2021/10/12 業界コラム 杉田 美保子 スペインの知られざる文化 No.50 スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子 スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。...もっと見る スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。 石川県金沢市でスペインの生活や、スペイン語の楽しさを細々と伝授中。「故郷」バルセロナとはリモートでの繋がりが中心となっている中、余暇に畑を耕したりしながら、日本の生活も楽しんでいる。 京都のバルセロナ文化センターのスタッフとしても、どのようにしてスペイン語の面白さをみなさんに伝えられるか、日々模索中。 スペインの教育文化スポーツ省認定のスペイン語能力試験 DELE の C1(上級)所持。 10月になりました。でも、まだまだ気温は高く、秋に植える野菜たちの発芽の温度管理に頭を悩ませ、そしてまだまだ暑さで汗をかく日々が続いています。みなさん、水分補給はどうしていますか? 日本とスペイン、やっぱり「ちょっと」違う!金沢の生活ですが、私の場合は車での移動が多く、ここ一年は公共交通機関や自転車、徒歩での移動はほぼ皆無です。もう少し歩かないといけないな、と思いながらも時間との戦い、つい移動は車です。そして車移動で便利なのは、水分補給のための水のボトルを持ち運ばなくてもいい、ということですね。助手席に水筒やペットボトルなどをおいておけるので、バッグが重くなる心配もありません。 携帯用330mlと、卓上1.5リットルのボトル。シーンによって使い分けるバルセロナ市内の移動は、貸自転車であったりバス、メトロであったり、はたまた徒歩であったりと都会の人は健脚だ、というのがよく分かります。日本でも都会の人々はよく歩くのではないでしょうか? 何しろ、都会は路線乗り換えの通路も長いため、万歩計も半端なく計測値が上がるのではないでしょうか? そんな中、どこへ行くにもドアツードアの田舎(おっと、失礼!)生活を、ちょっと反省したりします。 巡礼の途中の村で、なぜか帰省中の友達とばったり会う。その時も、首に手ぬぐい、手に水のボトル。水は大事こんなに暑い日が続くと移動の途中で喉が乾くのですが、みなさんはどうしていますか? 6年経って、やっぱりスペインとの違い、見つけましたよ! それは、『ネラルウォーターのボトルサイズ』です。 欧米のスーパーに行くと、ファミリーサイズのお肉やキロ単位で売られているフルーツが主流で、買い物に困る、という旅行者の方のコメントを見たことがあります。そうですね、単身用もしくは少人数の買い物は、割高になったり、種類がなかったりと困ることもあるかと思います。ただ、ミネラルウォーターだけはちょっと違います。 スペイン巡礼の道に必要なのが水筒。ただし、空の時の重量はできるだけ軽い方が助かる。それをリュックにくくりつける私が車に常備しているアルミの水筒は450mlと小さめです。ただ、運転している時の水分補給にあまり大きなボトルや水筒は逆に不便なわけで、この水筒が空になると大きいサイズのボトルから入れ替えて、水筒で給水しています。で、この大きいサイズのペットボトルですが…。日本のボトルはちょっと大きすぎませんか? 2リットルって…? どうしてかというと、スペインでのペットボトルは1.5リットルが主流だからです! 意外に小さいでしょ? 手が自由になるように、リュックには様々なポケットがあり、ありがたい冬以外に旅行されたことのある方は、周りに歩いている人たちがこの水のボトルを持っていることに気づきませんでしたか? そのペットボトルを立ち止まって飲んでいる若者とか、見ませんでした? ウォーキングの人が持つボトル、日本より大きくありませんでしたか? でも日本の500mlの飲み物だと、あっという間になくなってしまうって感じたことありませんか? そうなんです。日本のボトルは、500ml、650mlと続きいきなり2000mlへと巨大化するのです。これには困りました。喉が乾くとグビグビ飲んでしまうので、650mlでもあっという間に無くなって、さらに2本目を買うことになるのです。 スペインでは、小さいボトルも売られています。250mlほどのミニボトルから、350ml~600mlぐらいでしょうか。小さいものは、子供達のリュックにちょうど良いサイズですね。 さて、このミネラルウォーターのボトルですが、日本では2リットルがマックスという感じですが、スペインではさらに大きなものが販売されています。5リットルや8リットルです。これは主に、家庭での消費に使われたり、前述の1.5リットルや小サイズのボトルへの継ぎ足し用に購入されていきます。かなり重いので、運ぶのに苦労するのも事実で、私のバルセロナでの母マリアは、逆にこの1.5リットルが6本パックとなったものを利用しています。家庭の台所でも、「5リットルの水タンクは持ち上げられないわ」ということで、彼女の家にステイする時には、毎日帰宅するたびにこの6リットルの重さのパック(1.5リットル×6本)を買っていきます。 スペイン巡礼中には、命の水とも言える給水地点が存在する。あまり小さいボトルだと、次の地点まで水が保たないためもあり、大きなボトルを持ち、そこに入れる水加減を考えることになるそれとは別に、1リットルのボトルも存在します。これは、キャップの上部がリング状になっていて、そこにカラビナを取り付けるとリュックに固定することができ、トレッキングや山歩きの時に両手があく、というものです。 特に歩いている時に、しっかりとした保温のきく水筒を持ち運んだりすると、水筒自体の重さで疲れてしまうってこと、ありませんか? 「だって、お水を常温で飲むなんて…。」という方、いらっしゃいますよね。帰国当初、飲食店でのお冷にたくさんの氷が入っていて、冷たくて飲めなかったことがありました。最近ではそれも慣れたのですが、バルセロナっ子は案外、常温のミネラルウォーターを注文することが多いです。慣れとは恐ろしいものですよね。 子供の頃の水筒は、蓋がコップになるようになっていたが、そんなものはあまり気にしなくなった。お上品だとか何だとか、言っていられないほど、水分補給は重要そんな中、バルセロナの友人たちが日本のお土産として買って帰るものがあります。そうです。