2018/09/04 業界コラム 杉田 美保子 スペインの知られざる文化 No.17 スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子 スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。...もっと見る スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。 石川県金沢市でスペインの生活や、スペイン語の楽しさを細々と伝授中。「故郷」バルセロナとはリモートでの繋がりが中心となっている中、余暇に畑を耕したりしながら、日本の生活も楽しんでいる。 京都のバルセロナ文化センターのスタッフとしても、どのようにしてスペイン語の面白さをみなさんに伝えられるか、日々模索中。 スペインの教育文化スポーツ省認定のスペイン語能力試験 DELE の C1(上級)所持。 猛暑、酷暑の夏も、少しずつ秋めいてきて、朝晩涼しくなって来ました。日本の四季折々の天候にもやっと慣れて来たとはいえ、冬と夏のあまりにも激しすぎる気温差に、ちょっとげっそりしているのは、筆者だけではないと思います。しかし夜の長いこの季節、夏といえばお祭り、お祭りといえば、やっぱり夏。これは万国共通ではないでしょうか? そういう夏祭りですが、バルセロナ市の夏のお祭りは半端ではありません。数ヶ月に 1 度はお祭りごとを紹介しているような感じがしますが、この夏のお祭りの時期には是非旅行していただきたいものです。百聞は一見にしかず(Ver para creer = ベール・パラ・クレエール)ということで、今月は写真をたくさん盛り込みます。 夏の終わりは、やっぱりお祭りだ!ヴィラ広場の装飾。暑い夏の太陽から身を守るための涼しげな影を作ると同時に、あたりが綺麗な色で満ち溢れる。 12 位を獲得した装飾(写真協力 © Salvador Barrau Viñas)猛暑、酷暑の夏も、少しずつ秋めいてきて、朝晩涼しくなって来ました。日本の四季折々の天候にもやっと慣れて来たとはいえ、冬と夏のあまりにも激しすぎる気温差に、ちょっとげっそりしているのは、筆者だけではないと思います。しかし夜の長いこの季節、夏といえばお祭り、お祭りといえば、やっぱり夏。これは万国共通ではないでしょうか? そういう夏祭りですが、バルセロナ市の夏のお祭りは半端ではありません。数ヶ月に 1 度はお祭りごとを紹介しているような感じがしますが、この夏のお祭りの時期には是非旅行していただきたいものです。百聞は一見にしかず(Ver para creer = ベール・パラ・クレエール)ということで、今月は写真をたくさん盛り込みます。 Jesús 通りの装飾のテーマは「ドリームキャッチャー」。(写真協力 © Salvador Barrau Viñas) アメリカンインディアンがこの装飾により、悪い夢は網にかかり、そのまま夜に消え去り、良い夢は羽を伝って降り、 良い人の元に残る、と言い伝えたものと言われている。装飾は綺麗だけれど、21 の中で19 位バルセロナは空から見ると、綺麗な碁盤の目に設計されている。 右下の碁盤の目ではない部分が旧市街。 新旧で作られた時代が違うのは、明らかだ今でこそ、バルセロナ市はメトロやバスで縦横無尽に移動ができますが、その昔は小さな村々がポツン、ポツンとあったので、それぞれの村で夏祭りが行われて来ました。その名残で、特に有名なお祭りが、グラシア地区とサンツ地区で 1 週間の間隔を開けて行われる「フェスタ・マジョール(Festa Major ※)(スペイン語ではフィエスタ・マジョール Fiesta Mayor)=お祭り」です。 ※:カタラン語 ヴェルディ通り。(写真協力 © Salvador Barrau Viñas) 中央上の写真は、ギリシャ神話に登場するワインの神、バッコス。コミカルに描かれてはいるものの、 一つ一つの装飾には深い意味があり、歴史や神話に疎い筆者にはそれを説明してくれるガイドが必要なぐらいだ。 この装飾は 21 の中で 3 位を獲得した2 位を獲得したジベルター通り。(写真協力 © Salvador Barrau Viñas) 装飾には様々な工夫がなされていて、「あああ、すごい!」と唸ってしまう。 老いも若きもそぞろ歩きで、グラシア地区の装飾を見て歩く。「私に足場を与えてくれ、 そうすれば地球をも動かしてみせよう」ーアルキメデスー。 (写真協力 © Salvador Barrau Viñas)バルセロナに旅行されたことのある人は、あの区画整理された新市街の美しさに目を奪われたことと思います。 1850 年代の終わりから 1860 年代にかけて、イルデフォンソ・セルダの新市街計画が現実化され、現在のバルセロナの姿になったのは、壁で囲まれていた旧市街が人口増加で手狭になったとか、教会前にあった墓地への埋葬によって病気が流行ることとなり、衛生問題も取りざたされたとか、多くの要因が関わってきたためでした。そのために旧市街の外に、新市街として街を拡張していったのですが、京都の街のように、碁盤の目のようにデザインされたのです。そして、今日ご紹介する 2 つの地区は、そのセルダ計画の碁盤の目の中ではなく、端と端に位置するという訳で、昔は二つの確立した村だったのです。 ペガサスも空を飛ぶ (写真協力 © Salvador Barrau Viñas) サルも街を飾る (写真協力 © Salvador Barrau Viñas) グラシア地区は 8 月 15 日から 21 日にかけて、サンツ地区は 8 月 18 日から 26 日にお祭りが行われます。このため、それぞれの地区は一週間以上に渡り、ほぼ車が通れない状況になります。 小学校の校区を基にして町内会が作られている日本とは違い、住民の居住する「主要な通り」を中心にしてお祭りごとが行われるのが一般的なのが、今回ご紹介するお祭りです。通行止にした通りで行われるアクティビティには様々なものがあります。まずはテーマを決めて、通りを装飾する、ということ。これにはペットボトルなどの資源も利用されますが、通りの住人あげての協力で、それはそれはいろいろなアイディアで装飾されていきます。そして、最後にはコンクールとなり、投票も含め審査の結果、順位が決まるのです。 ジョアン・ブランカス・ダ・バイシュ・デ・トット通りの最後。 