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新川タイムズ

業界コラム

2021/02/04 業界コラム

これからの安全と技術者の責任

 日本の安全管理は岐路に差し掛かっている。これからの安全管理には3つのポイントがある。  一つ目は「現場力の低下」である。 製造現場の年齢構成は、従来は「二山構造」をしていたが、ベテランの退職により「一山構造」に移行しつつある。若年層はトラブル経験が少なく自動化された設備を運転しているので技術・技能を身につける機会が少ない。  二つ目は「どこまで安全を求めるか」である。 日本社会の安全認識はグローバルな認識とは少しずれている。日本はリスクのないことを安全と考えているが、ISO/IECの「ガイド51では「許容できないリスクのないこと」を安全と定義している。「リスクゼロ」は理念目標であって、実現のためには無限の投資を必要とする。すなわち「どこまでのリスクを許容するか」が問われている。  三つ目は人工知能(AI)、ドローン等の最新の技術進歩を取り入れて、これからの管理体制を構築していくかである。 安全は「人的能力」と「物的能力」との「積」で決まる。人的能力の低下は、設備・システムで補っていく必要がある。これまでは「ボトムアップの安全管理」に依存してきたが、これからはトップ主導の「リスクベースの安全管理」が求められる。...

東京工業大学 特任教授
中村 昌允