2023/04/11 業界コラム 杉田 美保子 スペインには無い日本の魅力 No.10 スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子 スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。...もっと見る スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。 石川県金沢市でスペインの生活や、スペイン語の楽しさを細々と伝授中。「故郷」バルセロナとはリモートでの繋がりが中心となっている中、余暇に畑を耕したりしながら、日本の生活も楽しんでいる。 京都のバルセロナ文化センターのスタッフとしても、どのようにしてスペイン語の面白さをみなさんに伝えられるか、日々模索中。 スペインの教育文化スポーツ省認定のスペイン語能力試験 DELE の C1(上級)所持。 三寒四温という言葉通りの3月を過ごし、だんだん暖房からは遠のき、冬じまいをしているともう春爛漫。この季節感は、日本にしかないものでしょうね。もちろんバルセロナにも四季はありますが、春、秋は主役級ではなく、夏と冬、それも冬は極寒になる時期が2週間ほど、と、気温だけを見ると、日本より極端です。そんな季節感を満喫したライアの旅、ネコちゃん (スペイン語ではgato [単数形、男性名詞] 、ガト、と発音します) を追いかけた様子をご紹介です。 万国共通 ! 大好きなネコちゃん !スペインの物価高は、特にバルセロナやマドリードといった都会では顕著で、ここ近年、賃貸のアパートから、中古物件購入へと移行した人がたくさんいます。筆者がバルセロナに居住していた時の賃貸料では、今やアパートを探すことができなくなり、ざっと聞いて見ると当時の二倍には跳ね上がっていると思われます。こんなに高額な賃貸料を何十年と払うぐらいなら、ローンを組んで物件を購入し、ゆくゆくは子孫に残そう、というのも、万国共通のようですね。 そんなライアたちも、2年前からそんな生活を送り始めました。飼っている猫ちゃんにとって、テラスのあるおうちは快適で、日向ぼっこしながらゴロゴロ、なんとも羨ましい暮らしを始めました。ただ、今回の1ヶ月の旅行で愛猫に会えなくなるのはかなり辛く、その反動で日本でもネコちゃん探しの散歩を続けたのです。 日本に住んでいながら、こんな所があるなんて、私には知らないことだらけなので、今回の旅の説明にはかなりな不備が生じますが、お許しくださいませ。バルセロナのライアが訪れる、というのは、世界的にもとても有名な所なのでしょうね。 ジャパンレールパスを駆使すると、日本中どこでもJRで移動できる、ということで、なんとも羨ましい限りの非日本人たち ! そのパスも、1週間、2週間、3週間と選択でき、「え、3週間も休暇 ? 」という「ダブル羨ましい」な訳です。その恩恵を見事に享受し、ライアは貴志駅にもいったわけです。「たま駅長」に会いに ! 何しろ全てが嬉しいライア。駅長さんにも会えたけれど、お昼寝中スペインでも、犬や猫を家族に迎え入れている人はかなりたくさんいて、動物にはかなり寛容です。日本だと、小型犬が主流でだいたいお家の中で育てている方が多いようですが、スペインでは大型犬もアパート暮らしだったりします。特に「ペット不可」という物件も聞いたことがなく、かなりの割合で動物と同居というご家庭があるのです。 (スペインのワンちゃん事情、詳しくは2019年2月号で。) 実際にお家でネコちゃんを飼っている友人たちの家に行くと、私もその可愛さについシャッターを押してしまう1人。籐の椅子に座るのはカルロタの「ミシュ」。ストーブ前でくつろぐのは、近所の友人宅の「まめ」と「ラム」。くつろぐ姿も万国共通ですよね。癒されます。 「ミシュ」は、ベランダの椅子でゴロゴロ。「まめ」と「ラム」は、ストーブの前でゴロゴロ。いずれも友人たちのネコちゃんそして、ライアのRegalizちゃん (レガリス、カンゾウ (甘草) の意味) 。レガリスとは、日本で例えると「グミ」系の食感であったり、仁丹系の乾燥した小粒状であったり、はたまたカンゾウの乾燥した根っこ状であったり、巷に出回っている、薬草系の嗜好品のことを指します。仁丹系の小粒サイズのものは、真っ黒で、その色にちなんでネコちゃんに名前がつけられました。日本では、真っ黒なネコちゃんにどんな名前をつけるでしょうか ? 例えば、ブラックコーヒーを連想して、カフェ、とかでしょうか ? 黒い墨を連想して、ボクジュウとか ? 「ネコちゃんにそんな名前はつけないヨォ」と言う声も聞こえてきそうですが、そんな感じです。 引越し前には、窓の側で外を眺めたものでした。彼女たちの住んでいたアパートはエレベーターで上階に、7階か8階だったでしょうか ? リビングの窓には、20センチぐらいの幅の窓手すりがついていて、小さな植木鉢などを置くには十分でしたが、何しろネコちゃんはそう言う狭いところを歩きたがる。1階、2階ならまだしも、高層となると落下が心配。と言うことで、レガリスちゃんは外には出られない生活を強いられていたのです。鳩が飛んでいる、外の音が聞こえてくる、美味しそうな匂いも上がってくる、そんな外の世界に憧れて、筆者の滞在した客間の窓からなかなか離れてくれませんでした。 ティビダボの山が見える。鳩も飛んで行く。あああ、外の世界、覗きたい !こんな可愛いネコちゃんを置いて旅行なんて…。ああ、でもニッポンの魅力も捨てがたい ! そんなライアの葛藤が眼に浮かぶようですね。 「遊んでくれる ? 」「ダメダメ、食事の支度中よ ! 」なんて会話が想像されるだから日本でも、ネコちゃんに反応、記念写真を撮り、レガリスとの離れ離れの悲しさを癒すわけですね。 どの町でも道も必ずチェック ! キョロキョロ周りを見ていたら見逃しそうなレリーフも逃さない大阪から貴志駅までの遠足は、ネコちゃん駅長に会うために考えたものだそうで、美術館でもご機嫌に写真撮影。このコラムを書くにあたり、調べて見たのですが、ニタマさんとたまさん、あまりよくわからないのは、私にネコちゃん愛が足りないからでしょうか ? 