2016/12/06 業界コラム 園井 健二 日常生活での健康法 ~ 環境や視点を変えて心を整える習慣 No.15 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二 当社 技術顧問...もっと見る 当社 技術顧問 例年より早い冬の訪れとなりました。雪が降ると交通機関のダイヤが乱れ易く、余裕を持って移動する必要があります。都会では歓迎されない積雪ですが、子供たちは大喜びで雪遊びをします。 筆者も、朝、起きたとき窓の外に見る真っ白な雪景色は、子供の時から好きです。心が引き締まってすっきりしますし、更に朝日が差してくると美しい風景になります。雪に恵まれない国から見れば、日本の貴重な観光資源でもあります。 また、日本の四季折々の美しい風景が、「心」に与える影響は多大なものです。「心」で直接「心」をコントロールすることは難しいのですが、環境を変えて間接的にコントロールすることは容易です。机上の整理整頓で並べ方を変えたりキーボードを掃除しても分かります。環境と心とは、相互依存の「対」になった関係にあります。 「新潟市内の公園の雪景色」 2016年1月 筆者撮影地球の歴史を思い浮かべて、課題の大きさを相対化する科学の進歩に尽力された先達のお陰で、宇宙の果てから素粒子の世界までを垣間見ることができるようになりました。また宇宙の歴史で見ると、150 億年前のビッグバンから、ちょっと怖い 10 億年後の地球の未来まで明らかになっています。今、分かり易く解説された本や映像の恩恵で、専門書を読まなくても、古代の人々に比べて無限ともいえる時間と空間を旅し、そこから「今、ここ」を眺めることができます。仏教文化が根付いている日本では当たり前のようにしている「無常と涅槃の世界観」を科学的に説明できるのです。 地球大変動の歴史のなかから、生命は誕生したのですが、地中に生まれた生物が海中に進出して以降も、「氷河期」どころではない「地球の全球凍結」という大変寒い時代があったことが分かっています。6 億 5 千万年前、厚い氷河が地球の全表面を覆っていました。平均気温はマイナス 40℃、赤道上でもマイナス 30℃、厚さ 1 キロもの氷の世界です。地球温暖化とは真逆の厳しい環境が、気の遠くなるような 1000 万年も続いたのです。その時、海中の生物は、何も方策なく生き延びたわけではなく、あらゆる可能性を試していました。いつ終わるともしれない雪解けを待つ・・・「過去のことも未来のことも悩まず、ひたすら待ち続ける」・・・単細胞の生物に備わる遺伝子が、私たちのなかにもあります。そうでなければ、「今、ここ」に生きていないのですから。そして全球凍結が終わった後、カンブリア爆発といわれる、多様性のある生物が出現したのです。 また、地底深くに住む生物は、地熱と地層に浸透してくる海水を利用して繁栄していることが分かってきました。「全球凍結」による悪影響も少なかったと思います。 地球の生物は、地球の中心部の核から、マントルによって熱が運ばれ続けている限り、全滅することは無いのです。地球は、人類だけの世界ではありません。 課題からくるストレスに対し、視点を変えて、「今、ここ」に生きる視点を大きく変えてみることで、「どんなストレス」も、小さい悩みであることがわかると思います。しかしながら、無為無策で後回しすることを勧めている訳ではありませんし、小さな問題として無視して良いと言っているのではありません。ストレスは、生き延びる工夫を促すシグナルです。「神は細部に宿る」との格言もあります。細部こそ、今すべきことかもしれません。 飛行機に乗る際、窓際の席を予約し、ずっと空と地上を眺め続ける方法もお勧めです。国内ですと飛行時間が短いので、直ぐ着陸態勢に入りますが。北陸新幹線の開業前、新潟から金沢まで連続 4 時間の列車の旅が、車窓の風景を眺め続けるのに良い方法でした。(今は、北陸新幹線の上越妙高駅で乗り換えになりました。)個人差はありますが、 3~4 時間が程よい時間と思います。 毎日できる手軽な方法として、日中は、外に出て、木々の多い公園などを考え事をしないで風景をしっかり見ながら、ゆっくり散歩することにしています。 「広島近くの瀬戸内海」 2014年1月 筆者撮影 「車窓から、立山連峰を望む」 2016年10月 筆者撮影 参考文献 中沢弘基「生命誕生」(講談社現代新書 2014年5月) — 編者紹介 — 中沢弘基(なかざわひろもと) 1940年長野市生まれ。 物質・材料研究機構名誉フエロー。日本地球惑星科学連合フエロー。元東北大学大学院理学研究科教授、元無機材質研究所総合研究官、元日本粘土学会会長。 