スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師

杉田 美保子

スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。...もっと見る スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。
石川県金沢市でスペインの生活や、スペイン語の楽しさを細々と伝授中。「故郷」バルセロナとはリモートでの繋がりが中心となっている中、余暇に畑を耕したりしながら、日本の生活も楽しんでいる。
京都のバルセロナ文化センターのスタッフとしても、どのようにしてスペイン語の面白さをみなさんに伝えられるか、日々模索中。

スペインの教育文化スポーツ省認定のスペイン語能力試験 DELE の C1(上級)所持。

猛暑、酷暑の夏も、少しずつ秋めいてきて、朝晩涼しくなって来ました。日本の四季折々の天候にもやっと慣れて来たとはいえ、冬と夏のあまりにも激しすぎる気温差に、ちょっとげっそりしているのは、筆者だけではないと思います。しかし夜の長いこの季節、夏といえばお祭り、お祭りといえば、やっぱり夏。これは万国共通ではないでしょうか?

そういう夏祭りですが、バルセロナ市の夏のお祭りは半端ではありません。数ヶ月に 1 度はお祭りごとを紹介しているような感じがしますが、この夏のお祭りの時期には是非旅行していただきたいものです。百聞は一見にしかず(Ver para creer = ベール・パラ・クレエール)ということで、今月は写真をたくさん盛り込みます。

夏の終わりは、やっぱりお祭りだ!

ヴィラ広場の装飾。暑い夏の太陽から身を守るための涼しげな影を作ると同時に、あたりが綺麗な色で満ち溢れる。 12 位を獲得した装飾(写真協力 © Salvador Barrau Viñas)

猛暑、酷暑の夏も、少しずつ秋めいてきて、朝晩涼しくなって来ました。日本の四季折々の天候にもやっと慣れて来たとはいえ、冬と夏のあまりにも激しすぎる気温差に、ちょっとげっそりしているのは、筆者だけではないと思います。しかし夜の長いこの季節、夏といえばお祭り、お祭りといえば、やっぱり夏。これは万国共通ではないでしょうか?

そういう夏祭りですが、バルセロナ市の夏のお祭りは半端ではありません。数ヶ月に 1 度はお祭りごとを紹介しているような感じがしますが、この夏のお祭りの時期には是非旅行していただきたいものです。百聞は一見にしかず(Ver para creer = ベール・パラ・クレエール)ということで、今月は写真をたくさん盛り込みます。

Jesús 通りの装飾のテーマは「ドリームキャッチャー」。(写真協力 © Salvador Barrau Viñas) アメリカンインディアンがこの装飾により、悪い夢は網にかかり、そのまま夜に消え去り、良い夢は羽を伝って降り、 良い人の元に残る、と言い伝えたものと言われている。装飾は綺麗だけれど、21 の中で19 位
バルセロナは空から見ると、綺麗な碁盤の目に設計されている。 右下の碁盤の目ではない部分が旧市街。 新旧で作られた時代が違うのは、明らかだ

今でこそ、バルセロナ市はメトロやバスで縦横無尽に移動ができますが、その昔は小さな村々がポツン、ポツンとあったので、それぞれの村で夏祭りが行われて来ました。その名残で、特に有名なお祭りが、グラシア地区とサンツ地区で 1 週間の間隔を開けて行われる「フェスタ・マジョール(Festa Major ※)(スペイン語ではフィエスタ・マジョール Fiesta Mayor)=お祭り」です。

※:カタラン語

ヴェルディ通り。(写真協力 © Salvador Barrau Viñas) 中央上の写真は、ギリシャ神話に登場するワインの神、バッコス。コミカルに描かれてはいるものの、 一つ一つの装飾には深い意味があり、歴史や神話に疎い筆者にはそれを説明してくれるガイドが必要なぐらいだ。 この装飾は 21 の中で 3 位を獲得した
2 位を獲得したジベルター通り。(写真協力 © Salvador Barrau Viñas) 装飾には様々な工夫がなされていて、「あああ、すごい!」と唸ってしまう。 老いも若きもそぞろ歩きで、グラシア地区の装飾を見て歩く。
「私に足場を与えてくれ、 そうすれば地球をも動かしてみせよう」ーアルキメデスー。 (写真協力 © Salvador Barrau Viñas)