しっかりと保温のきく水筒です! ステンレス製の軽くて割れない、というものは、もちろんスペインでも購入できます。ただ、なぜか友人たちは、日本の会社のステンレスポットを購入してお土産とします。小さめの、熱々のコーヒーを持ち歩くのに便利なサイズを選ぶようです。 キャップがリング状になっていて、中身も1リットルと、適度な量が入るボトル。さすがに1週間以上の使用後はこのようになる多分、日本にはペットボトル飲料がどこでも購入でき、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく飲むことを好むようなので、ミネラルウォーターのボトルサイズに関してはそんなにこだわらないのでしょうが、水道水があまり美味しくないバルセロナでは、街の各所にある水飲み場の水を飲むよりも、お店で購入したボトルを持ち運ぶ人のほうが多いように見受けられます。また、ラッパ飲みを「はしたない」とする文化も関係があるのでしょうから、大きなボトルから直接飲む、という姿は、日本ではあまり見られないのかもしれませんね。 水道の民営化の話が、いくつかの県で進んできている日本。この美味しい水道水が今のままの品質で、なおかつ料金上昇などが起こらないことを願うばかりです。 今日のフレーズは、 Una botella de agua mineral, por favor. (ウナ・ボテーリャ・デ・アグア・ミネラル、ポル・ファボール) 「ミネラルウォーターを一本ください」 そして答えは、 ¿Fría o natural? (フリーア・オ・ナトゥラル?) 「冷たいの? それとも常温の?」 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子さんのその他の記事 2024/10/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.70 2024/09/10 業界コラム スペインの知られざる文化 No.69 2024/08/07 業界コラム スペインの知られざる文化 No.68 2024/07/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No.67 2024/06/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.66 2024/05/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.18 2024/04/09 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.17 2024/03/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.16 2024/01/10 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.15 2023/12/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.14 2023/11/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.13 2023/10/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.65 2023/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.64 2023/07/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.12 2023/06/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.63 2023/05/09 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.11 2023/04/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.10 2023/03/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.9 2023/02/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.8 2023/01/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.7 2022/12/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.62 2022/11/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.61 2022/10/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.60 2022/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.59 2022/08/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No.58 2022/07/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.6 2022/06/14 業界コラム スペインの知られざる文化 No. 57 2022/05/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.56 2022/04/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.55 2022/03/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.54 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年10月2024年9月2024年8月2024年7月2024年6月2024年5月2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月