多分ネコちゃんファンのみなさまならば、写真を見れば一目瞭然なのでしょうから、多くは語らないことにします…。 さまざまな素材で駅長さんが描かれている。もう撮影は止まらない…筆者にとってはおんなじでも、微妙に色目の違う看板。ああ、ネコちゃん愛が止まらないライア !電車の中、駅構内、至る所で撮影するライア。自撮りの腕は素晴らしく、ああ、時代だな、と感じてしまう筆者です。「ええ、1人で旅行はつまらなくない ? 」と聞いたものの、長期休暇の取れない筆者が同行するわけにもいかず、泣く泣く写真で我慢するわけですが、絶対に楽しそう~、と思ってしまいます。 あああ、座席のクッションも、ドロップスも、全部ネコちゃん駅長さん ! もうお土産を買い漁ることにここまでコラムを書いて、「たま」さんと、「ニタマ」さん、2人の駅長がいることに気づいた筆者ですが、常識知らずですみません ! 一匹狼の筆者にとって、自分の生活で精一杯、とてもネコちゃんを家族に招き入れる覚悟はないのですが、なんだかネコちゃん、癒されてみたくなってきました。ライアに感化されて ? でも、まあ、ぜひ一度体験してみたいことの1つということで、今日のコラムはおしまいです。 では、今月のフレーズもお楽しみください。 今月のフレーズは ¡Miau, miau! (ミアウ、ミアウ) 「ニャー、ニャー」 ¡Guau, guau! (グアウ、グアウ) 「ワン、ワン」 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子さんのその他の記事 2025/01/15 業界コラム スペインの知られざる文化 No.73 (最終回) 2024/12/10 業界コラム スペインの知られざる文化 No.72 2024/11/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.71 2024/10/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.70 2024/09/10 業界コラム スペインの知られざる文化 No.69 2024/08/07 業界コラム スペインの知られざる文化 No.68 2024/07/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No.67 2024/06/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.66 2024/05/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.18 2024/04/09 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.17 2024/03/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.16 2024/01/10 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.15 2023/12/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.14 2023/11/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.13 2023/10/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.65 2023/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.64 2023/07/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.12 2023/06/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.63 2023/05/09 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.11 2023/04/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.10 2023/03/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.9 2023/02/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.8 2023/01/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.7 2022/12/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.62 2022/11/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.61 2022/10/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.60 2022/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.59 2022/08/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No.58 2022/07/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.6 2022/06/14 業界コラム スペインの知られざる文化 No. 57 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2025年5月2025年4月2025年3月2025年2月2025年1月2024年12月2024年11月2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月