図書館を再現した装飾です。昔はどこの家にもあった百科事典、今では誰からもページをめくられることなく、装飾となっているのが(当時も装飾と言われていたが)ちょっと悲しい。6 位獲得 (写真協力 © Salvador Barrau Viñas) 暑い夏には大人気。ワニの噴水とは、なかなか思い浮かぶものではない (写真協力 © Salvador Barrau Viñas) それとは別に、参加型のゲーム、ビンゴゲーム、夕食後に始まり、夜通し盛り上がるコンサート、果ては、住人たちがテーブルと椅子を持ち出して、ご近所さんとのランチ会であったり、子供たちのお絵かき場になったり、と、様々です。どんな通りにも Bar(バル)はあるので、生ビールのタンクが通りに持ち出されて販売されたり、小腹の空いた時間に Bocadillo(ボカディージョ=バゲットでできたサンドイッチ)が買えたり、フランクフルトソーセージが買えたり。やはりお祭りには、屋台がつきものです。 ということで、今月はビジュアル重視。目がチカチカする文字は、少なめにしておきますね。ちょっとお仕事の手を止めて、写真を楽しんでください。来年のお盆休みにはぜひバルセロナへ、というので、貯金箱を用意する、というのも、お仕事をするモチベーションとなることと思います。 ¡Relájate un poco!(レラハテ・ウン・ポコ) ちょっとリラックスしてね!という意味。 そして、このフレーズ、もう覚えましたか? ¡Nos veremos el próximo mes! (ノス ベレモス エル プロキシモ メス) 来月、お会いしましょう! という意味。 美保子の『夜の特撮』ビンゴ会場を発見! 夏の夜長、モヒートなんぞを飲みながら、「ビンゴ!」 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子さんのその他の記事 2024/10/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.70 2024/09/10 業界コラム スペインの知られざる文化 No.69 2024/08/07 業界コラム スペインの知られざる文化 No.68 2024/07/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No.67 2024/06/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.66 2024/05/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.18 2024/04/09 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.17 2024/03/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.16 2024/01/10 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.15 2023/12/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.14 2023/11/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.13 2023/10/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.65 2023/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.64 2023/07/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.12 2023/06/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.63 2023/05/09 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.11 2023/04/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.10 2023/03/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.9 2023/02/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.8 2023/01/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.7 2022/12/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.62 2022/11/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.61 2022/10/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.60 2022/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.59 2022/08/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No.58 2022/07/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.6 2022/06/14 業界コラム スペインの知られざる文化 No. 57 2022/05/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.56 2022/04/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.55 2022/03/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.54 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月