著書:「生命の起源 地球が書いたシナリオ」(新日本出版社、2006年) 主な受賞歴:日本結晶学会賞(1978年)、科学技術庁長官賞(1992年)、 井上春成賞(1998年)、全国発明表彰発明賞(1999年)、 産学官連携功労者表彰経団連会長賞(2006年) 褒章:紫綬褒章(X線導管を用いた走査型X線分析顕微鏡の発明)(2000年) 叙勲:瑞宝中綬章(2011年) 生命の起源を探る研究を進めていくと、物理や化学の論理だけでは説明できない、さまざまな謎に直面します。なぜ岩石や鉱物ばかりの原始地球に炭素や水素でできた有機分子が出現したか? しかも、アミノ酸や糖など生物をつくる基本的な有機分子はみんな、なぜ水溶性で粘土鉱物と親和的なのか? なぜ、それらがタンパク質や DNA など高分子に進化したのか? いずれもよく知られた事実ですが、「なぜそうなのか?」は今の物理や化学では説明できていません。生命の起源や進化に関する。“なぜ?” には、 生物学、物理学、化学など個々の専門分野の常識では答えられない謎がたくさんあるのです。その最たるものは 「なぜ、生命が発生して、生物には進化という現象があるのか?」 という根源的な命題です。(「はじめに」より) ニュートン「地球と生命」(ニュートン プレス 2015年7月) この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二さんのその他の記事 2017/01/11 業界コラム 安全対策 ~ 「うっかり」と「うとうと」によるミスを防ぐ方法 No.16 2016/12/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 環境や視点を変えて心を整える習慣 No.15 2016/09/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 睡眠時間と体内時計を乱さない生活習慣 No.14 2016/08/02 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 頭脳を休める生活習慣 No.13 2016/07/05 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 発酵食品を摂取する生活習慣 No.12 2016/06/07 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 腸内フローラを育てる生活習慣 No.11 2015/12/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(5)No.10 2015/11/03 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(4) No.9 2015/10/06 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 焙煎した種子を摂取する健康法(3) No.8 2015/09/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応体験 ~ 抗酸化物質による健康法(2) No.7 2015/08/04 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 抗酸化物質による健康法(1) No.6 2015/07/07 業界コラム 日常生活での血糖値測定 ~ 食後高血糖を抑える健康法 No.5 2015/06/09 業界コラム 日常生活での温度測定(2)~ 発酵食品による健康法 No.4 2015/05/13 業界コラム 日常生活での塩分測定(2) ~ 「適切なミネラルバランスによる健康法」 No.3 2015/04/07 業界コラム 日常生活での塩分測定(1) ~ 塩分濃度測定による健康法 No.2 2015/03/10 業界コラム 日常生活での温度測定(1) ~ 酵素を生かす加熱法 No.1 2011/12/06 業界コラム 人に優しい設備、 パソコンの体に優しい使い方と疲労回復法 No.3 2011/10/04 業界コラム 人に優しい設備、 パソコンの体に優しい使い方と疲労回復法 No.2 2011/08/02 業界コラム 人に優しい設備、 パソコンの体に優しい使い方と疲労回復法 No.1 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月