スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師

杉田 美保子

スペイン・バルセロナ滞在 27 年を経て、2015 年に帰国...もっと見る スペイン・バルセロナ滞在 27 年を経て、2015 年に帰国。
金沢市の北國外国語カレッジを中心に、スペインの生活とスペイン語の楽しさを細々と伝授中。「故郷」バルセロナとはリモートでつながりながら、日本の生活も楽しんでいる。
京都のバルセロナ文化センターのスタッフとして、ますます活動の幅を広げていくべく、挑戦中。

スペインの教育文化スポーツ省認定のスペイン語能力試験 DELE の C1(上級)所持。

2021年が始まり一ヶ月、ちょっとホッとした2月になります。なぜホッと、なのか、うまく説明出来ればいいのですがー。

改めまして、本年もよろしくお願いいたします!

2020年は、新型コロナウィルスに始まり、バルセロナへの里帰りはキャンセル、私事ではありますが父との別れがあり、そして新型コロナウィルスで終わりました。

スペインにはない風習『喪中のご挨拶』

2020年の師走に入り、ちょっと慌てた筆者。そうです、喪中には年賀状でのご挨拶をしない、という日本の風習は、日本に住む以上、避けて通れないことのようなのです。日本に戻ってきて5年以上過ぎ、最近年賀状で連絡を取り合う友人は15人ほど。それ以外の友人たちとは、メール、スマホのメッセンジャー機能、様々なアプリ経由、などなど、デジタル媒体が多くなりました。父の方は近年になって、終賀状だと言っていたものの、それでも2020年は50枚近くの賀状をいただいており、その方々へ訃報のご挨拶状。ご友人がたが賀状を用意する前に届かなくては、ということで、多分滑り込みセーフで発送ができたと思っています。

そして大晦日まで、時間は着々と進み、そこである一言を言われるわけです。

このようなハガキが私宛に届くようになったのも、日本での社会復帰が実現されているからか、それともそういう年代になったからか、などと、妙に大人を実感

「美保子は喪中だから、相手の方に、おめでとうと言わせないため、年始は人に会わない方がいいんじゃないの?」という趣旨のコメントです。

そっかー。そういうのも、日本の風習かー。門松もダメ、おめでとうもダメ。確かに喪中だしな。じゃあさ、年末年始、またまたボッチかー。バルセロナにいた時と、あんまり変わらんなー。それより向こうでは、新型コロナの前だったから、友人たちと集ってたから、今の方が孤独だな〜。

という心の声を、文字にしてみました。

スペインと違うことを探すのも、だんだん辛く、難しくなってきたほど、毎月コラムで色々なことを書かせていただいていますが、まだまだびっくりすることが出てくるのはラッキーです。

さて、冒頭の喪中葉書の件ですが、なぜ慌てたか? これ、実は郵便局の転送サービスを利用したための結果なんです。転送サービス、便利だったのですが、これ転送ではなく転居扱いとなるため、一年間という期間限定での転送なんですね。父の住所は私の家の住所になったまま、期間が終わり、転送サービスが終わると、郵便物は差出人に戻されてしまうんですね。それが12月頭だったので、慌てたのです。父のお友達が出してくださるであろう2021年の賀状は、差出人不明で戻ってしまう…、そう思ったのです。

黄色のポストは、市民が手紙を出すポスト。緑色のは、郵便局員が使用する配達用のポスト。都市部では、徒歩で手紙入りのカートを引っ張る郵便配達員に多々行き交う

では、スペインではどうでしょうか? 郵便物は住所宛に届くため、そこに実際に住んでいない、前の住人の物も普通に届きます。その住所が存在さえしていれば、そこに数週間だけ滞在している人への郵便物も、普通に届きます。大体が、ダイレクトメールであったりするので、前の住人もそんな郵便物のことは大して気にしていないようです。引っ越しをすると、忘れがちなのが銀行口座などの住所変更だったりして、その昔のアナログ時代は毎月銀行のお知らせが届いたものですが、最近はデジタル化で、ほとんど郵便物は届かなくなってきました。また、アパートの集合郵便受けには、配達員に差し戻す郵便物を入れるポストがあったりして、間違って届いた郵便物を戻したりもしました。引っ越しを何度かしましたが、その都度住所変更の届を銀行や役所に届けていたので、郵便局に転居届けを出したことは無かったのが、今の記憶。よって、日本とスペインの郵便局のシステムの違いは、公平に話せないのが残念! スペインの郵便局にも、多分引っ越しによる住所変更システムがあるとは思います。

日本では、郵便物の住所と、表札の名前が合っていても、一度転送(転居)届けを出すと、期間が過ぎたら配達してもらえないというデメリットがあって、ただそれが徹底している分、そこはメリットということなんですね。

もう1つは、「喪中の人におめでとうは言わない」という日本の風習ですね。スペインは、喪中であっても、普通にクリスマスや年始の「おめでとう」は言います。この辺りを確認するため、友人たちに訊ねてみると、「喪中である、というのと、相手の幸せを祝う、というのは、別問題で、大切な方を亡くした人へ、また故人へのリスペクトはもちろんするけれど、それと「あけましておめでとう」を言うか言わないか、は別の話よ」という回答でした。50年ほど前ならば、喪が明けるまで、黒の洋服、黒の帽子にベール、という女性がいたことを、古いスペイン映画で見たことがあるので、日本よりは素早く現代化しているのかもしれませんね。ただ、そのスペイン映画は白黒だったので、実際に黒の衣装だったかは、定かではないのですが…。

アプリで作成? 名前入り、写真での年賀状!

なので、今年も届く、届く! スマホ経由でたくさんのメッセージが届きました。2020年の楽しかったシーンのコラージュ画像が添付されていたり、とっても長文で、2021年の幸せを願うメッセージであったり、シンプルに1行であったり。

¡Feliz año nuevo! (フェリス・アーニョ・ヌエボ=幸せな新年を)

日本語に訳すと、おめでとう、となるのですが、実は、幸せな新年を願います、と言う意味が込められているのです。こう書くと、喪中の人にだって言っても良いフレーズですね。

と言うことで、今月はすでにお正月も終わり、行き合う人と新年の挨拶を交わさなくても良くなったので、それで冒頭の、「ホッとした」となるのです。

スタンプあり、短文あり、イラスト入りあり、さまざまなグリーティングがスマホ経由で到着。便利な世の中になったもんだ

とは言いながら、私の喪中葉書の届く前に年賀状を用意していた友人からは、「すみません、もう書き終わっていたので、送ります」と近況が書かれた賀状が3通届きました。なあーんだ。そんなに気にすることではなかったのかな? 半分日本人で、半分スペイン人の筆者…。どうにもこうにもこの中途半端さに、我ながら笑ってしまいます。そこで、冒頭の、「やっとホッとした」二月というわけなのでした。そう、2021年も、こうやって、笑って過ごします! 

年賀状タイプ、長文タイプ、日本語話せる友達、日本語習っている友達、日本の餅のコラムがあったよ、とリンクを添えてくれる友達。メッセージは多種多様

そんな中、イラストや写真で協力してくださるサルバドールのイラストと、バルセロナ文化センターのイラストも掲載しますね。

¡Ríete! (リエテ! =君、笑って! の意味)