2016/08/02 業界コラム 園井 健二 日常生活での健康法 ~ 頭脳を休める生活習慣 No.13 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二 当社 技術顧問...もっと見る 当社 技術顧問 筆者は、人の目による異物検出を、画像処理に置き換える設備の開発を行ってきました。 夕日目の疲労は脳の疲労ですが、脳の疲労原因も、単純なものから複雑なものまであります。現在は、インターネット経由で、人同士がネットワークに組み込まれています。 昼夜逆の地球の反対側の映像も短時間で伝送されてきますから、入力を制御しないと、頭脳の休まる時がなく、疲労し易い環境になっています。 まずは、頭脳を休める必要があるのですが、ネットワークを遮断するだけでは不十分です。 参考文献:梶本 修身 著「すべての疲労は脳が原因」 ※1 「メンタルヘルス」と「ストレスチェック」多くの人には、あこがれの宇宙飛行士ですが、過酷なストレスにさらされています。 参考文献:週刊東洋経済「ストレスチェックがやって来た!」 ※1 さて、昨年 12 月から多くの企業に「ストレスチェック」(注) が義務づけられました。 以前より「職場のメンタルヘルス」を守る活動が実施中です。 手元に、平成 2 年に職場で配布された小冊子があります。当時の内容は、長時間残業による疲労が引き金となった「心の病」が課題でした。 当時は、朝から夜 10 時までの残業が普通という時代でしたが、周辺は農家の方たちが多く、「クレージー」と噂されていました。実は、残業時間だけで心身全体のストレスを捕捉できません。通勤時間など差し引いた後の、1 日の睡眠時間が重要です。【「睡眠法」については、改めてご紹介させていただきます。】 また、筆者の場合、長年、新製品開発という専門職でしたので、寝ても覚めても考え続ける生活スタイルです。 今は、禁句になった感のある「チャレンジ」という言葉ですが、進め方次第で、「ストレス」が「やりがい」になります。 一般的に、時間不足が「ストレス」を生む大きな要因です。ポイントは、目標設定の仕方と実現可能な工程です。 (注): 当社では、表現を変えて「活き生き診断」と命名しています。 『今日、一日の区切りで生きる』 習慣を身につける「道は開ける」の最初の章に、サー・ウィリアム・オスラー博士(1849 年 ~ 1919 年)の言葉が記載されています。筆者の ”座右の銘” の一つですが、孫引きで引用します。 引用文献:DALE CARNEGIE 著「道は開ける」 ※1サー・ウィリアム・オスラーはエール大学の学生を前にして講演した。……(略)……講演の数カ月前、オスラーは豪華客船で大西洋を渡った。 「君たち一人ひとりは、豪華客船よりもはるかにすばらしい有機体であり、ずっと長い航海をするはずです。……(略)……航海を安全確実なものとするために、『一日の区切りで』生きることによって自分白身を調節することを学べということです。……(略)……ボタンを押してみなさい……(略)……生活のあらゆる部分で鉄の扉が過去……(略)……を閉め出してゆく音が聞こえるでしょう。またもう一つのボタンを押して鉄の扉を動かし、末来を閉め出すのです。そうしてこそ、今日一日安泰です。……(略)……昨日の重荷に加えて、明日の重荷まで今日のうちに背負うとしたら、どんな強い人でもつまずいてしまうでしょう。……(略)……未来とは今日のことです……(略)……。『今日、一日の区切りで生きる』 習慣を身につけるように心がけるべきでしょう。」 易しくいうと、「時間を区切り、集中して実行した後は、心を解放して、ぐっすり休みなさい。」ということでしょうか。寝ている間に、頭の中も整理され、良いアイデアも思いつきます。 経験では、難しい課題は、一晩で解決策は浮かびません。何日も掛けて思いつくものです。従って、一夜漬けにならないよう、予め工程をしっかり立て、スタートする必要があります。 ウォーキング・メディテーション(歩く瞑想)身体を休めていても、頭脳はあれやこれやと考えるのを止めません。脳内の神経の発火現象が止まれば生命の死ですから、生きている限り、止まることはありません。また、”脳” が ”脳” に休みなさいと命令しても、自己矛盾で、休ませることは出来ません。 意識的呼吸がすぐ実行できる良い方法ですが、楽しく実行できる「歩く瞑想」もお勧めです。一見易しいようで、実際に行って見ると、すぐ、心が「よそ見」をしてしまいます。 筆者は見習い段階のため、第一人者ティク・ナット・ハン師の説明を、引用します。 引用文献:ティク・ナット・ハン著「微笑みを生きる――<気づき>の瞑想と実践」 ※1ウォーキング・メディテーションはとても楽しい瞑想法です。 ……(略)……どこかに到着するために歩くのではなく、ただ歩くために歩くのです。現在のこの一瞬に気づくこと、自分の息と歩くことに気づくこと、一歩一歩を楽しんで踏みしめることがこの瞑想の目的です。だからまず最初から、心配ごとも不安もすべて捨て、先のことを考えたり、過去に引きずられたりしないで、ただ、いまの、この一瞬を味わって歩きます。 ……(略)…… 私たちはいつも歩いているけれど、歩くというより走っていることのほうが多いのではないでしょうか。 ……(略)……私たちが歩くときには、この大地に平和と静寂を刻むように歩かなければいけません。 ……(略)……戸外でウォーキング・メディテーションを行なうときには、いつものペースよりゆっくりめに歩きます。そして、その歩みに呼吸を合わせてゆきます。 ……(略)……歩いていて、しずかな喜びが湧きあがってくるならば、それが、正しい歩き方です。 それから、大地とあなたの足が接する、その感触に気づいてみてください。 ……(略)……ときには美しいものに目をむけて、じっと見つめてみるのもいいですね。 ……(略)……見つめながらも自分の息からこころを離さないでください。 ……(略)……そしてまた歩きたくなったら、見るのをやめて歩きはじめます。一歩あゆむごとに心地よい風が立って、こころと体をリフレッシュしてくれます。一歩踏みだすごとに足もとに花が咲きます。過去や未来を思わず、いま、ここ、このときに生きることができたら、私たちの一歩一歩のあゆみのなかに、だれもが美しい花を咲かせることができるのです。 引用文献および参考文献梶本 修身「すべての疲労は脳が原因」(集英社 2016年4月) — 著者紹介 — 梶本修身(かじもとおさみ) 医学博士。