2017/01/11 業界コラム 園井 健二 安全対策 ~ 「うっかり」と「うとうと」によるミスを防ぐ方法 No.16 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二 当社 技術顧問...もっと見る 当社 技術顧問 あけましておめでとうございます。 新年の初詣に神社などを訪れた方も多いと思います。 当社の東京本社の初詣先は、千代田区にある「日枝神社」です。 初詣では、商売繁盛、家内安全、健康長寿、交通安全・・など参拝者それぞれが、今年一年の普遍的な希望を願います。 現実的には、願うだけではなく「自助努力」も必要です。 東京都千代田区「日枝神社」 2013年1月 筆者撮影「うっかり」によるミスを防止年末に糸魚川市で大火災があり、火災予防の重要さを認識させられました。 筆者は、そのニュースを見て他人事とは思えませんでした。 実は最近、台所のガスコンロで煮物を温め直していることを忘れ隣室にいる時、安全機器のセンサーによる警報に、「しまった!」と反省した経験があるからです。 サイレンの音と共に「ガスの元栓を止めて下さい」とのアナウンスもあり、設置以来、初めての警報に「どうした? ガス漏れか?」と戸惑いました。煙もうもうでしたが、煮物が焦げた程度でガスを止めることができ、しっかり働いてくれた安全機器に大感謝でした。 人間には、忘れるという長所と短所が有ります。嫌なことはさっさと忘れて、 ストレスを減らすべきですが、「うっかり」忘れていけないことも有ります。 確実な予防策は、「終わるまで、持ち場を離れないで見守る」方法です。 それでも二つ以上の掛け持ちでは、細かく見るとタイミングを外しています。 他の考え事をしていても同様です。 これらは、コンピュータでは並列処理に相当し、クロックを基に処理しています。 人間の脳の中にもクロック機能がありますが、一つに集中すると他は忘れ易くなります。また個人差の大きい能力で、年齢とともに衰えますから要注意です。 家庭で手軽にできる対策は、キッチンタイマーです。脳内のクロックに頼らず、できればタイマーを持ち歩くのがシンプルで確実です。 ところで、電気製品と同じような、タイマー付きガスコンロはないのでしょうか? 「うとうと」によるミスを防止筆者は、作業員の方が行っていた「目視による選別作業」を 「画像処理による自動選別」に更新する仕事に携わってきました。 処理方法をプログラム化し、連続して自動選別するシステムです。 追加の学習能力はありませんから、最初に教えた通りに動作します。 但し、必要に応じ、判定基準は調整できます。 「実用化された人工知能」といっても良いレベルだと思います。 現在の人工知能と呼んでいるものは、「基本的な処理方法を様々な 場面に対応させ、そのデータを蓄積して、統計的に最適な処理方法を選ぶ」という学習機能を持ったものです。 旅行や日常の通勤・買い物などで、私たちは歩く以外の移動手段を利用しています。 自動車の運転は、視覚に頼って行っていますから、まず画像処理が重要な技術です。更に自動運転に必要な道路状況を理解する「人工知能」が注目され、開発競争が行われています。 さて、私たちが自動車で初めての道を運転するとき、大変気を遣いますが、同じ道でも、回を重ねる毎に楽々と運転できるようになります。実は「初めての道」を運転するように注意深いなら、疲れますが安全運転になります。 (後続車からクラクションを鳴らされるかもしれません。)逆に、「毎日の同じ道」をよそ見や考えごとをしながら運転すれば「万が一」のリスクは高まります。しかし、私たちは退屈を嫌いますし、気持ちを新たにすることもできます。 それでも、高速道路で運転する場合、単調さから瞬間的な居眠り運転をし易くなります。 道路設計では、カーブなど変化をつけていますが、夜間は、外の景色も単調となります。 人間の場合、個人差や時間帯、疲労状態で異なりますが、集中力が途切れず持続できる時間は 15 分程度のようです。 居眠り運転対策として「自動運転」が、交通事故の減少に果たす役割は大きいと思います。 特に、夜間に長距離運転されている運送トラック向けには、必須機能かも知れません。目的は、運転疲れや「うとうと」による交通事故の防止です。 しかし、「自動運転」は雪国に住む方には、あまり「ピン」と来ないのではないでしょうか? 冬場、頼りとする道路が雪で覆われ、道の両側のポールが頼りの場合も有りますし、 吹雪の時は視界も不良です。そんな中でも、時速 30km~40km で走行する車を見ると、大丈夫かな? と思ってしまいます。