バルセロナに旅行されたことのある人は、あの区画整理された新市街の美しさに目を奪われたことと思います。

1850 年代の終わりから 1860 年代にかけて、イルデフォンソ・セルダの新市街計画が現実化され、現在のバルセロナの姿になったのは、壁で囲まれていた旧市街が人口増加で手狭になったとか、教会前にあった墓地への埋葬によって病気が流行ることとなり、衛生問題も取りざたされたとか、多くの要因が関わってきたためでした。そのために旧市街の外に、新市街として街を拡張していったのですが、京都の街のように、碁盤の目のようにデザインされたのです。そして、今日ご紹介する 2 つの地区は、そのセルダ計画の碁盤の目の中ではなく、端と端に位置するという訳で、昔は二つの確立した村だったのです。

ペガサスも空を飛ぶ
(写真協力 © Salvador Barrau Viñas)

サルも街を飾る
(写真協力 © Salvador Barrau Viñas)

グラシア地区は 8 月 15 日から 21 日にかけて、サンツ地区は 8 月 18 日から 26 日にお祭りが行われます。このため、それぞれの地区は一週間以上に渡り、ほぼ車が通れない状況になります。

小学校の校区を基にして町内会が作られている日本とは違い、住民の居住する「主要な通り」を中心にしてお祭りごとが行われるのが一般的なのが、今回ご紹介するお祭りです。通行止にした通りで行われるアクティビティには様々なものがあります。まずはテーマを決めて、通りを装飾する、ということ。これにはペットボトルなどの資源も利用されますが、通りの住人あげての協力で、それはそれはいろいろなアイディアで装飾されていきます。そして、最後にはコンクールとなり、投票も含め審査の結果、順位が決まるのです。

ジョアン・ブランカス・ダ・バイシュ・デ・トット通りの最後。
図書館を再現した装飾です。昔はどこの家にもあった百科事典、今では誰からもページをめくられることなく、装飾となっているのが(当時も装飾と言われていたが)ちょっと悲しい。6 位獲得
(写真協力 © Salvador Barrau Viñas)

暑い夏には大人気。ワニの噴水とは、なかなか思い浮かぶものではない
(写真協力 © Salvador Barrau Viñas)

それとは別に、参加型のゲーム、ビンゴゲーム、夕食後に始まり、夜通し盛り上がるコンサート、果ては、住人たちがテーブルと椅子を持ち出して、ご近所さんとのランチ会であったり、子供たちのお絵かき場になったり、と、様々です。どんな通りにも Bar(バル)はあるので、生ビールのタンクが通りに持ち出されて販売されたり、小腹の空いた時間に Bocadillo(ボカディージョ=バゲットでできたサンドイッチ)が買えたり、フランクフルトソーセージが買えたり。やはりお祭りには、屋台がつきものです。

 

ということで、今月はビジュアル重視。目がチカチカする文字は、少なめにしておきますね。ちょっとお仕事の手を止めて、写真を楽しんでください。来年のお盆休みにはぜひバルセロナへ、というので、貯金箱を用意する、というのも、お仕事をするモチベーションとなることと思います。

¡Relájate un poco!(レラハテ・ウン・ポコ)

ちょっとリラックスしてね!という意味。

 

そして、このフレーズ、もう覚えましたか?

¡Nos veremos el próximo mes! (ノス ベレモス エル プロキシモ メス)

来月、お会いしましょう!     という意味。

美保子の『夜の特撮』
ビンゴ会場を発見! 夏の夜長、モヒートなんぞを飲みながら、「ビンゴ!」