大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。 東京疲労・睡眠クリニック院長。1962年生まれ。 大阪大学大学院医学研究科修了。 2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。 ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。 著書に『間違いだらけの疲労の常識だから、あなたは疲れている!』『最新医学でスッキリ!「体の疲れ」が消える本』他。 週刊東洋経済「ストレスチェックがやって来た!」(2015年12月19日号) DALE CARNEGIE「道は開ける」(創元社1999年10月)、p26~27 — 著者紹介 — DALE CARNEGIE 1888年、米国ミズーリ州の農家に生まれ、州立学芸大学卒業後、雑誌記者、俳優、セールスパーソン等雑多な職業を経で、YMCA弁論術担当となり、やがてD・カーネギー研究所設立。人間関係の先覚者として名声を博す。 1955年、66歳で死去。 ティク・ナット・ハン「微笑みを生きる――<気づき>の瞑想と実践」(春秋社1995年4月)、p33~36 — 著者紹介 — ティク・ナット・ハン 1926年中部ヴェトナムで生まれる。10代で出家し禅僧となる。 ヴェトナムにおいて社会福祉青年学校、ヴァン・ハン仏教大学、及びティエプ・ヒエン(インタービーイング)教団を設立。コロンビア大学、ソルボンヌ入学で教鞭を取る。 パリ平和会議にヴェトナム仏教徒首席代表として参加。マーティン・ルーサー・キング牧師によってノーベル平和賞に推挙される。1966年以降フランスに亡命。 農業、著述、講演活動のかたわら、世界的規模で難民救出活動を展開、英語、フランス語、及びヴェトナム語による著書は85冊以上に及ぶ。邦訳のある著書に、『生けるブッダ、生けるキリスト』『禅への鍵』『小説ブッダ』 『死もなく、怖れもなく』 『法華経の省察』(以上、春秋社)、『仏の教えビーイング・ピース』(中公文庫)、『あなたに平和が訪れる禅的生活のすすめ』『あなたに幸福が訪れる禅的生活のこころ』(以上、アスペクト)などがある。 — 編者紹介 — アーノルド・コトゥラー 1969年から1984年まで、サンフランシスコ及びタサハラ禅センターで正規の禅修行を積む。パララックス出版社設立。編集長。カリフォルニア州バークレイの出版社で、ティク・ナット・ハン師の著作を含む、気づきと社会的責任に関する書籍、テープの出版に従事。 — 訳者紹介 — 池田久代 1949年、山口県に生まれる。1975年、同志社女子大学 大学院修士課程文学研究科修了(英文学専攻)。 1989年より、渡辺臣師のもとで、ヨーガ(インド哲学、 サンスクリット語等)、及び、仏教の瞑想指導を受ける。 現在、皇學館大学文学部教授。 著書に、『もっと知りたいニュージーランド』(弘文堂、共著)、 『ニュージーランドを知るための63章』(明石書店、共著)。 訳書に、ティク・ナット・ハン『生けるブッダ、生けるキリスト』 『小説ブッダ』 『死もなく、怖れもなく』(以上、春秋社)など。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二さんのその他の記事 2017/01/11 業界コラム 安全対策 ~ 「うっかり」と「うとうと」によるミスを防ぐ方法 No.16 2016/12/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 環境や視点を変えて心を整える習慣 No.15 2016/09/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 睡眠時間と体内時計を乱さない生活習慣 No.14 2016/08/02 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 頭脳を休める生活習慣 No.13 2016/07/05 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 発酵食品を摂取する生活習慣 No.12 2016/06/07 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 腸内フローラを育てる生活習慣 No.11 2015/12/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(5)No.10 2015/11/03 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(4) No.9 2015/10/06 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 焙煎した種子を摂取する健康法(3) No.8 2015/09/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応体験 ~ 抗酸化物質による健康法(2) No.7 2015/08/04 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 抗酸化物質による健康法(1) No.6 2015/07/07 業界コラム 日常生活での血糖値測定 ~ 食後高血糖を抑える健康法 No.5 2015/06/09 業界コラム 日常生活での温度測定(2)~ 発酵食品による健康法 No.4 2015/05/13 業界コラム 日常生活での塩分測定(2) ~ 「適切なミネラルバランスによる健康法」 No.3 2015/04/07 業界コラム 日常生活での塩分測定(1) ~ 塩分濃度測定による健康法 No.2 2015/03/10 業界コラム 日常生活での温度測定(1) ~ 酵素を生かす加熱法 No.1 2011/12/06 業界コラム 人に優しい設備、 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Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月