もちろん通い慣れた道ならではの芸当ですが。 しかし、突然の飛び出しや前方車の急停止などに対応できません、また追突されるのを防止するため、ブレーキを小まめに踏んで後方車に合図を送る気配りも必要です。 これらのことまで人工知能に判断させることは不可能ですし、サーバーから無線で情報伝達するにも、降雪で電波が届かないこともあり得ます。 「除雪された新潟市内の雪道を走る自動車」 2016年1月 筆者撮影自動化されるものは無償化太陽の周りを公転する地球の自転を知識として分かっても、新年は、目出度いことです。但し、私たちに温かい陽射しを注いでくれる太陽に対し、誰も支払っていないのです。気温を保ち、植物が育ち、太陽光発電なども、元の太陽のエネルギーに対して無償です。 人工知能が浸透してくる社会では、必要でも自動化される仕事の費用は下がり(無償化)、例外や異常事態を想定して対応する非定型の仕事の価値が上がるのは必然なのです。 過去に囚われず、毎日の生活を見直して、自動化できる部分とできない部分を見分け、その各々に磨きをかけ進化させていくことが、人間の作った機械や人工知能を超えた人間らしい習慣だと思います。 参考文献 「人類なら知っておきたい「人工知能」の今と未来の話」(PHP研究所 2016年7月) 監修 大阪工業大学教授 本田幸夫 著者 開発社 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする 公益社団法人 日本伝熱学会 会員 園井 健二さんのその他の記事 2017/01/11 業界コラム 安全対策 ~ 「うっかり」と「うとうと」によるミスを防ぐ方法 No.16 2016/12/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 環境や視点を変えて心を整える習慣 No.15 2016/09/06 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 睡眠時間と体内時計を乱さない生活習慣 No.14 2016/08/02 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 頭脳を休める生活習慣 No.13 2016/07/05 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 発酵食品を摂取する生活習慣 No.12 2016/06/07 業界コラム 日常生活での健康法 ~ 腸内フローラを育てる生活習慣 No.11 2015/12/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(5)No.10 2015/11/03 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 良い油脂をバランスよく摂取する健康法(4) No.9 2015/10/06 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 焙煎した種子を摂取する健康法(3) No.8 2015/09/08 業界コラム 日常生活での酸化還元反応体験 ~ 抗酸化物質による健康法(2) No.7 2015/08/04 業界コラム 日常生活での酸化還元反応観察 ~ 抗酸化物質による健康法(1) No.6 2015/07/07 業界コラム 日常生活での血糖値測定 ~ 食後高血糖を抑える健康法 No.5 2015/06/09 業界コラム 日常生活での温度測定(2)~ 発酵食品による健康法 No.4 2015/05/13 業界コラム 日常生活での塩分測定(2) ~ 「適切なミネラルバランスによる健康法」 No.3 2015/04/07 業界コラム 日常生活での塩分測定(1) ~ 塩分濃度測定による健康法 No.2 2015/03/10 業界コラム 日常生活での温度測定(1) ~ 酵素を生かす加熱法 No.1 2011/12/06 業界コラム 人に優しい設備、 パソコンの体に優しい使い方と疲労回復法 No.3 2011/10/04 業界コラム 人に優しい設備、 パソコンの体に優しい使い方と疲労回復法 No.2 2011/08/02 業界コラム 人に優しい設備、 パソコンの体に優しい使い方と疲労回復法 No.1 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月