベスト製品
冷蔵庫用縦置き・横置き両用タイプ(下記写真)
【選定ポイント】
- 透明で内部が見える
- 内部を洗い易い
― 発生した水素の抜けにくい条件を満足 ― - 気密性が高い
- 上部に空気溜まりができない構造
- 水補充用の栓が外し易い

水素水を使い易くする容器

【引用文献】

石神 昭人「ビタミンCの事典 」(東京堂出版 2011年10月)
— 著者紹介(2011年時点)—
東邦大学薬学部生化学、准教授(2008年)
東京都健康長寿医療センター研究所
老化制御研究チーム・分子老化制御、研究副部長
日本基礎老化学会(理事) ビタミンC研究委員会(委員)
日本ビタミン学会(評議員、トピックス等担当委員)
赤坂みちよ 「塩レモン健康法」(学研パブリッシング 2014年9月)、p2-p3
— 著者紹介—
女子栄養大学栄養学部卒業
管理栄養士、国際中医薬膳師
カフェ・ビーンズ主宰
公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二さんのその他の記事
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